Blizzardが新作に向けて始動? 〜 ただいま人材募集中
「Diablo」や「World of Warcraft」などで知られるBlizzard Entertainmentの新作の話は,これまで何度も何度も浮上してきた。最近では,パブリッシャであるVivendi Gamesの幹部による「Blizzardの新作はすべてMMOになる」との発言も報じられたが,ここに来てBlizzardの公式サイトにある人材募集に,かなり多彩なポジションがリストアップされるようになってきた。その内容を細かく読んでみると,次回作に関する情報もなんとなく見えてきそうだ。
まず気になるのが,7月6日にリストアップされたばかりの募集要項で,ユーザーインタフェース(UI)のアーティストを探しているというもの。耳慣れない職種だが,その冒頭には「DiabloとDiablo IIを開発したチームが,ユーザーインタフェース・アート制作を専門とするアーティストを募集しています」と書かれている。あの赤と青の玉を基調にしたアイコンボタンやポートレイトなど,ゲーム画面でのインタフェースを作り上げるのが仕事らしい。 これは,かなりの高確率で「Diablo III」開発チームの編成と思われる。これまでBlizzard NorthでUIを担当していたSteven Woo(スティーヴン・ウー)氏は,すでに同社を辞め,現在Hyboreal Gamesで新作を開発中。ほかにも,2003年には総勢30人近いBlizzard Northの開発部隊が離脱し,その多くが「Hellgate: London」のFlagship Studiosに合流するなど,Diabloチーム自体はもぬけの殻同然だった。ここに来てUIアーティストを募集しているのは,プロトタイプ的なものはすでに出来上がっているということだろうか?
また,6月8日付けで募集が開始されているポジションは,かなり上位の役職であるシニア・プロデューサーである。「Blizzardの作品に馴染んでいること」「コンシューマゲームの開発と遊びに,強烈な情熱を持っている人」などという指定がなされている。 Xbox 360やプレイステーション3の経験を重要視しているようなので,次世代機用の新作と考えるべきだろうが,スピーチやプレスとのやり取りの手腕も必要条件に含まれているところから,Blii Roper(ビル・ローパー)氏のようなオールラウンドな人材を探しているのかもしれない。初のコンシューマ作品になる予定だった「StarCraft: Ghost」がキャンセルされて間もないが,いったいどのようなゲームになるのだろうか?
もう一つ気になるのが,5月2日に掲載され,最近トップページから消えたばかりのゲームバランス・デザイナーの募集である。必要条件のプラス要素として,「RTSのデザインやプレイの経験」「Warcraft IIIやStarCraftを競技としてプレイした経験」などと書かれていたのだ。 Blizzardには,Electronic Artsのロサンゼルス支社を退社したゲームデザイナーのDustin Browder(ダスティン・ブロウザー)氏が3月に入社したばかりであり,これは,以前から何度も話題になっている「StarCraft2」の本格的なチーム編成を開始したと見るべきだろうか? StarCraftシリーズはユニットの絶妙なバランスが高く評価されていただけに,“ゲームバランス・デザイナー”という特別な職種を設けているのも理解できる話だ。
こうしてみるとBlizzardは,World of Warcraftの650万アカウントという潤沢な資金を使い,複数のプロジェクトを同時進行させているようだ。この中で,次に発表されるのは,Diabloチームによる新作か,次世代コンシューマ機のゲームか,はたまた期待のCraftシリーズ続編か……。まあ,どの作品になろうとも,業界やゲーマー達から大きく注目されるのは間違いないだろう。(奥谷海人)
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ディアブロ II |
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