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[韓国ゲーム事情#565]「Granado Espada 2.0」の発表会開催
2006/07/03 22:02
Kimの韓国最新PCゲーム事情#565

Hanbit,「Granado Espada 2.0」の発表会を開催(2006/7/3)

Text by Kim Dong Wook特派員



 IMC Gamesが開発し,Hanbit Softがサービスを担当するMMORPG,「Granado Espada」(邦題 グラナド・エスパダ。以下,GE)の次期大型アップデート「Granado Espada 2.0」(以下,GE2.0)をお披露目する発表会が,7月1日午後4時からソウルのPosteel Towerで開かれた。
 この発表会に出席したのは,プロデューサーのKim Hakkyu氏をはじめとするHanbit Soft関係者と,100人以上のプレイヤー達。最近,韓国ではGEの人気に陰りが見えている。そのためGE 2.0には,本作の過去を見直しつつ,プレイヤーからの意見を取り入れ,再起を図ろうという意味合いがある。

 なお,この発表会で上映されたムービーを,4GamerサーバーUpした。このムービーには,GE 2.0で追加される新マップやダンジョンの様子が収められているので,この記事と併せてチェックしてほしい。

■GE 2.0のムービーは「こちら」(1分30秒:43.1MB,MPEG-1)



 これまでに何度か言及してきたことではあるが,2006年度の韓国オンラインゲームタイトル“Big 3”と呼ばれてきたGE,「ZerA:Imperan Intrigue」「SUN(Soul of the Ultimate Nation)」は,オープンβテストを行っても予想を下回る実績で,あっという間にプレイヤーから忘れ去られてしまっているような状態だ。しかし,この3タイトルの中でもGEだけは,コンテンツ不足とコミュニティの不在といった問題点が解消されれば,一度去ってしまったプレイヤーも戻ってくるだろうというのが業界内での評価だった。



 Kim Hakkyu氏は,「GE 2.0では,狩り場とクエスト,コスチュームなどを大量に追加するので,プレイヤー達の注目をもう一度集められるはずだ。また,戦略性を増した党対党のバトルにより,コミュニティも密なものになっていくだろう。さらに,初心者プレイヤーを対象としたガイドなどを充実させ,新規プレイヤーの獲得にも重点を置く。GE 2.0は,プレイヤーが本当に求めているもの,そしてGEでのみ実現できることを中心に開発していく」と語った。



 先日,韓国のテストサーバーに実装されたVersion 1.8は,GEにおける政治システムの端緒ともいえるコロニーの争奪戦が,メイン要素だ。コロニーを占領すると党員達には戦闘に役立つBuff効果が与えられるようになっている。これは,これまでの党対党のバトルでは,勝利しても得られるものがあまりなかったことを考えると,プレイヤーのモチベーションを上げる要素といえるだろう。なお,GE 2.0では,党が確保したコロニーの数によって,投票権が与えられるなど,コロニーをめぐる争いが政治システムの中核的な要素になる見込みだ。
 このほか,NPCをより活用できるよう,バラックが36人のキャラクターを配置できるように拡張されたほか,アイテムを強化できるエンチャントシステムや,新マップ「ウスティウルジャングル」も追加。さらに,スクワッドシステムとアイテムドロップ率に関するバランス調整も行われた。



 GE 2.0では,雇用できるNPCの特性強化および能力値エンチャントシステムが導入され,プレイヤーがバラエティに富んだNPCを育成できる楽しみが生まれるという。また,雇用できるNPC,コスチューム,セットアイテム,新マップといったコンテンツが,大量に追加される予定だ。
 また,ホットキーによるスタンスの入れ替えに対応し,戦闘中にさまざまなスキルを使用できるようになるほか,欲しいアイテムをゲーム内で検索して購入したりできるマーケットシステムが追加されるなど,プレイヤーの利便性向上が期待できるシステムが実装される。



 なお,Kim Hakkyu氏はGE 2.0の概要発表後,参加者達と質疑応答を行った。多くの質問が飛び交い,プレイヤー達がGEに対して抱いている情熱を感じられる場面だった。
 ここでは,その質疑応答の中からいくつかを抜粋して紹介しておこう。


Q:
 GEには女性キャラクターが多く,女性キャラクターが中心なのではないかという声もある。実際,男性キャラクター用のコスチュームなどが足りないように思うのだが。

Kim Hakkyu氏:
 そんな声を聞いたこともあるが,狙ってそうしているわけではない。男性キャラクター用のコスチュームも,GE 2.0で追加する予定だし,もちろんその後も継続的に増やしていく。

Q:
 ゲームをプレイしていて,サウンドが気に入った。オリジナルサウンドトラックCDなどを販売する計画はあるのだろうか?

Kim Hakkyu氏:
 CD4枚組のオリジナルサウンドトラックを準備しているが,これは販売用ではなく,正式サービス開始時に特典としてプレゼントしようという計画だ。当然のことだが,ゲーム時に再生される音質より,良い音質で楽しめるだろう。プレイヤー達の要望次第で,販売する可能性もある。

Q:
 テストサーバーのVersion 1.8では,ダンジョンレベルの上級/修羅が削除された。この理由を教えてほしい。

Kim Hakkyu氏:
 狩り場が単純化される傾向があったからだ。実は,オープンβテスト初期に,ダンジョンが足りなくなるかもしれないと考え,レベルを区分しておいたのだが,「ウスティウルジャングル」「骸骨の巣」といった新マップを追加したことで,ダンジョンをレベルで区分する必要がなくなった。
 ワールドマップは,2.0が完全に実装される頃には,多くのフィールドとダンジョンが追加され,今とは大きく違う姿になるだろう。また,狩り場を多様化できるよう,それぞれの地域でのみ販売される特産品,クエスト,特定アイテムなどを用意する予定だ。

Q:
 現在,高レベル帯のプレイヤーがとても多い。レベルキャップ(100)に到達したプレイヤーが楽しめるコンテンツは追加されるのか,そしてその目的や挑戦したくなるだけの要素はあるのかを教えてほしい。

Kim Hakkyu氏:
 現在のところ,レベルキャップを解除する計画はない。レベルキャップの解除は簡単に行えるが,GEではレベルアップよりもほかの要素を追加し,プレイヤー達が楽しめる方向性を重視している。例えば,レベル以外にも成長できる要素として,上位スタンスやキャラクターの各種ステータスの向上,クエスト,ミッションなどだ。

Q:
 最近,クールタイム(ディレイタイム)が追加された。今後もこのまま適用されるのだろうか。

Kim Hakkyu氏:
 特定のスキルが乱用される傾向があったため,キャラクターが持つさまざまなスキルを使ってもらうべく,クールタイムを取り入れた。すでに良い効果は出ており,これまであまり使われてこなかったスキルが,活用され始めているようだ。しかし,今後は現在のような形のクールタイムが,このまま適用されるわけではないだろう。テストサーバーで十分なテストを行い,本サーバー適用時にはスキルごとにクールタイムが異なるような形も検討する。さまざまなスキルを使い分けることで,ゲームの楽しさを味わってほしい。



 Version 1.8で実装された内容は,これまでプレイヤーが感じていた問題点を解消するためのものに重点が置かれていたが,GE 2.0ではゲームの本格的な楽しさを見せてくれそうだ。
 Hanbit SoftはGE 2.0の正式実装時期を明らかにしていないが,業界関係者達の間では,「8月頃にGE 2.0を実装し,同時に月額課金制の正式サービスがスタートする可能性が高い」という噂が流れているようだ。

 今回の発表会後,ロビーでハンビットユビキタスエンターテインメントの取締役,Song Jin Ho氏に偶然会ったので,日本でのGE 2.0正式実装時期を聞いてみた。Song氏は,「最初にプレイヤーの皆さんに約束したとおり,韓国サーバーに実装されてから1〜2週間程度で日本でもGE 2.0を実装するだろう。両国間のコンテンツアップデートの時差は,今後さらに縮めていく予定だ。IMC Gamesの開発チームには,非常に高い負荷がかかってしまうので,それは申し訳ない部分ではあるのだが,HUEとしてはどんなコンテンツであっても,日本のプレイヤー達を待たせたくない」と強く語っていた。


 ちなみに日本では明日(7月4日),GE 2.0がテストサーバーで公開される。その模様を一足早くお届けする体験レポート記事を,先ほど4Gamerに掲載した。6月30日には72点のスクリーンショットを掲載しているので,これらにもぜひ目を通してほしい。


グラナド・エスパダ
■開発元:IMC Games
■発売元:ハンビットユビキタスエンターテインメント
■発売日:2006/07/21
■価格:基本プレイ料金無料,アイテム課金
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.07/20060703220256detail.html