LANパーティの楽しさを伝えた「BIGLAN socket4」,2日めと3日めの模様をレポート
先日初日の模様をレポートした,大規模LANパーティ「BIGLAN socket4」。その2日め,3日めの模様をレポートしよう。
BIGLAN socket4の目玉はなんといっても,「ASKカップ Eスポーツスタジアム トーナメント」。これは,賞金総額10万円の「Quake 4」による1on1トーナメントだ。2日めにはその1回戦と2回戦,そして準決勝戦が行われ,決勝戦進出を目指しての熱い戦いが繰り広げられた。 準決勝戦までは2〜3試合が同時に行われ,そのうちのいずれかの対戦の模様を,ステージ横に設置されたモニターで観戦するというスタイルで進行。GoodPlayer.jpの犬飼氏が,モニターに表示する画面を切り替えつつ試合経過の実況を行い,ハイレベルなプレイヤー達の妙技について解説したり,e-Sports種目としてのQuake 4の魅力を伝えたりしていた。
■観客からも自然と歓声が上がる,白熱した試合の数々
ただ闇雲に撃ち合うのではない,上級プレイヤーならではのテクニックは見応え十分。とくに上位の選手になるほど,グレネードランチャーやレイルガンのように,相手に当てるのは難しいものの,命中させると大きなダメージを与えられる武器を巧みに使いこなしている様子を確認できた。 また,大きな回復効果のあるアイテム「メガヘルス」を獲得すべく,次に出現するタイミングを頭の中でカウントしながら戦うといった犬飼氏の解説は,FPSの初中級者にとっても参考になったのではないだろうか。
準決勝戦までの試合が終わり,見事決勝戦に進出したのは,Yuuki選手とcoyote選手。Yuuki選手は,弱冠16歳ながら,socket2大会で優勝,socket3大会で準優勝という成績を残している。もう一方のcoyote選手は,かつてFPS「Quake III Arena」のプレイヤーとして活躍しただけでなく,e-Sports世界大会「ACON5」の日本予選で,RTS「Warcraft III: Reign of Chaos」で準優勝を果たした実績のある選手だ(関連記事)。
(写真左・左から)GoodPlayer.jpの犬飼氏,Yuuki選手(写真右)coyote選手
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日本AMD代表取締役社長 David M. Uze(ディビット・ユーゼ)氏
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決勝戦の結果の前に,2日めに行われたそのほかのイベントを簡単に振り返っておこう。 10人以上の友人や知人を集めたBYOC参加者に,AMDのAthlon 64 FX-62がもれなくプレゼントされる「友達10人集めたらAMD Athlon 64 FXプロセッサプレゼントキャンペーン!!」の表彰式や,スポンサーブース抽選会,All-gamers.jpが主催したWarcraft IIIによる1on1トーナメントなどが行われた。 友達10人集めたら〜の表彰式には,日本AMDの代表取締役社長であるDavid M. Uze(ディビット・ユーゼ)氏が登場。「AMDは,PCの楽しい頭脳です」と述べ,会場を沸かせていた。
■注目の決勝戦は16歳のYuuki選手に軍配
そして3日めに,Quake 4の1on1トーナメントの決勝戦と3位決定戦が行われた。それぞれの結果は下記のとおりだ。
・決勝戦:Yuuki選手(○) vs. coyote選手(×) ・3位決定戦:sminamijp選手(×) vs. ryugo選手(○)
決勝戦では,Yuuki選手が2セットを先取して優勝に輝き,賞金5万円と,副賞としてAthlon 64 FX-62を獲得した。8月5日に開催された「BIGLAN socket3.5」(関連記事)では,coyote選手がYuuki選手を下して決勝に進出し,優勝を果たしているので,Yuuki選手が借りを返した格好だ。 ちなみにYuuki選手は,20日のスポンサーブース抽選会でAthlon 64 X2 3800+や1GBのUSBメモリを獲得。試合前に愛用のマウスが壊れてしまったcoyote選手とは対照的だった。勝敗の分かれ目は,意外と“ツキ”にあったのかもしれない。 なおcoyote選手には,賞金2万円とGeForce 7800 GTX搭載グラフィックスカードが,3位決定戦に勝利したryugo選手には賞金1万円とSaitek製キーボードが,それぞれ贈られた。 そのほか,デコパソコンテストの表彰式やBYOC参加者向け大抽選会などが行われ,socket4は幕を閉じた。
■“socket5”は11月開催 ■BYOC参加者100人オーバーを目指す
BIGLAN実行委員会委員長 長縄実氏
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BIGLAN実行委員会委員長のKINTAこと長縄実氏に話を聞いたところ,socket4のBYOC参加者は全部で53人。当初の申し込み数は60以上だったが,「Counter-Strike」のチーム対抗戦に参加予定だった2チームが,チーム全員の参加がかなわなかったため,チームごとBYOC参加をキャンセルしてしまったためとのこと。 しかし,それでも参加者数は増加しており,11月に開催される予定のsocket5では,BYOC参加者の100人越えを実現したいと語っていた。 2日めまでのビジター参加者は約400人。インタビュー時には3日めの集計は出ていなかったものの,予想を上回る盛況ぶりに,長縄氏は秋葉原で開催していることが大きく影響しているのではないかと述べていた。
長縄氏は将来的に,BIGLANを1000人規模の大きなイベントにしたいと考えているそうだ。しかし,これ以上に規模が大きくなると,会場やスポンサーの確保が難しく,今後の課題であるという。 とはいえ,規模が大きくなれば,いわゆる一見客が楽しめる要素も増え,LANパーティという概念が浸透するのを後押ししてくれるだろうから,努力を続けたいとも語っていた。
また今後は,“LANパーティ”の概念を定着させるために,BIGLANというイベントは年2回ほどの開催にとどめ,小規模なイベントを増やしていきたいとのこと。そのため,LANパーティのノウハウを広く提供していくことを考えているそうだ。
3日間開催されたBIGLANの様子を取材していて,BYOC参加者が非常に楽しんでいるという雰囲気が感じられた。事前登録や割り引き制度などはあるが,BYOC参加費の7000円は決して安いものではないし,デスクトップPCを車や宅配便などで運ぶ手間やコストもばかにならない。 にもかかわらず,順調に参加人数を増やしているのは,「オンラインではなくオフラインで得られる何か」に魅力があるといえるのではないか。
ただ,BYOCエリアは基本的に参加者しか立ち入れないため,一見客にとっては,PCゲーム体験スペースとスポンサーブース抽選会程度しか楽しめる要素がなかったというのも事実。一見客がより楽しめるものとなり,LANパーティという概念の認知度を上げられるか。「ちょっと規模の大きいオフ会」レベルでとどまってしまうのか。次回のBIGLANの開催内容に期待したい。(山 / oNo)
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