[G★2006#38]RPG的要素を含んだオンラインシューティング「Nanaimo」
G★2006に足を運んだ人の多くは,現在のオンラインゲーム市場におけるメインストリームが,カジュアルゲームであることを実感したのではないだろうか。 日本市場においては,カジュアルゲームを“コンシューマライク”などと表現することも多い。だが,ゲームパッドを入力インタフェースの中心に据えたコンシューマゲーム文化に慣れ親しんだ日本人にとって,キーボードでの操作がPCゲームのハードルを上げているのは確かだろう。ゲームパッドに慣れ,移動系の操作は左手の親指で行うことが身についてしまっている多くの(コンシューマ系)日本人ゲーマーは,右手でカーソルキーを操作することに,違和感を覚えるはずだ。 だが,韓国に場所を移すと,これが見事なくらい事情が違う。こちらでは,カーソルキーを使ってキャラクターを移動させるゲームが広く定着しているからだ。
NEXONブースで出展されていた,強制横スクロールタイプのシューティングゲーム「Nanaimo」でも,そんな文化の違いを感じさせられた。なにせ,試遊台で遊んでいた女性の来場者達も,キーボードを使って平然とプレイしていた。
前置きが長くなってしまったが,ここからはこのNanaimoの内容について触れていこう。本作は,ただ単純に敵を撃つだけでなく,レベルアップしたり,お金を貯めてアイテムを購入したりといった,RPG的な要素が盛り込まれているのが特徴だ。 プレイヤーキャラクターは,どちらかというとアバターに近く,初期状態では画一的な体の各パーツや服装,乗り物を,アイテムを購入することで変更できる。それに応じて,見た目が変わるだけでなく,発射される弾が「前方集中型」「拡散型」といった具合で変化する仕組みになっている。
基本的なゲーム展開は,拠点エリアで一緒に遊ぶプレイヤーを探したり,アイテムを購入したりして準備を整え,ステージを選んで2Dグラフィックスのシューティング編へ突入するというもの。 自機はヒットポイント制で,敵の攻撃を受けてもある程度は耐えられるほか,事前に購入しておいたポーションで回復をすることも可能。 攻撃は,通常攻撃とタメ攻撃の2種類が用意されている。ちなみに,通常攻撃については,連射キーも用意されている。これは嬉しいポイントだ。
実際にプレイしてみた感想は,まぁ想像どおり,昔懐かしいシューティングゲームそのままといったところ。出現するザコ敵の移動ラインや,ボス敵の攻撃パターン,さらには1ステージの長さにいたるまでのあらゆる要素が,かつての王道シューティングゲームを踏襲しているかのようだ。 そのため,新鮮さや驚きを感じることはまったくなかったが,懐かしさも相まってか,ストレスを感じることもなかった。ゲーム経験の浅いティーン層のプレイヤーが,本作のメインターゲットということなので,彼らならば新鮮に楽しめるのではないだろうか。
本作は,韓国では9月20日からオープンβテストが行われている。年明けには正式サービスへと移行し,そのタイミングで課金アイテムを実装する計画とのことだ。 本作のような「昔はやったゲーム+成長要素+アイテム課金」というスタイルのタイトルは,今後しばらくの間増殖しそうな気配だ。(ライター:川崎政一郎)
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