[CJ 2006#53]中国大陸の実装に期待。「大航海時代Online」のChinaJoyでの反応
唐拓石氏。若干23歳にして,コーエーのゲーム運営を一手に担う北京の会社のマーケティングマネージャを務める。そこそこエラい人なのに自分がお祭り好きなのか,大航海時代の衣装に身を包み,自らプレゼンやデモに奔走していて捕まえたときは汗だくだった。
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日本でも評価の高い,海洋冒険MMORPG「大航海時代Online」。その大航海が,中国では盛宣鳴数字科技(北京)有限公司の手により中国語版として運営されることになっている(公式サイトデザインもおそろいだ)。想像以上に中国本土で名前が売れているコーエーが,満を持して放ったこのMMORPG。中国では,どのように受け入れられているのだろうか。マーケティングマネージャである唐拓石氏の姿を見かけたので,少しだけ時間をもらって話を聞いてみた。
4Gamer: お時間いただけてありがとうございます。早速ですが,中国での「大航海時代Online」の評判はどんな感じですか?
唐氏: バッチリですよ! そもそもコーエーの作品は10年以上前から中国では有名ですし,この作品を今か今かと待っていたゲーマーの質問攻めで勘弁してほしいくらいです(笑)。
4Gamer: 噂には聞いていましたが,コーエーのシングルゲーム作品は,中国でそこまで有名なものだったんですね。
唐氏: ええ,そうです。大航海時代,三國志,信長の野望……コーエーのシングルゲームは,中国でもとても好意的に受け取られていますし,ゲーマーなら一度は遊んだことがあると思います。
4Gamer: やはり三國志が一番人気なんですか?
唐氏: いえ,一番人気は文句なしに大航海時代ですね。むろん三國志も相当人気はありますが,世界の文化が感じられる大航海時代は,世代を問わず爆発的な人気があると思います。
4Gamer: なるほど,確かに大航海時代なら世界の文化の片鱗を感じ取ることができますよねえ。唐さんも相当遊んだんですか? シングル版。
唐氏: 私ですか? もちろん初代から全部遊んでますよ(笑)。今回仕事で大航海時代に携われることになって,とても光栄だと思っています。
4Gamer: 初代からって……いまおいくつですか?
唐氏: 23歳です。
4Gamer: 23歳!? それで初代からっていうのは一体どういう……。
唐氏: PCが自分の手に入るまで,やはり時間がかかったので。学生時代に,友達とずっと遊んでました。世界地理のテストが得意になりますよね,大航海時代を遊んでると(笑)。
4Gamer: あぁ,地理は得意になりますね,確かに(笑)。しかし展示も帆船の形で気合い入ってますね。
唐氏: いいでしょう? これ。来場者の評判も上々です。ちなみに昨日まで,洋上に客船を借り切ってパーティを開いていたのですが,あれは政府関係者とかがメインなので行ってないですよね?
4Gamer: 洋上パーティには行ってないですねえ。残念。
唐氏: 熱狂的なユーザーも一部招待しましたし,ぜひ来年は行ってください。
4Gamer: ぜひ誘ってください。ところで正式サービスまでのスケジュールってどんな感じですか?
唐氏: 8月中旬からClosedβテストに入ります。その後のことはまだ流動的なんですが,このぶんなら順調に進むと思っています。
4Gamer: まさにテスト開始直前なんですね。では最後にもう一つ質問させてください。中国ではどれくらいのユーザー数を予測してますか?
唐氏: うーん,私の立場と本音と両方答えさせてください。立場で言うならば,同接100万人くらいを目指しています。それくらいのポテンシャルは十分に感じさせるタイトルですし。昨今のオンラインゲームによくある,単調なレベル上げや同じことの繰り返しというものがあまりないのがいいですよね。
4Gamer: 本音では?
唐氏: 同接15万人くらいが最初の目標値になると思います。なにしろコーエーという会社の知名度は十二分にあるので,あとは我々運営サイドで失敗しないようにすることが肝心だと思ってます。
4Gamer: なるほど。運営がんばってください。ありがとうございました。
冒険,生産,戦闘……いろいろな楽しみ方を受け入れるだけの度量の広さを持っている「大航海時代Online」は,日本でも(というより世界でも)かなり異質なMMORPGだといえる。その非常にのんびりとしたプレイ感ゆえなのか,はたまた課金を急ぎすぎたためなのか,お隣韓国ではやや苦戦しているようだが,それとて大航海時代Onlineが持つ本質的価値を下げる要因にはならない。 いまからまさに発展せんとする中国オンラインゲーム市場は,中国/韓国系,欧米系,日本系の3種のコンテンツが大量に入り交じり,果てしなく混乱を極めている。単なるオンライン麻雀に異様な数の人が群がっているかと思えば,大航海時代Onlineにも相当数のファンがつめかけて係員を質問攻めにして,かたやDungeons&Dragons Onlineをひと目見ようと,100名以上の人が列を作る。
中国は,我々が想像している以上に色々なものを受け入れてくれるマーケットなのかもしれない。聞いた話をすべて鵜呑みにするならば,その度量の広さは日本を遥かに陵駕している。その中で,国産ゲームである大航海時代Onlineがどこまで健闘するのか,非常に興味は尽きない。(Kazuhisa)
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