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[CJ 2006#47]近年のトレンドを踏まえた騰仁信息技術のMMORPG「新天地玄門」と「功夫online」
2006/08/01 23:07
 騰仁信息技術(Teng)のブースで展示されていた作品については,すでにムービーをまとめて紹介する記事を掲載したが,このうちMMORPG2本に関し,会場で聞いた話と入手した資料に基づいて,もう少し突っ込んだ説明をお届けしよう。中国モチーフを濃厚に含みながらも,近年におけるライトモチーフのMMORPGが持つ周辺機能について,実によく研究して盛り込んだ作品達だ。

■東洋/西洋が混在した世界観の「新天地玄門」

 騰仁信息技術(Teng)ブースで最も派手に展示されていたのが,MMORPG「新天地玄門」(Imagine Online)だ。画面からも分かるとおり,アニメライクで可愛らしいキャラクターデザインが大きな特徴で,会場で触れてみた限りプレイ内容は典型的な「クリックゲーム」である。キャラクターに合致する形で,独特のデフォルメがなされた東洋/西洋混在の世界が舞台となっており,各地の童話や伝説を下敷きにしたエピソードが,合計1000件以上盛り込まれているという。
 その世界には,「Energy-Star」という構造物が点在しており,それをギルド単位で占有することにより,さまざまなステータスボーナスが得られる。そしてErergy Starの占有をめぐって生じるギルド同士の戦闘が,プレイの大きな要素の一つとなっている。
 「ロマンティックシステム」と呼ばれる,キャラクター同士の結婚システムも用意されており,結婚したカップルは,プライベートスペースを確保できる。そこにはお気に入りの家や家具をしつらえることが可能で,BGMも選べるようだ。
 ペットシステムとしては,自分で育てるタイプの「ハニーペット」と,モンスターを捕らえてペットにする「モンスターペット」の2種類が用意されている。またアイテムは,Diabloシリーズと同様のソケットシステムや,属性付与,精錬を通して強化でき,“エリートアイテム”になると光り輝くようになる。
 このほか,ゲーム内メールやインスタントメッセンジャー,アイテムオークション,キャラクターエモーションなど,韓国産ゲームを代表とする近年のライトモチーフMMORPGが,備えているべき要素は,一通り揃っている様子。ゲーム内に出現するモンスターの図鑑なども,用意されているようだ。ムービー内でも告知されていたとおり,この8月8日には,中国でオープンβテストが開始される。




■中国武侠の世界を広く再現した「功夫online」

 続いて,「功夫online」(KungFu Online)。武侠世界をモチーフにしたMMORPGで,こちらもマウスクリックで移動と戦闘指示を行い,ファンクションキーもしくはショートカットボタンで随時スキルを発動するという,典型的なクリックゲームの操作体系を備えている。ただし,試遊台に触れてみたところ,敵をポイントしてクリックで攻撃を開始しても,自動で攻撃を続行する仕様ではなかった。武術がモチーフであり,PvPも重視しているだけに,プレイヤーの任意の操作が前提になっているのだろう。
 前述のとおり,このゲームのモチーフは武侠世界であり,プレイヤーキャラクターたる少年少女が,武術の鍛錬を通して道義,秩序,公理,宗派,武徳について学んでいき,自身の人格を完成させるのがプレイの目標となっている。登場人物や舞台設定は,中国の伝統文化に基づいており,いずれも3Dグラフィックスで美しく再現される。剣や槍,弓,素手だけでなく棍や扇などさまざまな武器が使え,スキルも武器ごとに用意されている。中国の武術世界で重要な,九大功夫,数十種類の特殊技能,1000種類近い招式,数々の武器など,武侠モチーフを広く再現するのも重要な特徴だ。
 戦闘テクニックとしての連招,合璧,戦陣,花祥などがさまざまに用意され,天眼,偸盗,活術,軽功,下毒といったスキルも用意されている。武術モチーフの作品らしく,道場では1 vs. 1および複数 vs. 複数の試合が行える。ゲーム内で「パン」(邦の下に巾)と呼ばれるギルドシステムが用意されており,ギルドメンバーはマスターが選んだ門派(流派)のエンブレムや顔の刺青を付け,門院と呼ばれるギルドホールを所有できる。また,ギルド同士の戦闘で,土地を奪い合う要素も用意されているようだ。
 ライトモチーフのMMORPGらしい要素として用意されているのが,結婚システムだ。子供を育てて,プレイを次世代のキャラクターに引き継ぐことが可能である。
 プレイヤーは,さまざまな属性を組み合わせることで,独自の技を編み出すことが可能であり,ゲーム内にはプレイ日記も用意され,,また,さまざまな基準でのランキング表示が可能となっている。プレイヤーの参加要素としてはさらに,ゲームルールの一部をプレイヤーの投票で決める仕組みもあるようだ。同作品は8月中に,中国でクローズドβテストが開始される予定である。



 グラフィックスのテイストといい,ゲームの付加機能といい,韓国におけるMMORPGのトレンドを非常によく勉強しているなというのが,両作品から受けた印象だ。今回の展示作品についてブースで聞いたところでは「日本市場での展開は要望次第」であって,とくに決まっていないようだが,ライトモチーフ作品としての完成度が上がれば,日本市場での成功可能性も出てくる。今後の展開が楽しみな2作品といえよう。(Guevarista)


新天地玄門
■開発元:騰仁信息技術(Teng)
■発売元:騰仁信息技術(Teng)
■発売日:2006/09/28
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
功夫online
■開発元:騰仁信息技術(Teng)
■発売元:騰仁信息技術(Teng)
■発売日:N/A
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.08/20060801230704detail.html