[E3 2006#022]「WoW」初の拡張パックに新種族Draenei登場
例年,新作発表はほとんどないのに,噂話は花盛りのBlizzard Entertainmentは,もちろん今年もE3で大きなプレゼンスを示している。MMORPGの拡張版1本という地味な出展ながらも,販売元であるVivendi Gamesのブース後方に大きく陣取り,巨大なスクリーンやデーモンの塑像を筆頭に,20〜30台はあろうかというディスプレイを並べて「World of WarCraft: The Burning Crusade」を来場者にプレイさせていた。
さて,同作では2005年10月の制作発表の時点でHorde側の新プレイヤーキャラクターBlood Elfを公開していたのだが,E3 2006の開催直前になってニューヨークタイムス紙が,Alliance側の新キャラ「Draenei」についての情報を発表した。非ゲームメディアが勇み足を踏んだことに,Blizzardブースに居合わせたアメリカの某ゲームメディアの編集者もいたくご立腹の様子だったが,このDraenei,実はWorld of WarCraftではモンスターとして登場しているらしく,Swamp of Sorrowsの近くで徘徊しているのだという。それが当初からの企画だったかどうかは分からないものの,デモ担当者によるとDraeneiはHorde一派であるBurning Legionというデーモン信者によって容貌を醜く変えられていたということだ。このBurning Legionは,RTSシリーズでは同じ魔力でオークらをおとしめていたのと同じグループだ。おそらく,この拡張パックのタイトルも,この狂信者達となんらかの関わりがあるのだろう。
Alliance側の新種族「Draenei」
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Draeneiは,青白いヒューマノイド系の種族で,大きな体が特徴だ。Star Warsに出てくるトゥイ=レック風の短い触角と太い尾,そして牛のひずめのような足がデフォルトであるようだ。周囲のキャラクターにボーナスを与えるHeroic Presenceなどいくつかの生得能力も保有する。 愛らしいBlood Elfと,端麗なDraeneiの女性キャラクターの追加は,おそらく既存のプレイヤーキャラクターがあまり魅力的でなかったというファンの要望に応えてのことだろう。
こちらはすでに発表されているHorde側の新プレイヤーキャラクターBlood Elf
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World of WarCraft: The Burning Crusadeは2006年末リリースの予定になっており,このソフトを購入すると,既存のキャラクターとの成長差を緩和するため,いきなりレベル15からプレイできるようにする計画だという。Outlandという新しいエリアが追加されたり,宝石などを埋め込んでパワーアップさせることが可能なソケットアイテムが取り入れられているのも「Diablo」っぽくて興味深い。
世界で650万人という人気作品の割に,日本は完全な空白地帯となっているのは残念だ。しかし,その人気ゆえに,フォローアップしておきたいMMORPGの一つである。本作初の拡張パックとなるWorld of WarCraft: The Burning Crusadeは,現在のWoW独り勝ち状態に,どのような影響を与えることになるだろうか? (ライター:奥谷海人)
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