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ASUSTeK,ゲーマー向けマザーボード「Republic of Gamers」発表
2006/07/11 17:10
 ASUSTeK Computer(ASUSTeK)は,ゲーマー向けマザーボードブランド「Republic of Gamers」を発表した。略称は「R.O.G.」。ゲーマー向けマザーボードといえば,DFIのLANPartyシリーズや,Universal abitのFatal1tyシリーズが知られているが,ASUSTeKのゲーマー向けマザーボードは,何が特徴なのだろうか。入手した英文リリースと製品写真をもとに,お知らせしよう。

■メンテナンス性とLANパーティを意識した
■第1弾マザーボード


Crosshairマザーボード
 第1弾となるのは,nForce 590 SLI搭載のSocket AM2マザーボード。よくFPSゲーマーが「照準」の意味で用いる単語「Crosshair」がボード上に印刷されており,どうやらこれが製品名ということになりそうだ。
 というわけで,以後はこの第1弾製品を便宜的にCrosshairと呼ぶが,Crosshairの特徴は,英文リリースによると,大きく分けて以下のポイントに集約される。
  • LCD Poster
  • EL I/O
  • 8フェーズ電源回路&機能性高分子アルミ固体電解コンデンサ
  • 専用サウンドカード「SupremeFX」とマイク「Array Mic」
  • 3DMark06 Advanced Editionバンドル
 順に見ていこう。LCD PosterとEL I/Oは,いずれもI/Oパネル部に用意される機能。それぞれ一言でまとめるなら,前者はPCの状態表示用小型液晶コンソールで,後者はバックライトである。

左:LCD Poster(写真中央)。その下にはEL I/Oのスイッチと思われる,電球マークのあしらわれたボタンが見える
右:暗闇の中で光るEL I/O。LCD Poster部も光るのが分かる


 高機能を謳うマザーボードの中には,7セグメントLED(七つのLEDで数字やアルファベットを表現するLED)を利用して,POSTコードを表示することで,トラブルの切り分けを容易にしようとする製品がある。だが当然ながら,2桁の文字と数字よりも,PCの状態は単語や熟語で説明したほうが分かりやすい。そこで用意されたのが,LCD Posterというわけ。

 一方,EL I/Oは,まさにバックライトと呼ぶのがふさわしい機能である。LANパーティなど,室内が暗い局面では,各種端子の接続に苦労することがある。その点,I/Oパネル部にバックライトが埋め込まれて,端子のアイコンが見やすくなっていれば,差し間違えなどを回避できるという理屈だ。

詳細は不明だが,入手した写真を見る限り,マザーボード上に埋め込まれたLEDは切り替えて点灯させられるようだ。左は,ボード上に用意された電源/リセットボタンなどを目立たせているところで,右は各種コネクタを目立たせているところのように見える。右ではSerial ATAのポート番号などをはっきり視認できており,PCのメンテナンス時にはかなり便利そうな雰囲気


SupremeFXサウンドカード(写真中央)と,それに接続したArray Mic(写真左手前)
 8フェーズ電源回路と,機能性高分子アルミ固体電解コンデンサの採用は,電源周りの安定性への配慮と言い切ってしまっていいだろう。
 続いて,SupremeFXだが,これはノイズ対策が行われているとされる専用サウンドカードのことだ。High Definition Audio CODECチップをサウンドカード上に搭載し,マザーボードから物理的に分離することによって,サウンド出力におけるノイズの混入を減少させたという。
 Array Micは,最近,ASUSTeK製高機能マザーボードに添付される例が目立ち始めたが,これは指向性が強く,プレイヤーの声以外を拾いにくいとされるマイク。「Echo Cancellation Technology」という機能を持ち,ボイスチャット時に不要なハウリングが生じるのも避けるという。ソフトウェア的に,マイク入力へのノイズキャンセル機能も用意しているとのことで,全体的にボイスチャット環境への配慮がうかがえる。

 最後に3DMark06 Advanced Editionは,文字どおり「製品版」の3DMark06。その詳細は解説記事を参照してほしいが,3DMark06の全テストを利用可能で,さらにフルバージョンのデモシークエンスも鑑賞できる。

■7月下旬発売予定,Conroe対応版も?

 なお,ボードの設計は(どちらかといえば「M2N32 WS Professional」に似ているが)完全にオリジナル。3本のヒートパイプを用いた冷却機構も,どうやらCrosshair専用に設計されたもののようだ。
 ちなみに,LCD PosterとSupremeFXは,COMPUTEX TAIPEI 2006において「次世代コンセプトマザーボード」の一部として展示されていたものと,おそらく同じ。全部ではないにせよ,ずいぶんと早い“次世代”の到来である。

 現在のところ価格は未定。ただし,2006年7月末には発売されるとのことで,間もなくの登場になるようだ。
 気になるCore 2 Duo(開発コードネームConroe)対応版については,英文リリースに記載なし。とはいえ,一部の海外ニュースサイトはその存在に言及しており,可能性は高いとみていいのではなかろうか。

 英文リリースが登場した以上,よほどのことがなければ,国内でも近々発表されるはず。ゲーマー向けマザーボードの選択肢が増えることを歓迎しつつ,国内の価格情報などを含めた続報に期待したい。(佐々山薫郁)


ヒートパイプの構造を示したカット

nForce 500
■開発元:NVIDIA
■発売元:NVIDIA
■発売日:2006/03/07
■価格:製品による
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.07/20060711171032detail.html