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[E3 2006#008]期待のシリーズ最新作「バトルフィールド2142」がEAブースでプレイアブル展示
2006/05/11 18:57
 3月23日に電撃的に発表された「バトルフィールド2142」(以下,BF2142)は,その戦場を100年以上の未来に移し,氷河期が到来した地球を舞台にスーパーハイテク兵器を使って戦う,日本でも人気のマルチプレイFPS「バトルフィールド」シリーズの最新作だ。
 制作発表以来これといった追加情報もなく,これはつまり当然ながら今回のE3で華々しく情報公開されて盛り上がるつもりだな,そっちの魂胆はお見通しさ,うふふ,という我々は,早速Electronic Artsブースに向かったのである。



 4Gamer読者(つまりPCゲーマー)にとって事実上のメイン会場となるSouthホールの中央に,デンと据えられた円筒状の巨大なブースは,昨年同様,その内側に360度スクリーンをしつらえ,同社一押し二押しの作品の派手なプロモムービーを空きっ腹にこたえる大迫力サウンドと共に紹介しているのである。これを見るだけで,E3ムードが炸裂する人も多いだろう。たぶん。
 さて肝心の「BF2142」だが,驚いたことにこれがオープン展示なのだ。新タイトルの展示にはクローズドとオープンがあることは,(筆者は最近まで知らなかったが)熱心な読者ならご存じであろう。どちらかというと,クローズド展示のほうがデベロッパの開発者自らが説明に当たったり,秘密ムービーが公開されたり,おみやげをくれたりするので「熱心」な感じが強い。それに対してオープン展示は,もう誰でも好きに見てちょうだい,という雰囲気があったり,説明員がときどき食事に出かけていなかったりして,比較的,普通な感じ。
 世界的に大人気のバトルフィールドシリーズの最新作なのに,とデベロッパのDigital Illusion(D.I.C.E.)になり代わって憤った我々取材班だが,よく考えてみると,おせっかいな話である。それはともかく,E3のトレードショウという性格上,販売実績のあるものは放っておいても確実な販売が見込めるし,それだけ制作が順調であることの証拠ともいえるだろう。ええ,長い前置きの割に月並みな結論で恐縮してます。

 さて,前述のようにバトルフィールド2142の舞台は未来,つまりSF戦争だ。これに関しては,ファンサイトやフォーラムなどでも賛否両論だった。これまで同シリーズでは,実在する軍隊と実在する兵器を使った戦争をテーマにしてきただけに,この転身に難しい気分を抱いている人(含筆者)も結構いるようだが,実際に動いている画面をこの目で見,キーボードに触れてみると,これはもう間違いなくバトルフィールドシリーズだった。
 BF2のグラフィックスエンジンを使った画面はリアルで美しく,飛び交う未来スタイルの戦闘機や,地上兵器などの迫力も満点であり,事前の懸念を払拭する出来栄えに思わず感心する単純な取材班である。



 BF2142のゲームシステムは基本的にBF2を踏襲しており,遠い未来になってもやることは一緒で,相変わらず拠点の奪い合い。ただ,リファインされたプレイ画面は,マップや命令ウィンドウなどが未来的にデザインされてちょっとカッコいい。
 6人一組で小隊を編成する小隊システムや,コマンダーシステムなども搭載されている。コマンダーのやることも,お馴染みの「砲撃」「支援物資の投下」「UAV(無人偵察機)の投入」と変わらないが,さすがに22世紀。砲撃の精度が抜群に上がっているのだ。BF2では砲撃はあくまで面の制圧に使われることが多く,目端の利いた兵士ならかわすことも可能だったが,BF2142では,敵車両をピンポイントで狙えるとのこと。ゲームバランス的に大丈夫なのかという気もするが,未来なんだから,そのくらいじゃないとね。

 また,武器のカスタマイズも可能になった。バトルフィールド1942以来,兵士は兵科に分けられ,それぞれの兵科にしたがって武器のセットが決まっていたのだが,本作では,その制限がついに取り払われたのだ。狙撃兵に工兵のスパナを持たせた,BF2で言えば狙撃ライフルとスパナを持った“狙撃工兵”だの,突撃銃とショックパドルを持つ“突撃衛生兵”などが作れるわけだ。つまり,各兵士の見てくれはさほど変わらないため,どのような能力/実力を持った兵士なのか外見からは判断がつかなくなるのだ。
 ゲームバランス的に大丈夫なのかという気もするが,各兵士には“アビリティ”というパラメータが設置され,欲張って高性能兵器をたくさん持つと,移動速度が低下したりスプリントの距離が短くなったりするペナルティがある。いずれにしろ,これまた面白いフィーチャーと言えるだろう。



これが噂の浮遊要塞「タイタン」だ
 公開されたムービーでもお馴染みの2足歩行の戦闘機械“バトルウォーカー”や,ホバーで移動する戦車,装輪のAPC,トリッキーな動きで大空を制圧するガンシップなど,デザイン的には既存の未来兵器(変な表現だが)のイメージを超えているとは思えない印象だが,やはり,それらが縦横無尽に走り回り,銃やミサイルを撃ちまくる様子は魅力的だ。2足歩行の戦闘マシンなんてメックだなあ,と思っていた筆者も大満足というか,まあ満足。
 特筆すべきは“タイタン”であろう。これは,氷河に襲われた地域から人々を脱出させるために開発された浮遊要塞であり,ゲーム内では難攻不落の要塞にして,兵士,兵器のリスポーンポイントとして使われるのだ。そしてそのタイタンを使うのが,本作から新たに導入された,D.I.C.E.が自信を持って世に問うのが新ゲームモード,「タイタンモード」である。
 このモードにはチケットも拠点も登場せず(!),敵のタイタンを破壊することで勝利を得ることになる。前述のごとくバリアに覆われたタイタンは難攻不落だが,マップ上に数か所あるサイロから発射される対空ミサイルを何発か喰らわせるとバリアが破れ,敵のタイタン内に突入可能になるのだ。したがって,まずミサイルサイロを占領し,それを守る必要がある。まあ,サイロも拠点っちゃ拠点だけど,それがイヤなら,通常兵器でバリアを攻撃してもかまわない。これは,ゲームを説明してくれた関係者に言わせれば,バトルフィールドシリーズにおける画期的な出来事とのことだが,小さな声で筆者が付け足すと,バトルフィールド1942の「珊瑚海会戦」(タイタンの代わりに,空母を沈められたほうが負け)にちょっと似てるかな,とも。



 最大64人の対戦や,対戦成績によってメダルや勲章がもらえたり,武器がアンロックされたりといったBF2で評判のフィーチャーも過不足なく継承し,例えば武器アンロックの場合,次の対戦ではなく次のリスポーン時に新兵器の使用が可能になる,といった微妙に嬉しいモデファイが加えられたこのバトルフィールド2142。
 残念ながらE3で発売日は発表されなかったが(2006年秋,は変わらず),「こちら」に掲載した「Enemy Territory: Quake Wars」,そしてついにその姿を見せ始めた「Unreal Tournament 2007」など,よく似た設定のマルチプレイFPSが次々に登場する今秋。ファンなら「夏なんて早いとこ終わってくれ」という気構えをもって待ちたいところだ。(松本隆一)


バトルフィールド2142
■開発元:Digital Illusions CE
■発売元:エレクトロニック・アーツ
■発売日:2006/10/20
■価格:オープンプライス
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060511185739detail.html