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[G★2006#17]陰陽2陣営4部族のRvRを核にしたMMORPG「Kailas」
2006/11/10 13:16
「Kailas」のディレクター,キム・ウォンテ(金元泰)氏
 ブースではムービー出展に留まったMMORPG「Kailas」だが,せっかくのゲームショウである。開発者に話を聞くことで,ゲーム内容をもう少し詳しくお届けしたい。といったわけで,WeMade EntertainmentでKailasのディレクターを務めるキム・ウォンテ(金元泰)氏と,プロジェクトマネージャーのパク・ヨンホ(朴永浩)氏に,この作品の特徴と設定を聞いてみた。

 まずは,この作品の特徴である魂と生まれ変わりについて。このゲームでは,プレイヤーキャラクターの本体は魂であって,プレイに用いるキャラクターは,その魂の有り様に沿った範囲で何度でも生成できる,いわば仮の姿でしかない。なぜそうした設定を選んだのか聞いてみた。
 キム氏いわく,「このゲームの世界観は,仏教ないしヒンズー教から着想を得たもので,魂と肉体の関係がまさにそう」なのだという。そこにゲームとしてどんな意味を込めているのか重ねて問うたところ「プレイヤーと,ゲーム画面上に実際に見えるキャラクターがイコールでないところがポイントです。プレイヤーキャラクターが,次にどんな姿で現れるか分からないことは,プレイに独特の緊張感を生み出す。そう考えたのです」とのことだった。どういうことだか曖昧でつかみにくいが,その意味を理解するためには,もう少し話題の展開に沿ってゲームの仕様を知る必要がある。



「Kailas」のプロジェクトマネージャー,パク・ヨンホ(朴永浩)氏
 前述の通り,このゲームは仏教/ヒンズー教的な世界がベースとなっている。この世界では陰と陽が相争っており,どちらも自らが神となることを目標としている。そして神になる方法というのが,天に通じる階段を備えた霊峰「kailas」を支配下に置くことなのである。パク氏の説明によれば,そもそも作品名たる「Kailas」とはチベットの霊峰の名前であり,この作品がかつて「プロジェクト山」と呼ばれていたのも,実にそこに起因する。
 陰と陽の陣営内には,陰なら「修羅」および「羅刹」,陽なら「羅漢」および「般若」と,それぞれ2部族ずつが配され,一つの部族では戦士系,魔法師系,ヒーラー系といった感じで三つの職業が用意される。ただし各部族には特徴があり,ある部族の戦士が攻撃重視なのに対して,ほかの部族では防御重視だったりといった違いがある。
 霊峰たるkailasの周囲には神殿があり,どちらの陣営にせよそれを一つずつ奪っていくことで,kailasへの道が開ける。そして神殿にはショップや,さまざまな機能を果たす「寺院」が付属するほか,陣営内で決めた統治担当者の判断で,神殿を発展させていけるという。以前の記事にもあるように,このゲームのプレイ目標がkailas到達によって神になることだとすれば,神殿の主はそのステップであり,その地の神になることを意味する。神殿の統治はそうしたイメージで捉えられるようだ。なお,神殿の争奪は攻城戦的な手続きで行われる予定である。



 さて,ようやくここでRvRの話と,生まれ変わりの話がリンクする。以前の記事でも触れたとおり,プレイヤーはNPCモンスターと同じ姿にすらなれるのだが,キム氏によれば,そうしたゲリラ的な戦術が,神殿の争奪に有効なテクニックとして機能すると目されているわけなのだ。
 ちなみに現在は戦闘部分を中心に社内テストが重ねられている段階で,クローズドβテストに移行できる時期は,2007年8月から9月になる見込み。韓国以外での展開可能性について,パク氏は「まだ海外(韓国以外の)パブリッシャと話をする段階ではないものの,全体としてはアメリカやヨーロッパでも評価される作品にしていきたい」と述べた。



 最後にキム氏に,日本の読者に対するメッセージを求めたところ「もともとアジアのさまざまな要素を盛り込んで考えているので,日本発の要素を導入することだって可能です。作品の仕上がりに期待していてください」とのことだった。

 攻城戦が全体としてどう設計されるか次第ではあるが,仏教/ヒンズー教系の着想を,ゲームの屋台骨に据えてさまざまな面で使おうとする手法は興味深い。まだまだシステムとして明らかでない部分さえ多いわけだが,一風変わったファンタジーとして,今後も情報を追っていきたい。(Guevarista)


Kailas
■開発元:N/A
■発売元:Wemade Entertainment
■発売日:2007年内
■価格:N/A

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http://www.4gamer.net/news/history/2006.11/20061110131646detail.html