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[G★2006#56]韓国,中国,日本の文化が学べる? オンラインアクション「青燐」
2006/11/12 03:14
 WeMade Entertainmentのブースでは,ステージクリア型オンラインアクションアドベンチャー「青燐」が,早くもプレイアブル出展されていた。それをプレイした印象をもとにしつつ,あらためてデベロッパである-nomark-社のプロデューサー,Dae Myung Park氏(以下,Dae氏)に話を聞いてみた。

 まずはいままでの記事で扱われてこなかったストーリー要素から。
 主人公は3人のトケビ。トケビとは韓国の妖怪で,日本でいえば座敷童のように,どちらかといえば庶民に親しまれている妖精的存在である。そのトケビ達が住む村から,あるときお祭りに必要な仮面と火が盗まれてしまう。それらを取り戻すために3人の主人公が冒険の旅に出る……というのが,この作品のストーリーラインだ。

-nomark-社プロデューサー,Dae Myung Park氏
 そうした設定に基づいて展開されるゲームは,一般モード,ストーリーモード,パズルモードという三つのモードを備える。最大参加人数は20人。通常のクエストは4人まで参加できるのに対し,20人でのプレイは対戦ミッションのもので,これはつまり10対10ということになる。
 キャラクターの成長はレベル制となっており,これは主に新しいステージをクリアすることによって達成される。ステージクリアに伴って,プレイヤーキャラクターは“火”(これが青燐。人魂のように青白い)を獲得,それを使ってキャラクターを成長させる。なお,ゲームを進めるにつれて各キャラクターは,特殊な技を身につけていく。全部で6種類覚えることになるが,そのうち一つは特殊なクエストを通して修得するようだ。技の中にはお面をかぶることで変身するものがあるなど,トケビというキャラクターの設定が生かされている。



 なお,現在までに実装されているステージは,全部で13種類となるが,Dae氏によるとこれは順次追加されていくという。そして,中国や日本を思わせるステージも含まれているとのこと。
 ストーリー部分に各国の民話を取り入れているという話だったので,例えば日本の有名な人物が登場するかどうか聞いてみたが,これにはNoという回答。取り入れるといっても,民話の筋や登場人物をそのまま組み込むわけではなく,あくまでテイストないし,パーツレベルに分解しての話であるようだ。



 ブースでの展示を見る限り,この作品については女性や子供も含めてさまざまな人がプレイしていたようだ。そこで開発側での想定プレイヤー層を聞いてみると,15〜25歳という順当な答えだった。トケビのユーモラスさ,可愛らしさ(?)が女性にも受け入れられている点は,開発側としても,この作品の重要な個性と捉えているそうだ。
 今後のおおまかな展開日程としては,2006年12月下旬から2007年1月下旬のあたりで第一次クローズドβテストを実施し,2007年春には正式サービスに漕ぎ着けたいとのことだった。課金形態はアイテム課金で,服や武器,防具などが有料アイテムの中心になるだろうとのこと。ちなみに,ストーリー要素がきっちり決まった作品ゆえか,このゲームにおけるキャラクターメイキングでは顔や体格を変更できず,個性化できるのは着衣と装備だけになる。その意味で,プレイを通して手に入るものだけでなく,有料アイテムという選択肢があるのは合理的かもしれない。
 日本展開の可能性については,「いくつかオファーをもらっているものの,話は決まっていない」という。
 最後に,この作品に興味を持ってくれるかもしれない読者に向けてDae氏は「親しみやすいキャラクターとストーリーで,各国の文化を学べるような作品にしたいです。多くのプレイヤーが喜んでくれるようがんばりますので,楽しみにしていてください」というメッセージをくれた。



 そもそもトケビの造形を,ナチュラルに可愛いと思うかどうかからが,文化といえば文化である。そこを越えようとすると,中国風/日本風マップよりももう少し難しい話が出てくる気もするが,韓国産のものを,ただ韓国で作られたものとして受け取るだけでなく,背景となる文化の違いに基づいて意識するには,格好の題材かもしれない。
 広く楽しめるアクション性と,それぞれに異なる文化コードという二軸で見ると,いっそう興味深い作品になりそうだ。(Guevarista)


青燐
■開発元:-nomark-
■発売元:Wemade Entertainment
■発売日:N/A
■価格:N/A

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.11/20061112031459detail.html