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MMORPG「三國志 Online」では,数百人規模のRvR「合戦」が楽しめる
2006/12/07 20:30
 先ほど,コーエーの新作MMORPG「三國志 Online」発表会速報をお伝えしたが,本稿ではゲームの詳細と発表会の詳報をお届けする。

 まずは速報記事のおさらいだ。三國志 Onlineは,コーエーがシンガポールに持つスタジオで開発中の“MMORPG”。コーエーは,すでに「信長の野望 Online」で,歴史ストラテジーシリーズをMMORPG化した実績を持っているので,この点はそれほど違和感なく受け入れられるのではないだろうか。
 正式サービスの開始時期は未定だが,クローズドβテストは2007年1月下旬に開始。その参加者の募集は,12月中旬(つまり間もなく)スタートする予定だ。そして,2007年春にはオープンβテストが行われる模様。
 ビジネスモデルは現在のところ未定だが,月額課金制やポイント制,あるいはアイテム課金制といった,既存のビジネスモデルのいずれかを採用する方向で,検討が重ねられている段階とのこと。だがおそらくは,信長の野望 Onlineや「大航海時代 Online」のように,月額課金制に落ち着くのではないかと思われる。

●左:コーエーの代表取締役執行役員社長COO 小松清志氏
「コーエーはグローバル化を目指し,開発拠点や販売拠点を海外に広めている。シンガポールはデジタルコンテンツ産業を伸ばしていこうという政策をとっており,我々の思惑と一致。『三國志 Online』をシンガポールで開発することになった。その成果をお披露目したい」

●右:シンガポール 経済開発庁 日本部門代表 電子産業担当局長 リム スウィ ニエン氏
「シンガポールという国は,マレーシア,インドネシア,タイ,インドなどとも近く,デジタルコンテンツ開発のための人材を集めやすい環境にある。『三國志 Online』は,2004年に作られたシンガポールのスタジオが開発した。こういう形で貢献できて嬉しい」


■「三國志 Online」の世界観とプレイヤーキャラクター

 三國志 Onlineの舞台となるのは,もちろん中国。時代は後漢末だ。プレイヤーは,魏,呉,蜀いずれかの勢力に所属し,ほかの勢力との熾烈な覇権争いに挑むことになる。
 敵キャラとしては,さまざまなモンスターも登場するそうだ。発表会では,ボスモンスター「牛魔王」との戦闘シーンを収録したプレイムービーも上映された。牛魔王といえば,中国の四大奇書の一つ,「西遊記」に出てくる魔王の一人。ひょっとすると,中国に伝わるさまざまな魔物達が登場するのかもしれない。



 プレイヤーキャラクターは,男女4種類用意されているベースモデルを,カスタマイズして作成する。ベースモデルは,身長や体型を変更できるほか,用意された髪型,髪の色,顔,目の色,肌の色,服の色,声などを組み合わせて,個性的なキャラクターを作り上げることができる。
 こうして作るプレイヤーキャラクターだが,実は職業を設定できない。というのも本作は,MMORPGとしては珍しく,職業という概念がないのだ。では例えば,徒党(パーティ。最大5人)での冒険時,どうやって役割分担をするかというと,装備する武器によって役割や使用する技能(スキル)を替えるというもの。具体的には,以下のようなバリエーションが用意されている。

●片手武器・盾装備時
役割:盾役
特徴:守備力を上げる技能や,敵の注意を引き付ける技能を使える

●両手武器装備時
役割:サポート役
特徴:味方の能力を向上させる技能や,敵の能力を低下させる技能を使える

●弓装備時
役割:遠隔攻撃役
特徴:弓を使った遠隔攻撃の技能を使える

●双手武器装備時
役割:近接攻撃役
特徴:近接攻撃に特化した技能を使える

●妖術武器装備時
役割:攻撃役
特徴:さまざまな攻撃術を使える

●練丹武器装備時
役割:回復役
特徴:回復技能を使える

 つまり装備する武器によって,キャラクターの特徴も変わるというわけだ。例えば徒党を組んだときに,回復役がいない……といったケースがあったとしよう。その場合,徒党のうちの一人が練丹武器を装備すれば,回復役としてほかのメンバーをサポートできるという。またそれだけでなく,その日の気分によって役割を変え,常に新鮮な気持ちでプレイすることもできそうだ。
 技能は上記六つの戦闘系のものだけでなく,7系統の生産系(武器や防具,アクセサリなどを生産可能),5系統の採集系も用意されている。生産系に特化したキャラクター作りというのも,楽しめるはずだ。



■大規模なRvR「合戦」システムを実装

 戦闘システムには,エンカウント制の信長の野望 Onlineとは異なり,NPCとシームレスに戦えるオープンバトルを採用。前述のとおり,最大5人の徒党で,メンバーが役割分担をすることにより,戦略的な戦闘が可能だ。
 ほかの勢力との戦いは「合戦」として,一週間に3回程度,年間を通して実施される。これは数百人が同一フィールドで戦うという,かなりド派手なものになるようだ。
 対人戦の規模は,プレイヤー個々の対人戦から,徒党(パーティ)同士の戦い,そして徒党間連携による連合戦,そして勢力がぶつかり合う総力戦があるという。そして見事,「三國制覇」をした勢力に所属しているプレイヤーには,官位や褒賞が与えられる。
 一度の合戦に必要な時間は未定だが,本作のプロデューサーである上野彰三氏によると「長くなりすぎず,かといって短くなりすぎないようなバランス調整をしていく」とのことだ。



青龍
 三國志といえば,数々の有名武将を思い出す人もいるだろう。もちろん本作でも,武将は登場する。詳細は不明だが,どうやらプレイヤーが呼び出すという形になるようだ。武将を呼び出すには,日ごろからの関わり合いによって,親密度を高めておく必要がある。武将をプレイヤーが操作することはできないようだが,呼び出すことができれば鬼神のごとくめざましい活躍をしてくれるという。
 また,投石車や連弩,井蘭などの大型兵器も登場。砦や見張り櫓なども建設可能で,これらを効果的に活用すれば,数の上では劣っていても,敵対勢力を打ち破ることもできるだろう。
 さらに「青龍」や「白虎」といった「聖獣」(召喚モンスター)も用意されている。これは,同一勢力の複数プレイヤーが,事前にダンジョンなどで手に入れた「聖獣の欠片」を持ち寄ることで召喚できる。聖獣を使うと,敵味方を巻き込み,戦局が大きく変わるそうだ。

曹操,孫堅,劉備


 このほか,システムとしては同一勢力内のコミュニティとして「部曲」というグループシステムや,いつでもPvPを楽しめる「局地戦」が用意されていることも明らかになった。
 ちなみにBGMは,信長の野望 Onlineでもおなじみの,川井憲次氏が担当する。

 ゲームのスタート地点は荊州水鏡村。ここでゲームの基本動作を覚えつつ,近隣を冒険して成長したキャラクターは,魏,呉,蜀のいずれかの勢力に士官することになる。その後は,漢の中心地である長安を活動拠点に,冒険できるようになるという。またさらに,建業や成都といった都市も登場するとのことだ。
 これまでの三國志シリーズとは異なり,三國志の世界の新たな登場人物の一人として,有名な都市を歩けるというのは,本作が持つだいご味の一つともいえそうだ。



 三國志シリーズファンのみならず,MMORPGファンにとっても注目の本作。間もなくスタートするであろうクローズドβテスト参加者の募集まで,本記事並びに公式サイトなどをチェックしつつ,あれこれ期待を膨らませておいてほしい。(Text by TeT / Photo by kiki)

●左:「三國志 Online」プロデューサー 上野彰三氏
「本作のテーマは『乱世に己の義を示せ』。三國志の時代には数多くの英雄がいた。彼らは国のため,信じる仲間のため,愛する仲間のため,また自らのために生き,戦い抜いてきた。彼らはそれぞれの“義”を持って生きていたのだと思う。『三國志 Online』というゲーム上で,三國志の時代にあったような義を体感してもらいたい」

●右:コーエー 執行役員 杉山芳樹氏
「『三國志 Online』は,コーエーのノウハウ,技術を結集して開発中。プレイヤーには,ゲームを楽しんでいただくだけでなく,三國志が持つ魅力的な世界観そのものも楽しんでほしい。また,ほかのプレイヤーとのコミュニケーションを通じ,コミュニケーション能力を高めるなど,より豊かな体験をしてもらいたい。面白くてためになる作品を目指し,最高のクオリティに仕上げていく」

三國志 Online
■開発元:コーエー(KOEI ENTERTAINMENT SINGAPORE PTE. LTD.)
■発売元:コーエー
■発売日:2007年内
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2006.12/20061207203029detail.html