[GC 2006#21]「BioShock」の詳細について,Irrational Games開発者に直撃取材
Take-Two Interactive Softwareの2K Gamesブランドのなかで,現在最も注目されているソフトが,Irrational Gamesが開発中の一人称視点アドベンチャーゲーム「BioShock」である。 BioShockは,2001年のカルト的ヒット作「System Shock」の精神的な後継ソフトとして開発されており,アクションそのものよりもサスペンスで,心理的に引き込んでいくストーリーが特徴の作品となりそうだ。
本作でプレイヤーは,海底に築かれた理想都市“ラプチャー”で発生した事件に巻き込まれる主人公となり,科学とレトロがミックスした独特な世界で生き抜いていくのが目的である。 もっとも,GC 2006の商談ブースで公開されたものは,E3で発表されたときのデモと同じ,ゲームの冒頭部分のインタラクティブデモのみ。その内容はまったく同じなので,今回は趣向を変えて,即席のミニインタビューを行った。お話を聞いたのは,Irrational Games本社でアソシエイト・プロデューサーを務めるジョー・フォールスティック(Joe Faulstick)氏。まだまだ若いタレントながら,筆者の質問にも意ある返答をしてくれたのは,あらかじめ記しておきたい。(ライター:奥谷海人)
アソシエイト・プロデューサー ジョー・フォールスティック(Joe Faulstick)氏
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4Gamer: BioShockは,System Shockとは異なり,アールデコというか,懐かしい感じの独特な雰囲気になっていますね。
Joe Faulstick氏: BioShockは,1959年という時代設定になっています。もっとも,その舞台となるラプチャーは1930年代に建設されたもので,そのためコットンクラブの時代を連想させるアールデコ調の建築になっているのです。
4Gamer: なるほど。そのあたりをもう少し詳しく説明していただけませんか?
Joe Faulstick氏: ええ。このラプチャーというのは,1930年代の緊迫した世界情勢の中,ロシアで活躍していた工業主義者の富豪アンドリュー・ライアンが,政治の介入を嫌ってアメリカを含める国々の知識人や科学者を結集し,彼らの桃源郷として建てられたものなのです。そのため,20数年という短い期間の中で,遺伝子工学などさまざまな文化が育まれていくことになるのですが,どういうわけかストーリーの始まる一年ほど前の大晦日に,突然謎の崩壊に至ってしまうのです。
4Gamer: 主人公は,どうやって物語に関わることになるのでしょう?
Joe Faulstick氏: 主人公は,ラプチャー近海で遭難した飛行機の,唯一の生存者なのです。ゲームはこの場面から始まりますが,飛行機が海に墜落するシーンは必見ですよ。
4Gamer: ゲームでは,序盤に主人公が“リトルシスター”というキャラクターに出くわします。彼女は,死体から“アダム”という物質を抜き取っていますが,これは何なのですか?
Joe Faulstick氏: アダムとは,海底から採取される遺伝子工学に関する貴重な物質です。ラプチャーでは金銭としても利用されていたほどで,このリトルシスターは遺伝子操作によってアダムを“イブ”と呼ばれる物質へとプロセスすることができるのです。
4Gamer: なるほど。それで死体から注射器でアダムを抜き取り,そのまま飲み込んでいるのですね。
Joe Faulstick氏: そういうことです。このイブが,ゲームではマナとしての役目を担い,System Shock 2における「Psipower」のように,プレイヤーが自由に操ることのできる特殊能力に利用できるわけです。このラプチャー内では,このような遺伝子操作で簡単に潜在能力を引き出すような行為が過度に進み,「プラズミッド」(Plasmid)と呼ばれて自動販売機でも購入できるようになっています。
4Gamer: パワーアップのアイテムみたいなものですね。
Joe Faulstick: はい。プラズミッドには4種類あり,フィジカル(Physical),アクティブ(Active),エンジニアリング(Engineering),そしてウェポン(Weapons)というタイプをゲーム内で入手できるのです。この四つはそれぞれ組み合わせることが可能で,速く走るなど身体能力を向上させるものから,離れたオブジェクトを操作するテレキネシスや,手から火の玉を出すパイロパワーなどまでがあります。プレイヤーは,このラプチャーから脱出するためにプラズミッドを利用しなければなりませんが,過度のプラズミッドの利用は肉体や精神を蝕むことになってしまいます。
4Gamer: ほほう。なるほど,BioShockの裏側が見えてきたような。
Joe Faulstick氏: まあ,このあたりでやめておきましょうか(笑)。あ,BioShockには“ダイナミック・トレーニング・システム”というフィーチャーがあり,例えばプレイヤーが一つの場所で詰まってしまっていたような場合には,自動的にソフトが感知して方向キーでヒントを出したりするようになります。シングルプレイヤー専用なので,プレイヤーにはゲームでイライラするのではなくストーリーをしっかり楽しんでもらいたいと思っています。
4Gamer: PCでもリリースされるのですよね?
Joe Faulstick氏: はい。Xbox 360とPCでのリリースは決定事項ですよ。
4Gamer: 2007年中のリリースということですが,今から楽しみにしていますよ。今日はありがとうございました。
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