「アニス&フリッキー」の開発担当者にインタビュー:2007年上半期に延期された正式サービスに向けた展望やいかに?
(左から)Actoz Softのプロデューサー イ・セミン氏,Netclueのローカライズチーム部長 カン・ボンソク氏
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オープンβテストが11月24日に開始された,アクション要素を持つMMORPG「アニス&フリッキー」(以下,アニフリ)。当初は,正式サービスが12月中に開始される予定となっていたが,先日お伝えしたように,「2007年上半期」へと延期されている。 思い起こせばアニフリには,オープンβテストの開始予定日だった9月29日当日にその延期が発表され,約2か月後にようやく開始に至ったという経緯もある。
今回,日本でのオープンβテストの状況を確認するために来日していた,開発元 Actoz Softのプロデューサーであるイ・セミン氏と,GMO Gamesの子会社 Netclueでローカライズチーム部長を務めるカン・ボンソク氏,GMO Games PR & マーケティングチームの大柳竜児氏にインタビューを行う機会を得た。 オープンβテスト開始までの経緯や,ゲーム難易度の調整,ゲームパッドへの完全対応,そして大規模アップデートや正式サービスなど,広範にわたって聞いてきたので,本作のプレイヤーはぜひともご一読を。
■開始予定日当日に発表された ■オープンβテストの延期
4Gamer: お二人は昨日来日し,今日(インタビューを行った12月22日)には韓国に帰国すると聞きました。ハードスケジュールの中,インタビューに応じていただきありがとうございます。よろしくお願いします。
イ・セミン氏,カン・ボンソク氏,大柳氏: こちらこそ,よろしくお願いします。
4Gamer: ではまず,日本でのオープンβテストの開始が,当初予定されていた9月29日から約2か月も延期された理由について教えてください。アニフリのプレイヤーなら,気になるところだと思います。
カン・ボンソク氏
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カン・ボンソク氏: オープンβテストの開始が遅れ,長い間待たせてしまったプレイヤーの皆さんにお詫びします。 X-TESTの参加者から寄せられた要望は,開発チームが想定していたものとはかなり異なるものでした。寄せられた要望をゲームに反映させるには,ある程度の時間を要すると判断したため,韓国でパブリッシングを行うNetclueと協議したうえ,オープンβテストの延期を決めました。
4Gamer: それにしても,延期を発表したのがテスト開始予定日当日というのは,あまりに突然すぎたのではありませんか?
カン・ボンソク氏: 確かに,発表が遅くなってしまいましたね。楽しみにしていた方に,重ねてお詫びします。 テストの延期には,開発にある程度の時間を要することに加え,登録会員数をもっと多くしてからテストを行いたいという意図もありました。
4Gamer: 何らかの事情があったことは察しがつきますが,「さあ遊ぼう」と思っていた人は面食らったと思います。もちろん延期されないのが一番ですが,万が一同じような状況になってしまうときには,ぜひファンには早めに知らせてください。 では,次の質問です。延期していた2か月間に,どのような作業を行いましたか?
カン・ボンソク氏: この2か月の間に行ったのは,主に,X-TESTを通じてプレイヤーから指摘された,コンテンツやアイテムの不足を補う作業です。例えば,ヘアスタイルや表情を計6種類追加したのですが,これは,日本のプレイヤーから多くの要望が寄せられた要素なんですよ。
4Gamer: なるほど,日本のプレイヤーは一般に,キャラクターを個性的な見た目にするのが好きですからね。 そのほかに,修正/追加された要素はありますか。
カン・ボンソク氏: アニフリは,新しいジャンルのゲームを目指していますが,そのためか,操作や攻略などが難しいとの意見が多く寄せられました。とくに操作自体が難しいという意見が多かったので,マウスで操作する機能を追加しましたが,それでもまだ難しいとの声が寄せられています。 まだまだ調整が十分とはいえませんので,プレイヤーの要望に耳を傾けつつ,作業を進めていくつもりです。
4Gamer: 「新しいジャンルのゲームを目指している」とのことですが,アニフリには,移動する床や,一定時間が経過すると消える床,ジャンプ台などの仕掛けが用意されていて,確かにアクションゲームみたいな感覚で楽しめますよね。 このアニフリのユニークなプレイ感覚に対する反応には,日本と韓国で違いがありますか?
カン・ボンソク氏: とくに大きな違いはありませんね。日本でも韓国でも,「新鮮だ」「難しい」といった感想を抱く人が多いようです。
4Gamer: もしかしたら,韓国では誰もが難なくプレイしているのかもしれないと思っていたので,少しほっとしました(笑)。
■プレイヤーから多く寄せられている要望は ■ゲームパッドへの対応と,難易度の調整
イ・セミン氏
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4Gamer: 11月24日にオープンβテストが開始されてから,約1か月が経過しようとしていますので,アニフリの現状について聞きたいと思います。まず,同時接続者数はどのくらいですか?
イ・セミン氏 この場で正確な数字を挙げることはできませんが,日本では,同時接続者数1万人を目標としています。
4Gamer: その目標を達成するためにも,プレイヤーの要望に応えることが重要ですよね。オープンβテスト開始後は,どのような意見や要望が寄せられていますか?
カン・ボンソク氏: 最も多いのは,ゲームパッドへの対応ですね。
4Gamer: そういえば,当初は12月中に実装される予定でしたよね。現在,開発状況はどうなっているのですか?
カン・ボンソク氏: 現在のところ,2007年2月末の実装を目標としています。もともと,ゲームパッドでの操作を前提にしてアニフリの企画/開発を行ってきたわけではありませんので,ゲームパッドに対応するには,予想以上に多くの作業を行う必要が出てきたんです。
4Gamer: プレイする側の感覚だと,割と簡単に対応できそうに思ってしまいますが,そうでもないのですね。
カン・ボンソク氏: 実を言うと当初は,ゲームパッドで移動や攻撃などの基本的な操作が行えれば,それでいいとの意見もありました。しかし,アニフリのGMや,Netclueのスタッフと相談した結果,すべての操作をゲームパッドだけで行えるようにしようという話になり,そのため,より多くの時間が必要になりました。
4Gamer: それは,アニフリのファンにとって朗報ですね。操作が難しいからと早い段階で諦めていた人も,気軽にプレイできそうです。それでは,ゲームパッドへの対応に次いで多く寄せられている要望は何ですか?
カン・ボンソク氏: 難易度を調整してほしいとの要望です。アニフリでは,さまざまなトラップが待ち構えるマップをクリアしないと先に進めません。そのため,難度の高いトラップにハマってしまい,挫折してしまう人もいるようですね。
4Gamer: 私もプレイしているのですが,急激に難度が上がる場所がありますよね。例えば,2Rank後半のクエストや,3Rankでプレイする「コグマ神殿」の3Fなどです。単にマップの構成によって難度が高くなるだけでなく,敵の攻撃が急に激しくなる場所もあります。
イ・セミン氏: アニフリでは進行上,3Rankで転職することになるので,そこまでは比較的簡単に進めるように設計しています。それ以降は,達成感を味わってほしいという狙いから,経験値テーブル(レベルアップに必要な経験値の表)を厳しくしています。モンスターによる遠距離攻撃が多くなるのも,難しく感じる一因でしょうね。
4Gamer: 確かに,遠距離攻撃が増えるとなかなか厄介なんですよね。
イ・セミン氏: また,2Rank後半のクエストや,2F10Cのマップは意図的に難しくしてあります。これは,3Rankにレベルアップしたり,3Fに挑戦したりする手前ということで,やはり達成感を味わってもらうことが狙いです。
4Gamer: 私自身,かなり苦労した場所があり,どうにかクリアできたときには大きな達成感を味わいましたよ。
イ・セミン氏: そう言ってもらえると嬉しいです。ただ,新しいタイプのゲームであることや,操作が難しいことなどが相まって,私達が考えていたよりもずっと難しく感じた人が多かったようですね。このことについては,私達自身,かなり深刻にとらえています。
4Gamer: 開発スタッフの間で,「難し過ぎるのではないか」との意見は出ませんか?
イ・セミン氏: 実は,毎日アニフリをプレイしているせいか,開発スタッフはまったく難しく感じていないんですよ。マップ制作担当者の感覚も,一般のプレイヤーのそれとかけ離れてしまっていると思います。私達としては簡単だと感じていた場所が,多くのプレイヤーにとって鬼門になっていたり……。
4Gamer: それだけレベルの高いプレイヤー,というか開発者の感覚で作られているわけですから,難しいはずですね。今後,どのような考え方で難易度の調整を行うのかが気になるところです。
イ・セミン氏: 今までは,プレイヤーに達成感を味わってもらいたいという考えから,難度がどんどん高くなるように設計してきました。しかしこれからは,初心者のことも考慮しつつ,難易度を調整していきます。 とはいえ,いきなり全面的に変更することはできませんので,当初は,プレイヤーが挫折しやすい場所を見つけ出し,そこから段階的に調整していく予定です。
4Gamer: 全体のバランスについてはどのように考えていますか?
イ・セミン氏: 難度を直線的に上げるのではなく,一度上がったら,しばらくの間は同程度の難度を保ち,また徐々に上がるという具合に,難度の上がり方にも変化を付けるようにします。
4Gamer: なるほど。努力の末に達成感を味わった後は,多少なりともリラックスして進められる時期もほしいですね。 ところで先ほど,韓国のプレイヤーにも,アニフリを難しいと感じている人が多いとの話が出ましたよね。
イ・セミン氏: ええ,そうですね。韓国版をもとに,いろいろと手を加えて日本版を作っていますので,日本と韓国ではやや状況が異なりますが,韓国のプレイヤーにとっても,挫折しがちな局面があることには変わりません。したがって韓国でも,プレイヤーの声に耳を傾けて難度を調整していきますよ。
カン・ボンソク氏: 韓国には,FPSの操作に馴染みのある人がたくさんいます。彼らは,最初にアニフリの操作を難しいと感じても,すぐに慣れてしまうんですね。逆に,アニフリがゲームパッドに対応すれば,日本人にもすぐに受け入れてもらえると思っています。
4Gamer: もしかしたら日本のプレイヤーの多くが,かなり早い段階で挫折してしまい,プレイを中断していると思います。これは,早急に解決する必要のある問題ではないかと個人的には思っています。
カン・ボンソク氏: そうですね。最優先課題として取り組んでいますよ。
4Gamer: それを聞いて安心しました。 ではそのほかに,オープンβテスト開始以降,どのような要望が寄せられていますか?
カン・ボンソク氏: ゲームにログインすると,最初はキューブスペースのロビーに降り立つのですが,これも従来のMMORPGと大きく異なる要素なので,「何をしていいかの分からない」という人が多かったようです。 またオープンβテストでは,ストーリー展開に変更を加えているのですが,十分な作業時間が取れなかったこともあり,それぞれのクエストの整合性が取れていない部分があるんですね。そのあたりについても,リクエストを受けています。
4Gamer: ストーリーを変更したとなると,バランス調整の必要も出てきますよね。
カン・ボンソク氏: 日本でのX-TESTは,先行していた韓国版のゲームバランスのまま実施しました。オープンβテストには多くのコンテンツが追加されていますが,ゲームバランスの調整は十分ではありません。そのため,「X-TESTのほうがバランスが良かった」との意見も出ていますね。
4Gamer: 確かにそのような意見を聞いたこともありますね。またそのほかに,「チャットシステムが弱い」との声も聞きました。具体的には,全体チャットのようなものがないためにパーティが組みにくく,攻略を進めづらいといった内容です。この点についてはどうでしょうか。
カン・ボンソク氏: もちろん,現在対応を進めています。チャットなどの細かい部分に関する要望にも,できる限り応えていくつもりです。
4Gamer: 今後のアップデートで,プレイヤーが不満に感じていたさまざまな部分が改良されることに期待しています。
■女性プレイヤーの比率が高いアニフリ ■グラフィックスなども女性を意識して制作
4Gamer: それでは,大枠の話に戻しますね。独特のグラフィックスや,キャラクターデザインについて聞かせてください。実際のところ,プレイヤーの評判や感想はどうですか?
イ・セミン氏: 大きく分けて二つの反応がありますね。一つは,新しいものに対する「何だコレ?」という反応です(笑)。従来のゲームキャラクターのイメージを脱却しようというコンセプトで制作しましたので,狙いどおりの反応ともいえます。 もう一つは,「親近感を覚える」という反応でした。新しくて面白い一方で,どこか親しみを感じるというものです。
4Gamer: 大きく異なる二つの反応に分かれている点は,なかなか興味深いです。プレイヤーは,アニスとフリッキーに対してどのようなイメージを抱いていますか?
イ・セミン氏: アニスは子供っぽい男の子,フリッキーは気の強い女の子というイメージでとらえられているようですね。
4Gamer: 人気が高いのはどちらのキャラクターですか?
イ・セミン氏: 人気に大きな差はありませんが,女性プレイヤーにはフリッキーを使う人が多いようです。
4Gamer: 気の強いフリッキーに対して共感を覚えるんでしょうか(笑)。ところで,プレイヤーの男女比率はどれくらいですか?
イ・セミン氏: 数字は言えませんが,女性プレイヤーの割合はなかなか高いほうだと思いますよ。
4Gamer: 女性が多いといわれているゲームで,その比率は約3割といわれていますが,アニフリはどうですか?
カン・ボンソク氏: 3割には届きませんが,一般的なオンラインゲームと比べると,女性の比率は高いと思います。
4Gamer: 逆に,開発にあたって,女性を意識している点はありますか?
カン・ボンソク氏: アニフリのイメージイラストは韓国で制作したのですが,日本でサービスするにあたり,女性を意識してアニスとフリッキーの表情など,細かい部分にまで変更を加えているんです。ですから,イメージイラストを見て興味を持つ女性は少なくないと思います。
4Gamer: なるほど。女性が流行を作る面がありますし,いかに女性にアピールするかは重要な点ですよね。もともと韓国では,どの層のプレイヤーをメインターゲットとしていたのでしょうか。
イ・セミン氏: 年齢層でいうと,主に中学生から大学生までの学生,すなわち10代から20代前半くらいですね。男女別でいうと,熱心なゲーマーの多い男性をメインターゲットにしていますが,女性,とくに「女の子」と呼ばれる世代もかなり意識して作っています。
4Gamer: 今のところ,狙いどおりに進んでいますか?
カン・ボンソク氏: ええ,予想以上に,女性プレイヤーの反応がいいんですよ。今後も,女性を意識したサービスを展開していくつもりです。
イ・セミン氏: アニフリは新しいタイプのゲームですから,GMO GamesもActoz Softも,新しいことに挑戦していきたいと考えています。日本では,女性プレイヤー層がまだまだ少ないですから,その開拓に積極的にチャレンジしたいですね。
4Gamer: オンラインゲーム業界の今後のためにも,いかに女性プレイヤーを増やすかは大きな課題です。期待しています。
■正式サービス開始は「2007年上半期」の予定 ■2007年1月末と2月末に大規模アップデートを実施
4Gamer: それでは次に,今後の展開や,現在予定されているアップデートの内容を具体的に教えてください。
カン・ボンソク氏: 12月21日に,プレイヤー獲得を目的とするイベントを開始しました。また,2007年1月中旬にかけ,各種のイベントを実施する予定ですよ。
4Gamer: では,アップデートについてはどうですか? やはり,大規模アップデートの実施時期や内容が気になるところです。
カン・ボンソク氏: 2007年1月末を予定しています。そのアップデートで追加するのは,抽出/採取/製造システムという,いわゆる生産系のシステムです。
4Gamer: 生産系システムは,プレイヤーの要望が多い部分ではないでしょうか。
カン・ボンソク氏: そうですよね。私達としては,このシステムを導入することで,アニフリのゲーム性にも変化を加えたいと思っています。
4Gamer: 具体的にはどのような変化を?
カン・ボンソク氏: 現状では,マップを通過するときに,慣れたルートしか通らない人も多いと思います。ですが,採取用のアイテムをさまざまな場所に配置することで,プレイヤーがアイテムをマップの隅々まで探し回る必要性を持たせるわけです。
4Gamer: マップ全体が生かされることになりそうですね。そのほかに追加されるシステムはありますか?
カン・ボンソク氏: 装備アイテムに特殊能力を付加できる,「パッチシステム」を導入する予定です。そのほかに,インスタンスダンジョンや「死の道」も新たに追加しますよ。
4Gamer: 装備アイテムのアップグレードも,ニーズの高い要素といえますよね。
カン・ボンソク氏: そのほかにも,プレイヤーのニーズに応える形で,新たな「テーマ」(フィールド)の追加,クラブ間のPvPである「クラブバトル」の実装を予定しています。
4Gamer: 新たなテーマは,どのようなものですか?
イ・セミン氏: 仮称ですが,「ファンカオン」といい,「明るくて透明感のあるテーマ」「楽しいテーマ」をコンセプトに制作しています。おもちゃと遊園地をミックスした,一種のテーマパークのようなステージで,8〜9Rankのプレイヤーを対象とするモンスターが待ち受けていますよ。 スクリーンショットを用意しましたので,見てください(実際に,その場で画像を見せてもらった)。
4Gamer: ファンシーな雰囲気が漂っていますね。早くこのテーマに挑んでみたいものです。 では,同じく2月末のアップデートで追加される「クラブバトル」の詳細について教えてください。
イ・セミン氏: 簡単に言うと,クラブバトルは“キューブ争奪戦”です。
4Gamer: 一つのキューブを,複数のクラブで奪い合うのですか?
イ・セミン氏: いいえ。PvP専用チャネルに用意された,五つのキューブを奪い合います。今のところ,二つのクラブが一対一で戦うという形式にしようと思っています。
4Gamer: クラブバトルではどのような戦いが展開されるのでしょうか?
イ・セミン氏: アニフリはアクション要素の濃いゲームですから,ほかのMMORPGでよく見られるような,スキル対スキルの戦いにはなりません。例えば,障害物を利用して敵の攻撃を防いだり,トラップを使って相手にダメージを与えたりといった,面白い戦い方ができると思います。
4Gamer: 話を聞く限り,まさにアニフリならではといった感じですね。では,勝利を収めてキューブを勝ち取るとどんなメリットを得られますか?
イ・セミン氏: それについては,まだ具体的に話せないのですが,ほかの方法では手に入らない“特別な何か”を得られるようにします。また,勝ち取ったキューブにより,得られるものも異なります。以上が,2月末に実装されるクラブバトルの第一段階です。
4Gamer: ということは,第二段階,第三段階……と続くわけですね?
イ・セミン氏: そのとおりです。クラブバトルを,リーグ戦やトーナメント戦といった形に発展させていく予定です。
4Gamer: リーグ戦やトーナメント戦ですか。最強クラブを決するイベントなどが開かれたら,かなり盛り上がりそうですね。 ところで,アニフリにはメインストーリーがあって,それに沿ってゲームを進めていくわけですが,クラブバトルの勝敗は,ストーリー展開に何らかの影響を与えますか?
イ・セミン氏: アニフリのストーリーには,クールディング派とペリド派に分かれて戦うというバックグラウンドがありますが,クラブバトルの結果は,ストーリーの本筋には影響を与えません。
4Gamer: なるほど,ストーリーとは別の要素なんですね。 それでは次に,気になる日本での正式サービス開始時期について質問します。当初は,12月中ということでしたよね。
GMO Games PR & マーケティングチーム 大柳竜児氏
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大柳氏: 今のところ,正式サービスの開始は2007年上半期を予定しています。 今,1月末と2月末に予定している2回のアップデートについて,カンが説明を行いましたが,そのアップデートの内容には,当初正式サービス開始時に追加する予定だったものも多く含まれているんです。 正式サービス自体はスケジュールどおり開始できませんでしたが,さまざまな要素を先に実装し,完成度を高めてから正式サービスを開始したいと考えています。
4Gamer: では,正式サービスを開始する時期は3月くらいでしょうか?
大柳氏: 2月末のアップデートを終えた後,アイテムの販売を開始するための準備が十分に整ったと判断したら,始めたいと思います。
4Gamer: 準備が整ってから正式サービスを開始することは重要ですよね。とはいえ,やはり予定より遅れてしまうのは,プレイヤーにとって残念なことではないでしょうか。
大柳氏: アニフリはすでに,システム面ではほぼ完成しているといえますが,安易に正式サービスに移行しても,プレイヤーに受け入れられなければ意味がありません。プレイヤーに納得してもらえるよう,できるだけ完成度を高めたいと考えています。
4Gamer: 正式サービス開始がまだ先の話となると,質問するにはやや気が早いかもしれませんが,課金アイテムの内容はどうなりますか?
イ・セミン氏: 今話せるのは,機能性アイテム,消費アイテム,そしてアクション要素をフォローできるアイテムを実装するということだけです。 アクションは,ほかのゲームにはあまり見られない,アニフリならではの要素なので,アクション要素をフォローできるアイテムとして,面白いものを提供できると思いますよ。
4Gamer: 具体的には?
イ・セミン氏: 例えば,ロータスの使用回数を増やしたりできるアイテムなどです。アイテムは作ろうと思えばいくらでも作れますが,ゲームを楽しいものにするアイテムのみを提供していきます。
4Gamer: アニフリらしく,目新しいアイテムが登場することを期待しています。 それでは,アバターアイテムについてはどうでしょう? おそらく日本のプレイヤーからは,たくさんの要望が寄せられているのではないかと思うのですが……。
カン・ボンソク氏: 日本のプレイヤーがアバターを好むことについては,「コルムオンライン」での経験から,よく理解しています。もちろんアニフリでも,さまざまなバリエーションを用意するつもりですよ。
4Gamer: それはファンにとって嬉しい言葉ですね。ぜひ実現させてください。 それでは最後に,日本のプレイヤーと4Gamerの読者にメッセージをお願いします。
イ・セミン氏: アニフリを遊んでくれている皆さんに,大変感謝しています。刺激的な面白さをプレイヤーに与えるゲームだと思いますので,まだプレイしてない人も,ぜひ一度触れてみてください。
カン・ボンソク氏: コルムオンラインでの経験を生かし,アニフリをよいゲームにすべく努力していきます。Netclue,Actoz Soft,そしてGMO Gamesが互いに協力し合い,がんばっていきますので,これからもよろしくお願いします。
4Gamer: ゲームとしてのアニフリが,より洗練されたものとなることを期待しています。本日はどうもありがとうございました。
飽和しつつあるMMORPG市場に,アクション要素や独特のグラフィックスを持ち込もうとしているアニフリ。 ほかのMMORPGにはあまり見られない要素を備えているだけに,開発チームも試行錯誤を繰り返している様子が見てとれる。また,一般的なMMORPGに慣れた人には,そのゲーム性が浸透しづらいという側面もあるだろう。
しかし今回のインタビューでは,そうした“逆境”の中にあってもプレイヤーの要望を受け止め,ゲームに反映させようとする開発スタッフの前向きな姿勢がうかがえた。その意気込みが,1月から2月にかけて実施される大規模なアップデートや,正式サービス開始に伴うアップデートで実を結ぶことに期待したい。スケジュールについても,アニフリファンの期待に応えてほしい。
やや大げさな表現かもしれないが,アニフリの成否が,今後のMMORPG全体に少なからぬ影響を及ぼす可能性があると,筆者は考えている。 これから正式サービスが開始されるまでの数か月の間,アニフリがどのような進化を遂げていくか,注目していきたいと思う。(ライター:大陸新秩序)
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