[CJ 2006#25]一陣営が滅亡すると新しい世界に切り替わる「機甲世紀」
游戯蝸牛有限公司(以下Snail Soft)が展示していた「機甲世紀」は,ロボットもののMMORPGだ。2005年のChinaJoyでプロモーションムービーとスクリーンショットを紹介していたので,見覚えのある人もいるかもしれない。昨年展示されていたときに聞いた話では,フランスのFarlan Entertainmentと共同で開発していくということだったのだが,結局,ゲームエンジンからSnail Softが単独で作り上げたようだ。 ぱっと見でロボットもののMMORPGであり,ガンダム世代のみならず日本人の琴線に触れる部分が大きな作品である。
2040年,資源問題から地球規模で戦争が発生,戦争を逃れて火星への移住計画が始まる。2088年,移住成功。以降,独立を宣言した火星と独立を認めない地球との数度にわたる戦いと冷戦が繰り返される。このゲームの背景は,その戦いの一つである。基本設定はガンダムというかダロスというか,アニメっぽい感じのものとなっている。 プレイヤーはどちらかの陣営で,さらに人種を選んでキャラクターを作成する。人種には,自然人,サイボーグ化した強化人,遺伝子操作で神経機能を強化した新人類の3種がある。作成したキャラクターでロボットに乗り込み戦闘するというのが大まかな流れとなっている。
この機甲世紀は,いくつか面白い特徴を持っている。一つは滅亡システム。機甲世紀は基本的に2大陣営の対決という構造をとっているのだが,片方の本拠地が陥落し,滅亡が確定すると,サーバーの構成が切り替わり,新しいゲームが始まるようになっている。機甲世紀は,7種類のシナリオを持ったサーバー設定を持っており,滅亡が発生するとほかのシナリオのゲームが始まるようになるわけだ。マップも7種類存在するので,長く続けていても,マンネリ感を感じることはあまりないだろう。
二つめは,変形システム。装備が1セット分揃うとアタッチメントを付け加えてロボットを変形させることができる。具体的なところはよく分からないのだが,イメージはプロモーションムービーを見てもらえればだいたい理解できるだろう。日本のロボットアニメではお馴染みの,アタッチメントによる変形システムである。
三つめは,だいたい想像がつく人もいると思うが,合体システムである。5体のロボットを合体させて,強力な大型ロボットを作り上げる。イメージイラストでは,色の配分などからして,5体がバラバラになって再構成されているようにも見えるのだが,基本的にはロボットごと変形して各部のパーツになる(バラバラにはならない)六神合体タイプというか,5体なので未来獣合体タイプといったほうが分かりやすいだろうか。合体時にはリーダーを決めることもできる。合体ロボというと,すでに「M2〜神甲演義〜」などの例もあるのだが,目玉機能となるのは間違いないだろう。
広報担当者は「ガンダムを見て育ってきた我々の,幼いころからの夢を実現させました」と目を輝かせて語っていた。ちなみに,別の会社でロボットもののゲームを作っているところでは,日本から取材にきたと分かると,「ガンダムに似ていると思いますか?」と担当者が心配げに聞いてくることもあった(部分的には似ていたが)。中国では,日本のアニメやゲームの影響は少なからぬものがあるようだ。
さて,この機甲世紀はすでに3回のクローズドβテストを行っており,9月にはオープンβテストに突入する予定だという。日本でも受けそうなタイトルなので完成度は気になるところだ。後ほど,入手したプレイムービーも紹介するので,気になる人はぜひご覧いただきたい。正直いってキャラクターの造形などは垢抜けない部分があるのだが,メカ,とくにロボットについてはそれなりにツボを押さえたものとなっており,ローカライズ次第ではかなりイイ感じになりそうな気もするのだが。(aueki)
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