CESA,取り急ぎ「オンラインゲーム運営ガイドライン」を制定/公表
社団法人コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は本日(12月25日),「オンラインゲーム運営ガイドライン」を公表した。これは,「当協会に加盟するオンラインゲームサービス運営会社が,それぞれのオンラインゲームを適正に,円滑に運営することにより,サービス提供会社・ユーザー双方が良好な関係を築きながら充実したオンラインゲームプレイを楽しむ環境を構築するためのベースとなる」ことを目的としたものであるという。 ちなみに適用範囲は,「『パソコン』または『家庭用ゲーム機』からインターネットを介してサービス提供会社が管理するゲームサーバーに接続して遊ぶゲーム全般」である。つまり,ピア・トゥ・ピア型の対戦ゲームや,ロビーサーバーのみ提供されている作品は対象に入らないということで,これはおおむね妥当な(便宜として優れた)設定範囲といえよう。 具体的な中身はCESAのサイト内で閲覧/ダウンロードできる。内容は,
■サポート受付内容に関する説明 ■オンラインゲームプレイ上の必須告知事項 ■オンラインゲーム初心者向け各種説明項目の整備・提示 ■個人情報保護に関する明示 ■不正行為について
などと章立てされており,それに先立って「サービス提供会社は,以下の項目を遵守する」と述べられている。
しかしながら,項目こそそれなりに整っているものの,書かれた内容については,端的に言って毒にも薬にもならない水準ではなかろうかと少々心配になる。なんと言うべきか,ある程度基準が明確に示せているのは,議論の余地がほとんどない,基本的な話題だけであるようにも見えるのだ。 その一方で,例えば不正行為の定義については,「サービス提供会社が定義するものであり,当協会はこれを尊重する。」と述べるに留まる。事実上の不介入声明と理解すべきか,むしろ,もう少し積極的な原則提示を求める意見への,クールダウン効果を狙っての言明なのか。いずれにせよ,このガイドラインでは突っ込んだコメントどころか,対話の必要性すら棚上げされた形だ。
ともあれ,CESAがオンラインゲームのサービス業者に共通する課題を認識し,そこに取り組んでいく姿勢を示したことは無意味ではあるまい。CESA自身今回のガイドラインを「必要最低限遵守すべき項目」とコメントしているし,「本ガイドラインは必要に応じて加筆・修正を行う」と明示されてもいる。加盟者の合意に基づく,ガイドラインという形の意思表明が果たして最適なのかどうかはさておいて,今後の議論の深まりと,ガイドラインの内容的深化に期待しよう。(Guevarista)
|
|
|