ニュース
「真・三國無双BB」のネットカフェイベント開催 会場にはプロデューサーの松原氏の姿も
2006/06/12 17:57
 ELEVEN-UPとコーエーは昨日(6月11日),オンラインアクションゲーム「真・三國無双BB」「テクニカルテストネットカフェイベント」を開催した。会場となったのは,東京・錦糸町にこの春オープンしたばかりの複合施設,「olinas」地下1階にある「アドアーズカフェ錦糸町店」。生粋のゲーマーや,無双シリーズのファンというよりも,初めてこのゲームに触れる地元の人々をメインのターゲットとしていたようだ。

 当日はあいにくの悪天候ということもあり,イベント開始予定時刻(14時)の40分ほど前の段階で,100枚用意されていた抽選券のうち,配布されたのは10数枚(中にはこのイベントのために,配布がスタートした午前10時に訪れた人もいたという)。
 やや不安な滑り出しではあったが,イベント開始後には,買い物中の家族連れや,隣接するゲームセンター「アドアーズ錦糸町店」に遊びに来ていた人達が,何が行われているのかと興味本位で顔を覗かせ,三國無双シリーズのイベントであることを認識するや,抽選券をスタッフからもぎ取るというような光景も見られた。



 今回のイベントは,本日(6月12日)午前5時に終了したテクニカルテスト(クローズドβテスト)に,会場から参加できるというもの。
 イベントでは,当日抽選で選ばれた6名が劉備軍と曹操軍に分かれ,3対3(ゲームの仕様では,4対4までをサポートしているため,各軍残り1名は通常のテクニカルテスト参加者)で対戦。対戦終了後に,「書机」のところで表示される,軍勢ごとのランキングで1位になった人が,決勝戦へ進出するという流れ。これが合計3回(+決勝戦)行われたため,合計18名がゲームに触れられたというわけだ。
 決勝戦終了後には,勝利した軍勢のランキング上位3名にそれぞれ,プレイステーション2用ソフト「真・三国無双4 スーパープレミアムBOX」,PSP用ソフト「真・三國無双 2nd Evolution」,ゲームパッドが,本作のプロデューサーであるコーエーの松原健二氏から直接贈られた。



■オープンβテスト,早々に実現か?
コーエー執行役員 ソフトウェア事業部 ソフトウェア4部長
松原健二氏

 なお会場で松原氏から,テクニカルテストの状況や,今後の予定について話を聞けたので,気になったポイントをいくつかまとめて紹介しておこう。

 5月31日17時にスタートしたテクニカルテストは,開始当日と翌日にログインエラーなどのトラブルが頻発。「テクニカルテスト」とあえて銘打っている以上,こういった技術的なトラブルの検証こそが,テストの目的であるとも言えるわけだが,いち早くゲームに触れられることを楽しみにしていたテスターにとっては,あまり楽しいことではない。
 これについては,松原氏もしっかり認識していたようで,「テスターにはたいへん申し訳なかった」と語っていた。社内でも一般回線を使ったテストは行っていたというが,数百人,1000人といった数の,PCおよび通信環境もさまざまなテスターが一斉にアクセスしてくることにより,予想を超えた事態が起こり,それによってトラブルが発生してしまったという。そういう意味では,「テストをやって本当に良かった。協力してくださったユーザーさんに感謝したい」そうだ。

 また本作では,4対4の対人戦を行えるのだが,そのPvP状態になると,ほかのプレイヤーキャラクターの動きが,滑るような具合になってしまうこともあった。これは,サーバー,クライアント,そして通信という3要素すべてに膨大な負荷がかかっているがゆえに起こっていたとのこと。これに関しては,テスト終了後に行うチューニング作業によって,回避できると松原氏は断言。つまり,チューニング可能な要素の洗い出しが,テクニカルテストを通じて行えたということだろう。
 また,無双シリーズで初めてのオンラインゲームということもあり,これまでのシリーズのファンにとっては,必要な通信環境も気になるところだろう。本作のテクニカルテストはYahoo! BB独占配信となる予定だが,ADSLの1.5Mbpsでは少々きついものの,8Mbpsであれば,おおむね問題はなさそうとのデータがとれたという。本作のために通信環境をYahoo! BB光に変更しようかと考えている人にとって,これは嬉しい情報ではないだろうか。1.5Mbps回線に関しても,今後のテストでチューニングできる範囲ではないかと思われる。



 またゲーム内容に関しては,勝利条件を検討する余地が十分にあるとの見解を語ってくれた。実際,今回のイベントでも撃破数(キル数)はダントツで多いのに,敵陣の拠点を攻め落としたり,武将を倒したりしなかったばかりに,下位にランキングされてしまう人もいた。イベントの司会者が,「拠点を落とせば,50人ぐらいを倒したのと同じぐらいのポイントが加算される」と説明していたものの,プレイ中,画面右下に表示されているのが撃破数のみであるため,この数にばかり気をとられてしまったのだろう。
 また,時間切れ時(テクニカルテストでは20分1本勝負)の判定基準も,やや分かりにくい(集中を切らさないようにするにもちょっと長い時間かもしれない)。このあたりのルールが,すっきり理解できていないと,判定で敗れたときにその理由が分からず,後味の悪さを感じてしまうことがある。
 アクション自体が爽快なだけに,判定の不可解さは(テクニカルテストにおいては)残念な部分であった。それだけに,ここをどうクリアしていくのか,次回以降のテストに期待したい。

 ちなみに次回以降のテストは,以前の記事で松原氏が語っていた,MMO的な要素やシナリオ,シミュレーション要素などを実装した形で行いたいとのこと。テクニカルテストでネットワーク周りの情報収集と,改善点を見つけることができたので,あとは各要素の作り込みに力を注いでいこうという構えのようだ。
 なお,今後のスケジュールこそ明らかにされなかったが,9月に予定されている「東京ゲームショウ2006」で「それなりのデビューをしたい」とのこと。本作の正式サービス開始時期は,「2006年秋」ということになっているわけだが,これをなんとしても守りたいそうだ。そう遠くない未来に,データワイプを前提としたオープンβテストの実施も,松原氏はにおわせていたので,このあたりの動向は要注目だ。


 今回のイベントには,初めて本作に触れたという参加者もいたのだが,誰もがそれほど悩むことなく,目の前に現れる敵を斬りまくる快感を味わえた様子。ある中学生曰く,「もう一回やりてー!」とのこと。さすがに経験者がブッチ切りで強かったようだが,そうでない人でもそれなりに楽しいという,アクションゲームのお手本のような要素をすでに持っているのは,さすがだ。
 アクション要素しか実装されていないテクニカルテストバージョンとはいえ,無双シリーズならではの取っつきやすさ,気持ち良さが,初めて遊ぶ人の心を掴んだという点は,特筆すべき事実だろう。
 課金体系を含め,ビジネスモデルに関してはオープンβテストの頃まで発表されることはなさそうだが,本作で初めてオンラインゲームに触れるような人が,気軽に継続して遊べるような形に落ち着くことを期待したい。(TeT)


真・三國無双BB
■開発元:コーエー
■発売元:ELEVEN-UP
■発売日:2006/11/01
■価格:従量課金制
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.06/20060612175745detail.html