「MO-RATS」と呼ばれる搭乗兵器が登場するオンラインSF FPS「LANDMASS」。その開発をしている韓国の新生デベロッパ WayPointの,CEO/プレジデント Jung, Jun-Sunk氏,エグゼクティブディレクター Lee, Jae-Hyuk氏,ゲームデザインチーム チーフマネージャー Ahn, Wee-Sung氏,そしてアートディレクターのPark, Kyoung-Wook氏に,G★2006会場内にあるミーティングルームで,ゲームの詳細を説明してもらえた。
本作は三つの勢力が,新資源「ガイアガス」が採れる島をめぐり争うという設定。プレイヤーはここで,各勢力の傭兵として戦うことになる。架空世界が舞台だが,時代設定的には今から約20年後だ。 登場する兵器は,現在実際に使われているものがそのまま進化していったようなもので,レーザービームを放つような“超兵器”はない。Park氏によると,兵器のデザインも現代の兵器をベースにしており,リアリティに欠けるものはないという。ちなみにMO-RATSは,戦闘ヘリのコブラを元にデザインしたとのこと。
左からPark, Kyoung-Wook氏,Ahn, Wee-Sung氏
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MO-RATSは,Assault,Sniper,Defender,Engineerという4種類のクラスに分かれている。Assaultはオールラウンドに活躍できる万能タイプで,Sniperは遠距離攻撃に特化されている。Defenderは高い防御力があり,唯一ミサイルを装備できるクラスだ。Engineerはレーダーの操作や乗り物の操作などが行える。 Lee氏は,クラスがAssaultとSniperだけだったら,単純に撃ち合いの要素ばかり強調されてしまうゲームになってしまっただろうが,DefenderとEngineerの存在によって,戦術的要素が色濃く打ち出せるようになったとコメントしていた。ただし,DefenderとEngineerの能力次第でゲームバランスが大きく変わるために,この2クラスの能力は調整中とのことだ。
WayPointのプロデューサーも兼ねているJung,Jun-Sunk氏
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本作はオンラインゲームだが,MMOではなく,MOタイプ。プレイヤーはそれぞれハンガー(倉庫)を持っており,そこで自分のMO-RATSを管理する。ここでは,買ってきた武器の装着やMO-RATSのカスタマイズが可能だ。基本的にはここを拠点にチャットしたりしつつ,戦場マップに入り戦うことになる。 戦場マップには,現時点で40人まで同時に入場可能。本作はUnreal Engine 2.0を採用しているのだが,実は,同エンジンがサポートしている最大同時対戦人数が,40人なのである。ただし今後,60人まで同時に戦えるようにしたいとLee氏は語っていた。現在,それを実現するために,エンジンのチューニングを行っている最中とのことだ。 ゲームモードは五つが予定されており,現在は1対1で戦うモードとデスマッチが完成している。1対1で戦うという,ある意味男らしいモードの存在に驚いていると,Jung氏がそのモードを開発した背景を語ってくれた。同氏によると,韓国人は自分の実力以外のところで勝敗が決することを嫌う傾向が強いのだという。そのため,あえて1対1というモードを設け,白黒をはっきりとつけさせるのだ。さらに,このモードにはランキング機能があり,3か月ごとにチャンピンを決定し,年末に各チャンピオン同士が戦う「四天王大会」(仮)なるものを計画しているとのこと。ひたすら1対1で戦い合い,真のチャンピオンを決めようというわけだ。
流暢な日本語で説明と通訳を行ってくれたLee, Jae-Hyuk氏
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残りは「コーポレートモード」「シナリオモード」「地域占領モード」の三つで,正式サービス開始後に行うアップデートで実装を予定しているとのこと。また,名前もとりあえず訳しただけなので,日本進出したときには変わっている可能性があるという。 コーポレートモードは,単純に戦い合うのではなく,目標物の破壊といった目的が設定されている。どちらのチームが早く目的を達成できるのかを競うのだ。 シナリオモードは,名前のとおりシナリオが用意されており,そのストーリーに沿ってゲームを進めていく。現段階の予定では,5本のシナリオで構成されたエピソードが五つも用意されるそうだ。本作が基本プレイ無料のアイテム課金制だということを考えると,なかなか太っ腹なボリュームである。 ちなみにLee氏によると,ラスボス的なものも企画されているのだという。かなり巨大な敵のようで,Lee氏いわく,アニメ「機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY」に登場する「デンドロビウム」のような雰囲気だということだ。 地域占領戦モードは,専用サーバーを期間限定で設け,そのなかで拠点をめぐり3勢力が互いに戦い合う。その情勢は随時ゲーム内のプレイヤーに伝えられるので,自分の勢力が有利になるように作戦を練り,拠点を奪い合うのだという。勝利した勢力にはアイテムが安く買えるといったメリットが用意されているとのことだ。 韓国では,2度目のクローズドβテストが終了したというのが,本作の開発状況。2006年12月24日には,クローズドβテストかオープンβテストを行い,2007年の3月には正式サービスが開始される予定だ。
日本への進出は,韓国でのサービス開始後の早い段階で予定されている。Ahn氏は「LANDMASSは,いままでにないFPSの楽しさを体験できるゲームなので,日本のSFファン,FPSファンには楽しみに待っていてもらいたい」とコメントしてくれた。 数十人規模で戦うオンラインFPSはいつくかあるが,基本プレイ無料でここまでボリューム感のあるゲームというのはあまりないだろう。ただし,グラフィックスのクオリティもなかなかのものなので,それなりのマシンスペックが要求されそうだ。興味を持った人は,いまからPCの購入/グレードアップ費を貯めておいてもいいかもしれない。(noguchi)
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