発表直前,Intel製クアッドコアCPUの概要が明らかに
Intelの日本法人であるインテルは,2か月に一度の開催となる報道関係者向け説明会「インテル クライアント・レギュラー・アップデート」第5回を開催した。会場では,2006年11月から,2007年にかけて登場する予定の製品などについて概要が語られたが,そのなかでゲーマーとしても押さえておきたい情報について,ピックアップしてお知らせしたい。
■「Kentsfield」ことCore 2 Extreme QX6700は11月 ■2007年にはミドルレンジにもクアッドコアを投入へ
ヒートスプレッダを外した状態のKentsfieldを持つ吉田和正氏。ちなみにこの状態のKentsfieldは国内初公開となる
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インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏は,米国で2006年9月に開催されたIDF(Intel Developer Forum)の内容を繰り返す形で,開発コードネーム「Kentsfield」(ケンツフィールド)として知られてきた同社初のクアッドコアCPU,「Core 2 Extreme QX6700」を11月に発表すると明言。投入当初は,Extremeモデルとして,ハイエンド市場がターゲットになり,一般ユーザー向けは依然としてデュアルコアCPU(=Core 2 Duo)が中心になるが,2007年夏頃には,ボリュームゾーンにもクアッドコアCPUがかなりの割合で食い込んでくるという見通しを示した。
クアッドコアCPUやSanta Rosaプラットフォーム,UMPC用CPUなどについて説明した阿部剛士氏
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この見通しの根拠について尋ねたところ,インテル マーケティング本部長の阿部剛士氏は,Intel自体がメニィコア路線で,よりCPUコア数の多いプロセッサへ向かっていることが,その一つであると説明した。この路線に乗って,よりクロック,そして価格の低いクアッドコアCPUが登場してくるというわけだ。 また同氏は,高解像度の映像コンテンツが“キラーコンテンツ”になっていくと指摘。こういったコンテンツを処理するためには,デュアルコアよりもクアッドコアのほうが優れていることを挙げていた。
ただし,先にレビュー記事で示したとおり,ゲームにおいてはまだデュアルコアですら,有効に機能する局面がそれほど多くないことは覚えておきたい。Core 2 Duoがゲームで速い理由は多くの場合,「デュアルコアだから」ではないのだ。阿部氏が説明するように,一般ユーザーにとってのクアッドコアCPUの価値は,高解像度の映像コンテンツが左右するはず。現時点では価格が発表されているわけではないが,いくらなんでも,同じ動作クロックのデュアルコアCPUとクアッドコアCPUが同じ価格……とは思えないだけに,ゲーマーとしては,おそらく地道に増えていくだろうマルチスレッド対応ゲームタイトルの数を数えながら,クアッドコアCPUとそれを取り巻く環境を,当面は冷静に見守る必要があると思われる。
Core 2 Extreme QX6700(左)とPentium 4(右)を用い,「CPUとマザーボード以外は同一の環境」(インテル)で,10枚のRAWデータをJPEG形式の画像に変換するデモ。後者が約2分かかる処理を,前者が45秒で終わらせると説明された。なお阿部氏いわく「11月に予定している発表会では,もっとすごいデモをお見せしたい」とのこと
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さて,このほかインテル・クライアント・レギュラー・アップデートでは,次世代Centrino Duo Mobile Technologyである「Santa Rosa」(サンタローザ,開発コードネーム)に関する現時点でのまとめや,直近のキャンペーン/イベント情報などが発表された。いずれもゲームとは直接関係ないが,ユニークなものを,2点紹介しておきたい。
左はSanta Rosaプラットフォームの概要,右はUMPC用CPUのロードマップを示したスライド。Santa Rosaプラットフォームについては2006年10月18日の記事を参照してほしい。UMPC用CPUは,2007年に超低電圧版Core 2 Duoの半分のTDPで動作するCPUを投入し,将来的には1W以下で動作するよう,段階的に開発を進めていくとした
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CPUクリスマスツリーを予告するスライド
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まずは,「2000個のCPUを用いたクリスマスツリー」から。これは, Core 2 Duo発表とつくばエクスプレスへの無線LAN環境導入1周年を記念した,インテルとつくばエクスプレスのコラボレーションとされており,つくばエクスプレス秋葉原駅構内にて,11月10から展示される。「いけばな草月流」監修・制作とのことだが,いずれにせよ,なかなか強烈な,秋葉原らしい(?)クリスマスツリーになりそうだ。
キャンペーンについて発表する江田麻季子氏
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もう一つは,女性向けの鞄などで知られるブランド「FURLA」(フルラ)との協力で,FURLA銀座店の地下にある系列の喫茶店「FURLA cafe by ESPRESSO 0039」に無線LAN環境を配備するというもの。ワンドリンクを注文し,(必要に応じて店頭で貸し出しも受けられる)ノートPCから無線LANを利用すると,「インテル ブルー・タルト」というタルトを無料で味わえるというキャンペーンが,11月1日から30日までの期間限定で実施される。 レギュラー・アップデートの会場では,日頃銀座にはまるで縁のなさそうな,筆者を含む報道関係向けにこのタルトが振る舞われたのだが,ケーキの横に置かれているウェハースは,形状からCentrino Duo Mobile Technologyをイメージしているのかと思いきや「CPUの『ウェハ』にかけています」(マーケティング本部長 江田麻季子氏)とのこと。銀座を訪れる人の果たして何人にウェハというコトバが通じるのだろうか……。(佐々山薫郁)
左はFURLAとのコラボレートキャンペーンを説明するスライド。右が実際に振る舞われたタルトだ。レアチーズタルトベースで,甘すぎずなかなか美味。ちなみに,ウェハをイメージしたというのは,写真上に見える2枚のウェハースである
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江田氏はそのほかのキャンペーンについても発表した。福岡でユーザー体験型イベントを行うほか,オンキヨーと協力し,2007年には都内でコンサートも開催するという
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Core 2 |
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