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[E3 2006#010]Mythic,「Warhammer Online」をプレイアブル出展
2006/05/11 19:36
Mythic EntertainmentのExecutive Producer,Jeff Hickman氏。身振り手振りを織り交ぜつつ,Warhammer Onlineの作品解説をしてくれた
 Mythic Entertainmentブースでは,対人戦特化型MMORPG「Warhammer Online: Age of Reckoning」プレイアブル出展されていた。2006年3月30日に行われたメディア向け発表会レポートや,キーパーソンへのインタビュー記事を通じて,同作の概要や開発コンセプトについては紹介しているので,ここでは,Warhammer Onlineのプレイフィールや,同作Executive ProducerのJeff Hickman氏による解説をお伝えするとしよう。



 まずJeff氏は,Warhammer Online最大の特徴を「War is Everywhere!」と語り,対人戦,とくにRvR(領域対領域の大規模対人戦)に特化した同作の魅力を,力強くアピールしてくれた。
 Warhammer Onlineでは,プレイヤーは6種類のアーミー(種族)のいずれかに所属し,敵対アーミー/レルム(領域)と争うことになる。ドワーフ/ハイエルフ/エンパイア(善のヒューマン)を選択した場合,レルムは「Armies of Order」となり,グリーンスキン(オークやゴブリン)/ダークエルフ/カオス(悪のヒューマン)に所属した場合には,レルムは「Armies of Destruction」となるのだ。
 同作の世界には,PvEエリアとPvP(RvR)エリアが存在し,序盤から敵対アーミー/レルムとの対人戦が楽しめる仕様になっているので,まさに「War is Everywhere」である。ただし,ゲームを進めていくうえで,対人戦が必須というわけではなく,ソロでのモンスター狩りが中心でも,キャラクター育成や奥の深い戦闘が楽しめるという。「対人戦が不可欠」でない点は,MMORPGに不慣れなボードゲーム/TRPG版Warhammerファンにとっては,嬉しい仕様といえるだろう。



 Jeff氏は,対人戦の具体的な仕様についても教えてくれた。氏によると,Warhammer Onlineの対人戦は「スカーミッシュ」「バトルフィールド」「シナリオ」「キャンペーン」の4種類があるという。スカーミッシュは,対立するアーミーと遭遇すると始まる偶発的な対人戦。バトルフィールドは,オブジェクトの支配権を奪い合うキャプチャー・ザ・フラッグ的なチーム戦。シナリオは,インスタンスエリアで行われるグループ対抗戦となっている。なお,シナリオに関しては,相手グループと人数差があっても,自動的にNPCが編入され,平等な兵力で対人戦が楽しめるそうだ。
 そしてキャンペーンは,敵国に侵攻して敵の拠点を占領していき,最終的に首都を陥落させることを目的とするRvRだ。キャンペーンでは,スカーミッシュやバトルフィールド,シナリオでの戦果が総合的に判定され,優位に立っているレルムは,より敵陣深くへ攻め込めるようになっている。首都を陥落させた場合,そのアーミーの立場はどうなってしまうのか(サーバーがリセットされて仕切り直し? 首都を失っても放浪アーミーとして活動できる?)については語られなかったが,首都のNPCからアイテムを奪えたり,敵国の王を捕縛できたりと,興味深い要素が盛り込まれているそうだ。



 対人戦特化型MMORPGというと,若干ハードルが高そうに思えるが,実際に遊んでみると,そのプレイフィールは「韓国産MMORPG」のそれと,さほど変わらない。キャラクターの移動にW/A/S/Dキー(プラスQ/Eキー)を用いる点は,同社の「ダーク・エイジ・オブ・キャメロット」(DAoC)に近いが,左クリックで攻撃対象をターゲッティングし,スキルを登録したショートカットスロット(12枠)を押すことで各種アクションを行う,という操作系統だ。
 筆者はグリーンスキン(ゴブリン?)のキャスタークラスで試遊させてもらったのだが,DAoCよりも操作しやすく,純クリックタイプの操作系統よりも納得のいくアクションが確認できた。ある程度MMORPGに慣れ親しんでいる人向けの表現で申し訳ないが,「DAoCとクリックタイプMMORPGのいいとこ取り」な操作系統といえるだろう。
 肝心の対人戦に関しては,「とりあえずのプレイアブルバージョン」ということで,現段階での評価は避けさせてもらうが,モラルゲージを消費して繰り出す「必殺技」の爽快感や,地形やジャンプを利用した位置取りなどは,素直に楽しいと感じられた。体感できるラグなども生じることはなく,ゲームの基本部分に関しては,かなり完成に近づいているなぁという印象を受けた。

 Jeff氏によると,2006年秋にβテストが,2007年秋に正式リリースが予定されているWarhammer Online。日本展開については,まだパートナー企業を探している段階ということだが,ともあれ,着実に完成度が高まっていることが確認できただけでも,ファンにとっては大きな収穫である。日本展開の詳細も含め,今後の情報公開にも期待していきたい。(大路政志)


Warhammer Online: Age of Reckoning
■開発元:EA Mythic
■発売元:Electronic Arts
■発売日:2008/Q1
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.05/20060511193650detail.html