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[E3 2006#007]ようやく完成が見えてきた? 過酷で自由な世界のFPS「S.T.A.L.K.E.R.」
2006/05/11 17:14
 E3の常連タイトルとなりつつある,THQのFPS「S.T.A.L.K.E.R. Shadow of Chernobyl」。今年はTHQのクローズドブースで,プレイアブルバージョンが出展されていた。なお,ゲームはすでに十分に動いていたのだが,クローズドブースお決まりの“写真撮影禁止”だったため,その点はご了承いただきたい。

 さて,本作でプレイヤーは,S.T.A.L.K.E.R.という部隊に所属する記憶喪失の兵士を操り,チェルノブイリ原子力発電所事故後の世界を生き抜いていく。というわけで,今回また新たに聞いた話についてお伝えしていこう。
 なお,E3 2004の記事も併せて読んでもらえば,より本作について分かってもらえるだろう(もちろん,すでに2年前の話なので,大きな変更が加えられているかもしれないが)。



 かつては美しいグラフィックスと,強力な物理エンジンに注目が集まっていた本作。さすがにそのあたりは特筆すべき点でもなくなってきたが,そんな本作の現在の特徴は自由度の高さだ。
 プレイヤーは一応ストーリーに沿って目的を達成しながら先に進んでいくわけだが,それとは別に“記憶喪失の自分は一体何者なのか?”について答えを探し求めるという,大きな目的がある。S.T.A.L.K.E.R.部隊の隊長が常に指示を出してくるので,彼に付き従って任務をまっとうしていくのが基本だが,彼とは行動を別にして,まったく違うところに行き,別のアプローチで物語を進めてもいい。
 敵を殺しまくって,落としたアイテムを拾い集め,それを売ってお金を稼いでもいいし,本作のステルス要素を利用するなどして殺傷を最小限に抑えながら先に進んでもいい。どこへ行って,何をしてもいい世界なのである。結末もいくつか用意されているらしく,ストーリー上の目的は達成したが,自分が何者なのかは分からないまま結末を迎えるといったケースもあるようだ。
 またNPCには「ファクション」(派閥)があり,出会い頭に考えなく殺してしまったNPCのファクションと敵対することになったりと,人間関係にも気を遣う必要がありそうだ。



 本作では,お金を稼ぐのはもちろん重要な行為の一つだが,“お金より情報”のほうが大切なものであるという。情報を得る方法は二つあり,一つは味方から話を聞いて得る方法。もう一つは,主人公が持っているPDAに自動的に蓄積されていくというものだ。PDAに関しては,例えば戦った敵についての弱点が書き加えられたり,あるポイントに行くだけで自動的に更新されたりと,とにかくパワフルな情報源となる。

 本作で自由度と並んで重要なのが,敵味方の強力なAIだ。まず敵は,AIの複雑さゆえに,同じシーンを繰り返しプレイしたとしても,同じ行動を見せることはまずないらしい。また味方AIも優秀で,チーム行動のときなどにプレイヤーがもたもたしていると,先に待っているのは敵の死体の山。主人公が動かなくたって,部隊の仲間達は任務に向かって戦い続けるのだ。

 ゲーム内にボーダーが設けられておらず,本当に好きなように遊べる世界だというS.T.A.L.K.E.R.。現在の開発進行度は85〜90%で,北米での発売予定時期は2007年3月とのこと。またもやちょっと先に伸びてしまったが,その存在を忘れることなく,辛抱強く待とうではないか。(Kawamura)


S.T.A.L.K.E.R.: Shadow of Chernobyl 日本語マニュアル付 英語版
■開発元:GSC Game World
■発売元:ズー
■発売日:2007/06/01
■価格:6090円(税込)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060511171431detail.html