[GC 2006#51]「頭文字D」を意識? さらなる進化を遂げたシリーズ最新作「Need for Speed:Carbon」
Need for Speedシリーズは,Electronic Artsのライブラリの中では――EA Sportsのスポーツゲームを除けば――いつの間にやら最も長く続いているシリーズ作品へと成長した。メガドライブや3DOでリリースされていた当初は,どこかドライブ感覚のしない,“並”の作品と受け取られていたが,意欲的なアイデアを次々と取り込み,コンシューマのリリースと時期を合わせたりすることでファンを増やし,最近では見事に現代的なイメージのする作品へと脱皮している。
そんなシリーズの最新作「Need for Speed: Carbon」が,GC 2006ではElectronic Artsの商談ブースで動いていた。今回展示されていたのはプレイステーション2版とXbox 360版だったが,PCやWii,プレイステーション3でもでもリリースされる見込みで,11月中旬のリリースを目指し,現在70%程度まで開発が進展しているという。
さて,Need for Speed: Carbonでは,キャンペーンモードのストーリーが強化されている。前作「Need for Speed: Most Wanted」の主人公が故郷パラマウント・シティに帰ってきたところ,「チューナー」(Tuner)と「エキゾチック」(Exotic),「マッスル」(Mustle)という三つのグループが入り乱れての抗争中。主人公はこのうちの一つに属して技術を磨き,レースに勝ち抜くことでこの3グループを統一してしまおうという物語になっている。 三つのグループにはそれぞれ特徴があり,チューナーは一般車を改造したクルマ,エキゾチックはヨーロッパ産のスーパーカーに,そしてマッスルは'70〜'80年代に北米などで活躍した往年のスポーツカーの改造車両を武器にする。全体で,50種類ほどの車種が用意される見込みだ。
なお,大きな街では,これまでどおり自由に散策してレース相手を見つけることもできるようだが,一つ一つのゾーンは,さらに二つか三つに分かれており,対戦する相手も異なってくるとのことである。
■“峠”でドリフトを駆使して戦う新モード ■「キャニオン・デュエル」追加
新しいゲームモードとして注目されるのが,ストーリーモードに用意される「キャニオン・デュエル」。キャンペーンでゾーンを支配するボスとのレース戦で利用されるもので,1回目はプレイヤーが相手の後方からスタートし,2回目はプレイヤーが先頭に立ってレースを始めるというものだ。先頭をフィニッシュラインまでキープするにこしたことはないが,相手との距離がどれだけ離れているかで加算されるポイントも異なってくる。1回目をギリギリ1ポイントのマイナスに押さえておけば,2回目にはある程度引き離すことで勝利を得られるというわけである。 また,1回目のレースで相手を追い抜き,10秒間その状態を保つことで,2回目の対戦をする必要なく勝利が得られる。ただし,基本的には山道でのレースとなるため,ガードレールを越えて事故になれば敗北してしまう。
さらに,本作では「クルーメンバー」が加わり,グループでレースをすることもできるようになった。このクルーでは,相手の行く手を阻むのが専門のブロッカー,ドリフトを多用して形勢逆転も目指せるドリフター,ショートカットなどを探し出すスカウトと役割分担をし,4人1グループとしてレースを楽しめるのである。 ほかにも,より洗練した化粧技術を持つファブリケータ,パーツの交換や車両整備で本領発揮するメカニック,そして破損した車体を修繕するフィクサーなど,レース外で活躍する仲間もいる。プレイヤーが勝ち抜いていくに従い,より有能なクルーを選べるようになるので,気に入った仲間と苦楽を共にするようなロールプレイング的要素とは違うもののようだった。
もちろん,例えばボディやスポイラー,ホイールのリムの形状や色彩を変化はより洗練されたとのこと。このあたりは前作の踏襲だが,ゲームが進むにつれて,レアなパーツを購入することも可能になるという。
山道を使ったキャニオン・デュエルにドリフト多用と,全体的に「頭文字D」を連想させるテイストになっており,日本のレースゲームファンの食指も十分に動かす魅力を持っているといっていい本作。オンラインを使った仕掛けもいくつか考慮されている模様だ。(ライター:奥谷海人)
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ニード・フォー・スピード カーボン |
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