[COMPUTEX 2006 FINAL]これから出そうなグラフィックスカード
会期終了後もお届けしてきたCOMPUTEX TAIPEI 2006レポートだが,最後は,各社のグラフィックスカード最新製品カタログで締めたい。発売確実なものから,“可能性がある”レベルのものまで,オリジナリティのあるものをメーカーごとに並べてみた。これからグラフィックスカードを新調する予定のある人はチェックしてみてほしい。(石井英男,トライゼット 西川善司,佐々山薫郁)
■Albatron Technology
7600GS Turbo 搭載GPU:GeForce 7600 GS コアクロック:550MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:GDDR3 クロック未定 予想価格:未定 発売予定時期:未定
GPU(グラフィックスチップ)の熱を,ヒートパイプでカード裏面の放熱フィンへ運ぶ仕様のGeForce 7600 GSファンレスカード。放熱機構は「New Cooling Design」とのことで,名前はまだない。 この機構は一見,ASUSTeK ComputerのSILENTシリーズに似た印象だが,フィン部は動いたりしないため,コストはそれほど高くないとのこと。カードからフィンが後方へ突き出ているのは,この部分にケース内の空気の流れをうまく当てられるようにするための配慮で,高負荷時にも温度は70℃以下に収まるという。カード長が長くなってしまうが,それでもハイエンドクラスよりは短いので,GeForce 7900シリーズを搭載できるPCであれば,問題なく利用できるとのことだった。 ちなみに,スペック的にはGeForce 7600 GTに限りなく近いという印象だ。
7300GT 搭載GPU:GeForce 7300 GT コアクロック:400MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:DDR2 800GHz相当 予想価格:1万7000円前後 発売予定時期:2006年6月中
7600GS Turboと同じ,オリジナル仕様のファンレスクーラーを搭載したGeForce 7300 GTカード。コアクロックはリファレンスより50MHz高い,400MHzに設定されている。
未定 搭載GPU:GeForce 7900 GT コアクロック:未定 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:未定 予想価格:未定 発売予定時期:未定
カード裏面から確認すると,確かにヒートパイプが2系統用意されているのが分かる
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開発中の「第2世代ファンレスソリューション」も見せてもらえたので紹介。この第2世代では,2本のヒートパイプによって,より効率的な冷却が可能になり,写真のようにGeForce 7900 GTのファンレス可を実現するという。なお,ほぼ同じ構造なので写真付きの紹介は控えるが,GeForce 7600 GTについても,この第2世代を採用したファンレスカードにの計画があるという。 なお,これはまだ開発中。上で紹介した第1世代の反響などを見て,改良を加えていく予定とのことだった。
■ASUSTeK Computer
EN7600GT/HTDI/256M 搭載GPU:GeForce 7600 GT コアクロック:560MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:GDDR3 1.4GHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:未定
GeForce 7600 GTを搭載し,HDMI出力に対応するモデル。展示では,出力用のHDMIケーブルとデジタルサウンド入力用の光入力ケーブルが取り付けられており,実際の利用イメージをつかみやすくなっていた。
EAX1600PRO/I/256M 搭載GPU:Radeon X1600 Pro コアクロック:500MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:GDDR2 780MHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:未定
こちらはRadeon X1600 Pro搭載でHDMI出力対応。サウンド入力端子はブラケット部のI/Oインタフェースにない。ちなみにケーブルはHDMI−DVI-I変換タイプだった。
EAX1600XT DUAL 搭載GPU:Radeon X1600 XT×2 コアクロック:590MHz 搭載メモリ容量:256MB×2 メモリクロック:GDDR3 1.38GHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:未定
Radeon X1600 XTを2個搭載し,1枚でCrossFire動作を実現する製品。出力はデジタル/アナログRGB(DVI-I)×2,アナログRGB(D-Sub)×2で,これまでもASUSTeK Computer製のハイエンドグラフィックスカードのいくつかで採用されていた,ACアダプタを利用した外部給電をサポートしている。
■BIOSTAR MICROTECH
V7602GSG1 搭載GPU:GeForce 7600 GS コアクロック:400MHz 搭載メモリ容量:1GB メモリクロック:DDR2 800MHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:未定(北米では2006年7月中)
グラフィックスメモリを1GB搭載するGeForce 7600 GSカード。詳細はレポート#18を参照してほしい。
V7602GTG1 搭載GPU:GeForce 7600 GT コアクロック:560MHz 搭載メモリ容量:1GB メモリクロック:DDR2 800MHz相当 予想価格:269ドル前後 発売予定時期:未定(北米では2006年7月中旬)
グラフィックスメモリを1GB搭載するGeForce 7600 GTカード。こちらも詳細はレポート#18を参照のこと。
V7603GT21 搭載GPU:GeForce 7600 GT コアクロック:580MHz 搭載メモリ容量:256GB メモリクロック:GDDR3 1.4GHz相当 予想価格:199ドル前後 発売予定時期:未定(北米では2006年7月末)
ファンレスのGeForce 7600 GTモデル。ヒートパイプを2本用いて,熱伝導の効率化を図っており,その効果か,コアクロックはリファレンスより20MHzだけだがオーバークロック仕様になっている。価格も比較的リーズナブルだ。
V6802XA52 搭載GPU:GeForce 6800 XT コアクロック:325MHz 搭載メモリ容量:512MB メモリクロック:DDR2 700MHz相当 予想価格:150ドル前後 発売予定時期:未定(北米では発売済み)
グラフィックスメモリを512MB搭載する,AGPネイティブ接続の貴重な1枚。詳細はレポート#18を参照のこと。
■Galaxy Technology
Galaxy GeForce 7900GT Dual Core 搭載GPU:GeForce 7900 GT×2 コアクロック:ピクセル450MHz,頂点470MHz 搭載メモリ容量:512MB×2 メモリクロック:GDDR3 1.32GHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:2006年7月
開発中のためか,展示品が搭載するチップは1.4ns品だった
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GeForce 7900 GTを2個搭載し,1枚でNVIDIA SLI(以下SLI)を実現するカードだ。「Galaxy Masterpiece」という高級ブランドの製品とされ,10層基板に,1.2ns品のグラフィックスメモリチップ,高品位の部材を採用。電源周りもデザインし直しているとのことだった。チップクーラーは開発中だが,次に紹介するデュアルGeForce 7600 GTカードと似たような外観のものになるという。
Galaxy GeForce 7600GT Dual Core 搭載GPU:GeForce 7600 GT×2 コアクロック:560MHz 搭載メモリ容量:256MB×2 メモリクロック:GDDR3 1.4GHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:2006年7月
GeForce 7600 GTを2個搭載し,1枚でSLIを実現する。これも「Galaxy Masterpiece」の1枚だ。一般的なGeForce 7600 GTカードが4層基板を採用するのに対し,6層設計にするなど,高級ブランドらしい作りになっているという。こちらも搭載するメモリは1.2ns品と謳われている。
■Evertop
GeForce 7600GS DMB V7 搭載GPU:GeForce 7600 GS コアクロック:400MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:DDR2 800MHz相当 予想価格:140ドル前後 発売予定時期:2006年6月中
地上デジタルチューナーユニットを搭載したグラフィックスカード。詳細はレポート#09を参照してほしい。なお,販売代理店のアスクによれば,現在は国内で認証手続き中とのこと。B-CASカードとどのように連携するかなど,詳細についてはまだ明らかにできないとのことだった。
■GeCUBE
GC-HP1600XTG3-E3 搭載GPU:Radeon X1600 XT コアクロック:590MHz 搭載メモリ容量:512MB メモリクロック:GDDR3 1.38GHz相当
予想価格:未定 発売予定時期:未定
冷却システムにヒートパイプを採用した,ファンレスのRadeon X1600 XT搭載グラフィックスカード。グラフィックスメモリを512MB搭載しているのも特徴だ。下位モデルには,Radeon X1600 Pro(グラフィックスメモリ256MB)のAGP版も用意されているという。
GC-HDP16PLPG2-D3 搭載GPU:Radeon X1600 Pro コアクロック:500MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:DDR2 780MHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:未定
HDMI出力端子を搭載したファンレスカード。(光の関係で少々分かりにくいが)写真でHDMI端子の上にあるのはサウンドのデジタル入力端子で,ここに入力されたサウンドデータが,グラフィックス/ビデオとミックスされてHDMI端子から出力される仕組みになっている。付属のHDMI−DVI変換アダプタを用いればDVI接続も可能とのこと。
GC-DU16XTDG3-E2 搭載GPU:Radeon X1600 XT×2 コアクロック:590MHz 搭載メモリ容量:256MB×2 メモリクロック:GDDR3 1.38GHz 予想価格:未定 発売予定時期:未定
1枚のカードにRadeon X1600XTを2基搭載した“1枚でCrossFire”カード。外部インタフェースは独自形状で,付属の変換ケーブルを用いてDVI-I×4を実現するようになっており,CrossFire動作させないときは4画面出力が可能だ。
GC-HP13LG2-C3 搭載GPU:Radeon X1300 コアクロック:450MHz 搭載メモリ容量:128MB メモリクロック:DDR2 クロック未定 予想価格:未定 発売予定時期:未定
ヒートパイプ採用の冷却システムでファンレス仕様のRadeon X1300カード。CrossFireに対応する。
■GIGABYTE TECHNOLOGY
GV-NX79T256DP-RH 搭載GPU:GeForce 7900 GT コアクロック:ピクセル450MHz,頂点470MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:GDDR3 1.32GHz 予想価格:未定 発売予定時期:未定
Zalman Tech製クーラーを採用し,静音を謳うGeForce 7900 GT搭載カード。フィンはアルミ製だ。
■Leadtek Research
WinFast PX7600 GS Classic 搭載GPU:GeForce 7600 GS コアクロック:400MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:DDR2 800MHz相当 予想価格:1万6000円前後 発売予定時期:2006年6月中
ヒートパイプを採用するオリジナルのファンレスクーラーを採用したGeForce 7600 GSモデル。現在流通している,リファレンスデザインの製品を順次置き換える形で,間もなく出荷される予定だ。
WinFast PX7300 GT 搭載GPU:GeForce 7300 GT コアクロック:400MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:DDR2 700MHz相当 予想価格:100ドル以下 発売予定時期:2006年6月中
100ドル以下をターゲットに投入される,GeForce 7300 GTカード。2006年6月末〜7月にかけては,ファンレスモデルの発売も予定されているそうだ。
■MSI
RX1600PRO-TD256E-HDMI 搭載GPU:Radeon X1600 XT コアクロック:600MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:1.4GHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:未定
HDMI端子を装備したLow Profile仕様のグラフィックスカード。外部サウンド入力端子はないため,サウンド周りの仕様は現時点で不明だ。ブラケット近くにある3ピンの端子が入力用?
NX7600GT-MTD256E-HD 搭載GPU:GeForce 7600 GT コアクロック:560MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:1.4GHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:未定
写真一番上の端子は,常識的に考えるとビデオ入出力用だが,HDMI出力を持つ以上,外部サウンド入力機能を持つ可能性はある
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こちらはHDMI端子を装備したGeForce 7600 GT搭載モデル。詳細は不明だが,HDMI出力端子の隣にある端子がサウンド入力用で,カード上でミックスして出力できる可能性はある。
Geminium Go 搭載GPU:GeForce Go 7600(推測) コアクロック:450MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:800MHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:2006年8月
MXMスロットをカードの両面に用意し,デュアルMSMによるSLI動作を可能にするグラフィックスカード。詳細はレポート#12を参照のこと。
RX1600XT-T2D256E 搭載GPU:Radeon X1600 XT コアクロック:600MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:1.4GHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:未定
冷却機構としてペルチェ素子を採用したRadeon X1600 XT搭載グラフィックスカード。詳細はレポート#12を参照してほしい。
■Sapphire
SAPPHIRE RADEON X1600XT ULTIMATE 搭載GPU:Radeon X1600 XT コアクロック:600MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:GDDR3 1.4GHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:6月中
こちらがカード裏面側。温度センサー連動型のファンが用意されている
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出荷状態でオーバークロック動作されているRadeon X1600 XTカード。ヒートパイプを搭載して,カード裏面のヒートシンクへ熱を送る仕様になっている。裏側のファンはセンサーと連動しており,一定以上の温度に達したときだけ回転するようになっているという。Sapphireの販売代理店であるアスクによって発売されるとのこと。
SAPPHIRE RADEON X1600 PRO HDMI 搭載GPU:Radeon X1600 Pro コアクロック:500MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:GDDR2 800MHz相当 予想価格:未定 発売予定時期:6月中
実際にSAPPHIRE RADEON X1600 PRO HDMIのHDMI端子を使って液晶テレビに接続するデモンストレーションを公開
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HDMI端子を用意したRadeon X1600 Proカード。写真一番上のRCAピンプラグは,デジタルサウンドデータを入力するための端子だ。サウンドデバイスと直結すれば,HDMI端子から映像と音声を同時出力できる。 このほか,グラフィックスメモリクロックがリファレンスより(20MHzだけだが)オーバークロックされているのも特徴といえる。
Radeon X1900 XTX TOXIC 搭載GPU:Radeon X1900 XTX コアクロック:675MHz 搭載メモリ容量:512MB メモリクロック:GDDR3 1.6GHz相当 予想価格:999ドル 発売予定時期:未定
COMPUTEX TAIPEI 2005で,液体金属を循環させて冷却するグラフィックスカードを発表したSapphire。「液体金属は毒物で,環境に優しくなかった(笑)」(Steve Choy氏, Marketing Manager APAC, Sapphire)とのことで,今回は水冷式を採用してきた。 これは,以前TulがRadeon X800 GTカードで採用していた機構とよく似ているように見える(完全に同じかどうかは断言できないが)。なお,冷却能力には自信があるようで,動作クロックはRadeon X1900 XTXのリファレンスに対し,コアで25MHz,メモリで50MHzほどオーバークロック設定されている。
■Tul
PowerColor X1600 HDMI 搭載GPU:Radeon X1600 Pro コアクロック:500MHz 搭載メモリ容量:256MB メモリクロック:GDDR3 1GHz相当 予想価格:US$199 発売予定時期:7月
HDMI端子装備のRadeon X1600 Proカード。音声入力はブラケット上には持たず,カード上のコネクタに導き入れる方式だ。アナログ/デジタルに対応するのかどうか,現時点では不明。 コアクロックはリファレンス準拠だが,組み合わされるグラフィックスメモリは,リファレンスよりも高速になっている。
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