「America's Army」は,アメリカ陸軍が新兵募集の一環として開発したFPSである。アメリカ国籍を持っていない人でも無料でプレイでき,全世界で500万人以上の正規登録者を獲得した(陰の)大ヒット作品だ。
本作は,最初にリリースされた2002年から丸4年以上経つ息の長いタイトルで,バージョンアップを重ねて現在はVersion 2.7が最新となっている。なお,America's Armyの開発経緯に興味を持った人は,連載記事「奥谷海人のAccess Accepted」第27回,第42回が参考になるはずだ。 ちなみに,Version 1.xは「America's Army: Operations」,Version 2.0〜2.6はAmerica's Army: Special Forces」,そして2006年11月時点で最新となるVersion 2.7は,「America's Army: Special Forces(Overmatch)」と,それぞれサブタイトルが付けられている。 さて,そんなAmerica's Armyが,なぜG★2006の会場で展示されているのだろうか。しかも展示されていたU2 Mediaブースは,America's Armyのみの出展にもかかわらず,会場入り口すぐそばに10小間ほどのスペースを確保しているという力の入れ具合だ。どうにも気になってしかたなかったので,ブースにいたスタッフに話を聞いてみた。
ブースの模様
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話を聞いたBilly Kim氏(Customer Value Team Team Manager, U2 Media)
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U2 MediaのCustomer Value Teamでチームマネージャーを務めるBilly Kim(ビリー・キム)氏によれば,もともとAmerica's Armyの版権を持っていた企業がゲーム事業を手放したため,InfraBasicがそれを買い取ったのだという。日本を含むアジア14か国の版権を所有しているとのこと。韓国では来年の上半期にサービスインすることを目標にしているようだ。 U2 Mediaはローカライズの開発を担当しており,現在はVersion 2.7の韓国語化を行っている。そのほか,韓国や日本といった,アジア地域のマップの作成も行うという。現在はマップエディタを制作していて,プレイヤーが自分でマップを作ることも可能になるということだ。また,本作はUnreal Engineを使っているので,日本語化するのもそれほど難しくはないとも語ってくれた。
ところで,以前お伝えしたように,本作の次期バージョンはUnreal Engine 3で開発されることになっている。その点を突っ込んでみたところ,Unreal Engine 3で開発されたバージョンの登場は,2007年になる予定とのこと。
4Gamerでも何度かお伝えしているが,このところ韓国ではFPSのタイトルが数多くリリースされている。そこに“本場”アメリカのFPSであるAmerica's Armyが投入されたらどうなるのか,今後も注目していきたい。 なお,Kim氏に日本でのサービス予定を聞いてみたところ,現在いくつかのメーカーと交渉中の段階にあると語ってくれた。近い将来,America's Armyが日本でサービスされるなんてことが実現するかもしれない。(oNo)
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