ニュース
未来戦争を描いた注目のFPS,「Battlefield 2142」のムービーと最新画像を掲載
2006/08/02 23:17
 Electronic Arts(エレクトロニック・アーツ)から2006年秋の発売が予定されている,「Battlefield 2142」(邦題 バトルフィールド2142)の最新ムービーを4GamerにUpした。内容は,以前紹介したトレーラーに似ているが,こちらは前後編の2本に分かれており,ファイルサイズも大きく解像度が高い。
 収録されているのは,インゲームでのプレイの模様で,バトルウォーカー同士の激しい戦闘やガンシップと対空砲の戦い,疾駆するAPCや戦車などの姿を見ることができる。
 また,7月に行われた「EA Studio Showcase」(昨年までは「EA Camp」と呼ばれていたイベント)で公開された写真5点も掲載した。こちらは,バトルウォーカーや戦車のディテール,未来の兵士の軍装などを確認できる迫力あるものだ。



■次の戦場は,突然の氷河期に襲われた2142年の地球

 発売日についての公式のアナウンスは今のところないが,この10月に発売される予定なのは衆目の一致するところ。つまり残り約2か月というわけだ。そこで,これまで我々が得た情報について,ざっとおさらいしてみよう。
 チームによるマルチプレイに特化したFPS(シングルプレイモードもあるが)としてゲーム界に確実な地歩を築いてきたバトルフィールドシリーズの最新作に当たる本作だが,これまで何度かお伝えしてきたようにゲームの舞台となるのは2142年,つまり100年以上未来の地球。突然の氷河期に襲われ,人類は残り少なくなった土地と資源をめぐって激しい戦いを繰り広げている。
 勢力は,ヨーロッパ連合(Europe Union)とアジア連合(Pan Asian Coalition)の二つで,1プレイに最大64人が参加できるところは,現代戦を描いた「バトルフィールド2」と同じ。参加人数によってマップのサイズが変化するところも一緒だ。
 兵士のクラスは現在のところ4種類とされており,内訳は「RECON」(偵察兵),「ASSAULT」(突撃兵),「SUPPORT」(援護兵),「ANTI-TANK」(対戦車兵)だ。7種類ある「バトルフィールド2」に比べて大幅に減っているわけだが,これには理由がある。つまり,サブウェポンの選択の幅が広いため,一つの兵科を比較的多目的に使用できるのだ。これまで兵科と武器はセットだったが,Battlefield 2142ではある程度兵士のカスタマイズが可能になり,一見するだけではその兵士の能力が分からないのである。さらに,選択できる武器の幅は,ランキングシステムと連動して広がるという設定だ。
 とはいえ,強力な武器をむやみと持ち歩くわけにはいかない。各兵士には“アビリティ”が設定されており,それを超える重く強力な武器を数多く装備すると,移動速度などにハンディが付いてしまうのだ。アビリティもランキングと連動し,階級が高くなるほど,アビリティも優位になるとのことである。

公開された最新画像


■数々の新兵器が未来の戦場を過激に彩る

 登場する新兵器については,やはり2足歩行するバトルウォーカーが注目されている。とはいえ,ムービーを見る限りでは,前作までの戦車と同様“決定的な打撃力”とは言えないようで,走り寄ってきた歩兵の仕掛けた爆弾で簡単に吹き飛んでいるのが確認できる。
 本作のデベロッパであるDigital Illusion(D.I.C.E.)によると(正式なアナウンスではないが),航空機の操縦は,これまでのシリーズの中ではやさしい部類に入るという。これまで,バトルフィールドシリーズの航空機は“困難な技術を習得したプレイヤーによる絶対的な兵器”という色合いを強くしてきたが,これにはさすがに賛否両論あり,本作では若干の方向修正が図られたのかもしれない。100年先の未来兵器に「微妙なラダーさばき」が要求されるのは確かに妙だが,これは程度の問題であり,実際にプレイしてみるまでなんともいえないことである。
 面白いのはロボット兵器だ。Sentry Gunは設置しておくだけで自動的に敵を攻撃してくれるという,SFでは定番のもの。援護兵は小さなロボットを頭上に飛ばし,偵察および火力支援に使用できる。もっともこれは,いろいろなフォーラムで言われているように,被発見率を跳ね上げることにもなりそうだ。ロボットではないが,それ以外にも姿を消すCloaking deviceや,バトルウォーカーや戦車の動きを止めるEMPグレネードなどが登場する予定である。
 こうした異色の新兵器が数多く登場するため,おそらくゲームのバランシングにはかなり神経を遣っていると想像できる。とはいえ「バトルフィールド1942」の頃のD.I.C.E.は“バランスが変でも面白ければいいじゃない”という雰囲気の強いメーカーでもあり,筆者がそのへんにちょっと期待しているのも事実だ。

 最後に,新規導入された「タイタンモード」について。これは,チケットの多寡で勝敗を決めるのではなく,司令官自らが座乗する司令部であり,同時に兵士と武器のリスポーンポイントでもある「タイタン」を沈めることを目的とするモードだ。
 タイタンには強力なバリアが張られており,通常兵器による攻撃でそれを破ることも可能だが時間がかかる。対バリア攻撃に最も有効なのは,マップに数か所設置されたミサイルであり,まずはこのミサイルサイロをめぐる戦いが展開するのだ。サイロを占領すると自動的にカウントダウンが始まり,敵のタイタンに向かってミサイルが発射される。
 ミサイルによってバリアが破られると,タイタンに侵入してコアを破壊し,それを撃沈することが可能になる。侵入方法としては,航空機による順当なものから,専用のポッドに乗って打ち上げられ,タイタン上に落下する方法がある。このへんは,過去,4Gamerに掲載したムービーでも見られるはずだが,ポッドが操縦できるのかどうかはよく分からない。ムービーに見るポッドはかなり正確に敵タイタンの甲板上に落下しているので,簡単な操縦は可能なのだろう。



■期待と不安の交錯するシリーズ最新作 早く遊ばせて!

 D.I.C.E.,EAとも,このタイタンモードこそがBattlefield 2142の最大のセールスポイントとしており,実際,面白そうに見える。とはいえ,そのぶん通常のコンクエストモードにおける戦闘の様子がいま一つ見えてこないのが残念だ。「武器が変わっただけ」という意見も確かにあるし,また,これまでシリーズを支えてきたミリタリー好きが“SF”にどういう反応を見せるかも未知数といえる。些細なことだが,バトルフィールド2で予告されてはいたものの,その実現が見送らた「非常に多くの建物が破壊可能」というフィーチャーについては触れられてもいない。
 とはいえ,まあ,発売時期が迫るにつれて開示される情報も増えていくだろうし,デモ版の登場にも期待できる。なんだかんだ言っても,大いに楽しみにしていいタイトルであるのは間違いないだろう。その戦場を大胆に未来に進めた新作は,(たぶん)あとたった60日ほどで我々の前に姿を現す。ぜひ掲載したムービーをダウンロードして気分を高めていただきたい。(松本隆一)

Battlefield 2142ムービー(前編)(1分19秒:39.0MB,MPEG-1)
Battlefield 2142ムービー(後編)(1分9秒:33.8MB,MPEG-1)


バトルフィールド2142
■開発元:Digital Illusions CE
■発売元:エレクトロニック・アーツ
■発売日:2006/10/20
■価格:オープンプライス
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.08/20060802231720detail.html