[G★2006#60]韓国産では珍しいロボットものMMORPG「Lacon」
NOPsenの「Lacon」は,韓国産としては非常に珍しいロボットもののMMORPGである。Laconは,LAst CONquestorの略だそうだ。
「西暦2630年。地球は巨大なブラックホール現象により滅亡の危機に陥ると,銀河系に新しい住家を作りエクソダスを計画する。地球と似たような環境である“ユートピア”惑星に人類を移住させる計画の最初の段階として,まずは優良人口1億人を選抜し送るが,反乱が起き地球との交信を絶ち切り宇宙大帝国を築くことを宣布する。しかし地球から移住してきた人間種族(ユト族)は生命のエナジー確保のため,外系種族(ケルネル)と熾烈な生存競争を繰り広げる。このゲームは,エナジー資源を取り巻いた二つの種族の決闘と,その課程で繰り広げられる男達の大浪漫を扱った本格SF MMOゲームである」
と,日本語資料に書かれた設定は,見事なくらいにベタである。メカのデザインもいま一つ垢抜けないところがある。ゲーム画面もちょっと地味だ。しかし,システム的にはいろいろ見どころのあるMMORPGのように思われる。 このゲームの最大の特徴は「デュアルモード」,すなわち,人間型のアバターとロボット型メカの2種類の形態をとることができることだ。普段はアバター状態で,戦闘時はロボットでと使い分ける。だからどうしたという感じのものではあるが,ロボットのままでは感情移入しにくいことを解決するための方策である。
キャラクターは2種族それぞれ4クラスから選択。キャラクターのカスタマイズは,各部で10通りくらいずつほどの自由度があるようだ。 ロボットの大きさは人体の4倍ほど。パーツを組み替えての強化もできる。プレイヤーは,何台かのロボットを所有して,使いたいものを選んで搭乗することができる。ロボットは,自分で作ることもできれば,レンタルすることもできる。ちなみに,ロボットには外見上,女性っぽいものもあれば男性っぽいものもあるが,搭乗者の性別とは関わりない。 また,通常のロボットとは別に,3人で搭乗するメカも存在する。これはある程度階級を上げたプレイヤーだけが使用できるものとなるようだ。
本作では,ハック&スラッシュからの離脱を図ろうという試みがなされている。例えば本作の場合,遠距離系の武器が多く,1対多の攻撃が主流になる。これに関連した概念が「モンスターシャワー」だ。並列型サーバー技術の開発で,降るがごとく現れるモンスター群を前に,戦いまくることが可能。ばったばったとなぎ倒しながら突き進む爽快感などを追求しているという。
そのほか,ゲーム内からほかのプレイヤーの携帯電話にメールを送るなど,新しい試みも行っている。
キャラクターには,通常のレベル以外に階級があり,階級のほうはクエストをこなしたり,種族に貢献したりしないと上がらないようだ。基本的には,レベルが上がることで新しい装備が着けられるようになり,階級が上がることで特殊なメカに乗れるようになるようだ。
2大種族という構成からして,RvRは当然の仕様といえるだろう。マップにはPvPエリアがあり,そういった場所では種族間での戦いが繰り広げられる。危険地域ほど,良い資源を手に入れられる。 中立エリアもあるが,お互いに言葉は通じない。異種族でパーティを組むようなこともできない。会話をするには,特殊なアイテムが必要になる。これは課金アイテムとなる予定だが,「とても高く,効果時間は短い」とのこと。
エネルギー資源を求めて争うというあたり,「RF online」や「ネオスチーム」を彷彿とさせるが,このゲームの資源は微妙に具体的である。エネルギーには5種類があり,気体,固体など,さまざまな形態のものが存在する。
設定や表面上のデザインは置いておいて,このゲームは内部システム的に良さそうな部分が数多く見受けられる。韓国でのサービス会社は未定ながら,プレオープンβテストは12月頭に予定されている。日本からの引き合いもいくつかきているようだ。
さて,そもそも,なぜ韓国にはロボットもののゲームが少ないのか? と聞いてみた。日本では古くからアニメ文化が花開いており,“ロボットもの”というジャンルも熟成しているが,韓国では最近までデザインが非常に難しかったのだという。また,前述の感情移入の問題もあり,イマイチはやらなかったという問題もあったようだ。 まあ,どっちかといえばロボットものが溢れている日本が特殊すぎるということかもしれない。
洗練度ということでは,いま一つの印象はあるが,(日本に入ってくるという前提で話すと)ローカライズ次第ではかなり楽しみな作品である。(aueki)
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Lacon |
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