マイクロビジョン,国産の独自エンジンを搭載した「BTR Ver2.0」を7月7日から無償配布
ソフトウェアの開発を手がけるマイクロビジョンは本日(6月23日),同社の開発した「BTR DEMO Ver2.0」の無償配布を7月7日に行うと発表した。
「BTR DEMO」は,マイクロビジョンの開発した物理エンジン「BTR」と,3Dグラフィックスエンジン「Red Boots」を搭載したテクノロジーデモ。本来は,ほかのゲーム開発会社や,グラフィックス関連企業に向けて技術力をアピールするために作られたものだが,ゲーム仕立てになっているところがなんとも面白い。寂れた公園を舞台に,メタルのスーツを着たキャラクターが,モンスターと戦ったりモノリス(の割には複雑な形をしているが)を壊したりするという,変わった雰囲気のデモだ。6月1日に発表されたVer1.0に比べ,今回の2.0にはネットワークを使った対戦機能が搭載され,新しい楽しみ方が追加されているとのこと。下の写真は,マイクロビジョン社内でVer2.0のテストを行っているところで,ネット対戦には2〜4人が参加できる。
Ver1.0をダウンロードしてプレイすれば分かると思うが,ドラム缶や木箱,サッカーボールなど,公園内のあらゆるものが物理演算に従って運動し,相互に影響しあう。橋を渡っていけば橋が揺れ,積み重ねられた木箱の一番下を動かせば,すべてが動く。グラフィックスも,設定を高くすればかなり美しい(それなりのスペックを要求するが)。 ダウンロード可能なVer1.0に関して言うなら,キーアサインやマップの狭さなど“ゲーム”としての錬度はさすがにやや低いとは思うが,試みとしては非常に興味深い。 DOOM 3エンジン,Sourceエンジン,Unrealエンジン,そしてHavokやPhysXなど,ネームバリューのあるものはすべて海外出身者。国産の高機能描画/物理エンジンが市場で高い評価を得られたなら,面白いことになるだろう。ヒットしたFPSである「FarCry」が元来,CryTekの開発したミドルウェア「CryENGINE」のテックデモのために作られた,という話を思い出す人も多いはずだ。続報が入り次第,お伝えしていこうと思う。
現在公式ページにはスタンドアローン版の「BTR DEMO Ver1.0」がアップされているので,興味のある人はぜひダウンロードして遊んでみよう。(松本隆一)
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