「Command&Conquer 3」開発途上版による実プレイムービーをUp
少し前の話になるが,NVIDIAの「GeForce 8800」技術説明会では,いくつかのゲームスタジオが開発中のタイトルを持参。開発中のタイトルが,いかにGeForce 8800で高速に動作するかをアピールしていた。 そのなかで,実際のプレイシーンをふんだんに使ってデモが行われた「Command & Conquer 3 Tiberium Wars」(以下C&C3)の模様を撮影したので,ムービーと,そこで語られているプレゼンテーションの内容を紹介してみたいと思う。
■C&C3はグラフィックスエンジンに自信あり!
Command & Conquerシリーズは,名作RTSとしてブランド名こそ確立しているものの,シリーズを重ねて開発元が変わり,ゲームの内容もSFだったり近未来だったりと振り幅が大きい。「Command & Conquer Renegade」ではFPSにすらなってしまったが,“3”を冠した新作では,原点回帰がテーマとなり,初代Command & Conquerに近い,SF色の強い世界設定になったようだ。 ゲームの概要については,GC 2006における紹介記事が詳しいので,そちらを参照してほしい。
さて,C&C3のグラフィックスは,基本的にはDirectX 9(プログラマブルシェーダ3.0,以下SM3.0)ベースで制作されている。Microsoft系スタジオはともかく,一般のゲームスタジオにとって,DirectX 10完全対応は時期尚早なのだろう。 DirectX 10の黎明期となるこのタイミングは,逆にいえばDirectX 9世代の最後期でもある。この世相を反映してか,C&C3は,SM3.0世代GPUのパフォーマンスを最大限に発揮するグラフィックスエンジンで動作しているという。
まずライティングは,一つ一つの材質(マテリアル)を表現するためのスペシャルなピクセルシェーダプログラムをぜいたくに動作させているとのこと。地面はもちろん,ユニットのディテールに至るまで,これでもかというほど法線マップが使われている。 戦闘シーンが始まると,目を奪われるのが,飛び散るがれきや火花などのパーティクル表現。C&C3では,最大で同時2万〜3万という,それこそ「3DMark06」でしか見たことがなかったような数のパーティクルが画面に咲き乱れる。 半透明パーティクルの重ね描きが重いのはもちろん,燃え上がる火の一つ一つに対し,その背景が揺らぐフレームバッファディステーション表現も地味に重い。これは一度レンダリングしたフレームを参照する表現なので,見た目以上にメモリ帯域を喰うのだ。
影生成についても,セルフシャドウ付きのデプスシャドウバッファ系のユニバーサルな影生成エンジンを実装している。セルフシャドウ付き影生成を実装したRTSといえば近作では「Microsoft Age of Empires III」が存在するが,同タイトルと比べても,そのクオリティはまったく引けをとらない。 建物の影がユニットに落ちる表現,戦車の砲身の影がちゃんとその車体自身に投射されているさまなどに注目して見てみると,面白いだろう。(トライゼット 西川善司)
■Command & Conquer 3 Tiberium Warsプレイムービー(7分40秒:123MB,WMV)
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