[韓国ゲーム事情#619]MMOフライトシューティングのOBTが好評に
Kimの韓国最新PCゲーム事情#619
MMOフライトシューティング「Space Cowboy 2-Aerial Strike」のオープンβテストが好評実施中。日本での成功にも自信(2006/11/6)
Text by Kim Dong Wook特派員
MASANG SOFTが10月18日に開始した,「Space Cowboy 2 - Operation Aerial Strike」(以下,Aerial Strike)のオープンβテストが,人気を集めている。現在は4台のサーバーで運営されているが,ほとんどがクチコミで参加したプレイヤーだという。 なお本作は,4Gamerでも何度か紹介したことのあるMMOフライトシューティングゲーム「Space Cowboy」の続編。サービスの担当は,mGameから自社サービスに変更となっている。
前作は,傭兵達のストーリーを軸に,レベルアップとPvPシステムを楽しめる作品だったが,今作は大規模戦争をRvRで体験できるようになっている。 舞台となるのはFilronという仮想の惑星。そこでプレイヤーは,自分好みにチューニングした「ギアー」(飛行体)で空を飛び,モンスターを倒してレベルアップしながら,自分が所属する領土を脅かす敵対勢力と空中戦を行うことになる。つまり,フライトシューティングゲームに,RPGの要素が組み合わされているタイトルだ。 ギアーは,空対空,空対地,地対空,支援型の4種類があり,それぞれ長所と短所を持っている。そのため,ミッションごとに最適な編隊を組む必要があるわけだ。このあたりの戦略性と,シューティングゲームならではの爽快感が,本作のウリと言っていいだろう。
なお,前作に当たる「Space Cowboy Online」は,当初,ライブドアが日本サービスを準備していたが,諸
般の事情で契約が中止に。日本市場進出に向け,さまざまなローカライズ作業が進行していたものの,すべて水泡に帰してしまった。 だが,ここで行っていたローカライズ内容については,Aerial Strikeに盛り込まれているようだ。
本作の総括プロデューサーを務めるKwon,Dong Hyuk開発取締役によると,日本のプレイヤーの好みを分析し,以下のような要素を組み込んでいるという。
●日本のゲーマーにはコンシューマゲームに慣れている人が多く,ソロプレイを重視する傾向がある (1)緻密で完成度の高いシナリオに基づいた,レベル1から100までの連結ミッションを用意する (2)メインストーリーとは異なる隠しミッションを用意し,ゲームへの関心を持続させる
●日本のゲーマーは,明確な目標が設定されているゲームを好む傾向がある (1)ミッションごとの褒賞を多めに用意 (2)ミッションの目標を忘れないよう,ゲームプレイ時の画面には常に目標を表示 (3)レベル100のミッションをクリアしても,再度1からミッションをやり直せる (4)目標意識を維持させるべく,さまざまなボスを用意
●日本のゲーマーは,感動的なストーリーを重視する傾向がある 大きなスケールと哲学的な内容で,プレイヤーの胸を打つようなシナリオを用意
●日本のゲーマーも,レベルアップやアイテムに対する欲求は強い (1)エンチャントは,5回まで失敗することなく可能。最高で20回までアップグレードできる (2)レアアイテムには,さまざまなオプションが付いているため,たとえ同じ武器でも使い方は多種多様 (3)アイテム収集欲を刺激するべく,ユニークアイテムを用意
●日本のゲーマーは,8頭身キャラクターよりSDキャラクターを好む傾向がある ギアーが中心なのでキャラクターはあまり重要な要素ではないが,コミュニティ活動のための8頭身のプレイヤーキャラクターがゲーム内に登場する。日本市場に向けては,これをSDキャラクターに変更することも検討している
●クチコミで広まってほしい,独特の楽しさ (1)最大の特徴であるRvRは,シューティングゲームに限りない戦略性と戦術性をもたらす (2)プレイヤー達は,明確な目標設定のもと,毎日ユニークなエピソードを体験できる (3)さまざまなイベントシステムが用意されているため,イベントマップでのGMとのトーナメント戦といったイベントも行いやすい
これらの分析と,それに対する施策がどこまで正しいかは,蓋を開けてみるまで分からないが,
ともかくとして,日本市場での展開に本気で取り組んでいることがうかがえる。
Aerial Strikeは,韓国のみならず,すでにアメリカとベトナムでもサービスが行われており,好評を博している。つまり,ゲーム性とサーバー運営の安定性については,検証済みといっていいだろう。 MASANG SOFTのKang,Sam Seok社長は,「ライブドアのオンラインゲーム市場初進出タイトルとして選ばれたのは,ゲームのクオリティが高いからだと自負しています。ライブドアとは,日本サービスに向けたローカライズ作業を長時間行ってきました。それは日の目を見ませんでしたが,Aerial Strikeを日本市場で成功させる自信はあります。できるだけ早く,日本でのパートナーを決めたいです」とコメントしている。 日本のゲーマー達の好みを,徹底的に分析しながら開発したというAerial Strike。残念ながら,日本で遊べるようになる時期は未定だが,サービスを楽しみに待とう。
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