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「ネオスチーム」に待望のRvRが実装。テストサーバーでのトライアルテスト体験レポート
2007/02/08 18:10
城攻めの場面。城門を攻撃して突破し,その奥にそびえる城内のスチームコアを破壊するのだ
 2月9日に,大型アップデート「RvR STEAM WARS」が実装される予定の「ネオスチーム」。これに先がけ,2月2日から4日までテストサーバーで実施されていたトライアルテストに参加したので,その模様や基本的なルール,楽しみ方などをお伝えしよう。
 また本作では,エフェクト関連の最適化などを行い,描画速度を最大30%改善した,最適化クライアント第2弾が,2月6日に実装されている。プレイヤーはパッチをダウンロードして,RvR正式スタートに備えておこう。



■レベル50以上で行ける土地「ロフアイル」で二国が激突!

飛行船ゼプルリーン。これを利用することで,RvR用のフィールドがあるロフアイルへ移動できる
 本作には現在,エルフ族による,魔法の力を中心に築かれた「エリアッド王国」と,ポム族による,技術力を中心に築かれた「ログウェル共和国」の二国が実装されている(獣人族による,自然崇拝を中心に築かれた「タクシャン」は未実装)。
 これまでも,敵国に侵入したときに,敵国(防衛)側から攻撃を仕掛けてくれば戦闘できたり(侵入側の無差別なPKは行えない仕組み),PvPを楽しめるコロシアムなどがあったりしたが,今回実装されるRvR用フィールドでは,敵国のキャラクターならどちらからでもバンバン攻撃できる。

 本作におけるRvRは,「ロフアイル」というどの国家にも属さない土地で繰り広げられる。ロフアイルは,レベル50以上になり,さらに資格を満たすことで利用可能になる飛行船「ゼプルリーン」で移動できる土地だ。ここでしか,武器の使用などでキャラクターが消費するエネルギー「ネオスチーム」を採取できないという設定になっており,この重要な資源をめぐって二国が激突しているというわけである。
 なお,ロフアイルの全域が戦争地域(RvRエリア)というわけではなく,RvR専用のフィールドが用意されている。案内人のNPCに話しかけて戦争地域まで送ってもらうと,そのすぐそばに“結界石”という一種のゲートがある。そこを抜けると,RvR用のフィールドとなるのだ。戦争地域以外では,かなり高レベルのモンスターが出現する。見かけたなかには,レベル60以上のモンスターもおり,中〜高レベルのプレイヤーが楽しめる冒険フィールドにもなっている。

左:案内人。所属国によってもちろん異なる。エリアッド王国で参戦したので,NPCはパンカツだ 中央:これが結界石。ここを越えると戦場となる。いきなり戦闘のまっ只中に出ていくわけではないのでご安心を 右:結界石を抜けたところ。ここは本陣ともいえる場所なので,そうそう敵が攻めてくることはない


■RvRは三つの城の争奪戦

RvR用のフィールド「戦争地域」のマップ。エリアッド王国は右下,ログウェル共和国は左下がスタート地点
 RvR専用フィールドの全景は,ゲーム中のマップ画面を開いて確認できる。エリアッド王国の陣営は,「幻滅の峡谷」「青血脈の谷間」「空虚のエコ峡谷」。ログウェル共和国は,「未明の分かれ道」「鋼の地平」「血闘の回廊」の,それぞれ三つの地域。また,「獅子の峡谷」は,永久交戦地域となっている。

 これらの地域を拠点に,マップ中央付近に建っている「ガメディス城」「キリエン城」「ラングディル城」の,三つの城を奪い合うのがRvRの目的だ。RvRは毎週決まった日時に行われる予定で,終了時点で所有している城の多いほうが勝利となる。
 城は,城内の最も奥まった位置にある“スチームコア”を破壊することで陥落させたことになり,所有権を奪えるのだ。しかし,スチームコアまで到達するには,堅牢な城門を破壊して城内に突入し,その中央へ向かわなければならないので,破壊は容易ではない。道中では何十人もの敵軍のプレイヤーが戦いをしかけてくるだろうし,防衛兵器も攻撃してくる。壮絶な戦いが展開されるというわけだ。

 また,RvRフィールド内では,専用ルールが適用される。キャラクター死亡時は,エリアッド王国所属なら“青血脈の谷間2”地域,ログウェル共和国なら“鋼の地平1”地域に復活する。このほかにも,パーティメンバーの召喚は,RvRフィールド内にいるメンバーだけに制限されたり,テレポートの位置保存を行えなかったりする。ただし,RvR開催中は,他国のプレイヤーとの戦闘で死亡しても,経験値が−5%となるデスペナルティはないので,遠慮なく戦おう。また,モンスターによって死亡した場合のデスペナルティもない。

 さらに,RvR中に城を所有している場合,一つの城につき,「経験値上昇+3%」「獲得ゴールド上昇+5%」「ネオスチーム配給量+1500」「アイテムリフォーム費用−3%」が特典として与えられる。また,各城にはそれぞれ高レベルのモンスターが出現する古代ダンジョンがあり,その城を所有している陣営のキャラクターのみが入れる仕組みとなっている。

左:ログウェル共和国陣営のガメディス城を攻めるエリアッド王国のキャラクター達 中央:スチームコア。スチームコアの攻撃担当と,そのキャラクターを敵の攻撃から守る担当など,大勢で役割分担しないと破壊は難しい 右:キャラクター死亡。でも,デスペナルティはないので,安心して戦死してよし!?


■味方を有利に導く施設を建設できる「ブロックシステム」

瞬時に移動できる移動キャノン。きっとものすごい勢いで砲弾となって飛んでいくに違いない
 本作のRvRは,フィールド上に各種施設を設置できる「ブロックシステム」が特徴的だ。戦闘は苦手でも,施設(ブロック)の建設という形で味方に貢献できるのが嬉しいところ。ブロックは大別して,「ビッグブロック」「フィールドブロック」「ライトブロック」の三種類に区分される。

 ビッグブロックはどの職業でも建設可能で,移動用のもの,防衛用兵器,攻城兵器などがあり,建設費用(ゴールドと,RvRゾーンでのみ採取できるエナジーストーン)を多量に消費する。
 まず移動用だが,「移動キャノン」「スチームバルーン」の二種類がある。前者は,特定の地域へ瞬時に移動できる(砲弾のように打ち出すという設定らしい)というもので,後者は一般フィールドでも移動手段としてお馴染みの気球だ。また,「移動キャノンキャンセラー」という,敵陣営のこれら二つの移動手段を使えなくするブロックもある。
 攻撃用ブロックは,「アドバンスベース」「爆撃ゼプルリーンステーション」の二種類。前者は,後述する攻城兵器に搭乗するための施設で,施設をアップグレードすると搭乗できる兵器の数が増え,ネオスチームの充電も可能となる。後者は,爆撃用の「ゼプルリーン」を召喚し,特定地域の敵に被害を与えるというもの。こちらもアップグレードが可能で,アップグレードによってゼプルリーンを長時間召喚できるようになる。
 そして防御用ブロックが「防御キャノン」だ。城壁の上に設置できる砲台で,近づいてきた敵を自動的に攻撃する。こちらもアップグレードによって,破壊力を上げられる。
 今後は,着地時に数秒間スタン状態になるが,敵国の城へ直接突入できる「攻城用移動キャノン」も用意される予定だ。なお,これらの施設を建設すると,所属陣営に対する貢献度を獲得できる。

 残りの二つ,「フィールドブロック」と「ライトブロック」は,建設できる職業が限定されている。フィールドブロックは,エリアッド王国の場合はエンジニア,ログウェル共和国の場合はアニメーターだけが建設できる,強力な防御塔である。ブロックフィールド上か,城に建設できる。条件として,スキル「フィックスギアー」を修得している必要があり,建設時間は1分,維持時間は2時間だ。
 また,同じ技術系の職業の,スミス(エリアッド王国)とアーティファクトメーカー(ログウェル共和国)が,スキル「トリムストーン」を修得していれば,もう一つの防御塔ライトブロックの建設が可能だ。こちらはRvRフィールドならどこでも建設でき,建設時間は30秒,維持時間は2時間となっている。
 これらのブロックは建設したプレイヤーの所有物となり,一人につき一つだけ建設が可能。この塔が敵を倒すなどして活躍して得られる国家貢献度は,建設したプレイヤーのものになる仕組みだ。

左:移動キャノンキャンセラーは,敵国の移動キャノンとスチームバルーンでの移動を妨害するブロック 中央:アドバンスベース。攻城兵器,防衛兵器などに乗れるようになるので,これを設置するのは必須 右:爆撃ゼプルリーンステーション。敵の城に味方が突入する前に,まずは援護射撃として爆撃を実施しよう


■巨大な攻城兵器に搭乗して城門を破壊せよ!

 次は,攻城兵器について。残念ながら自分で操作する機会がなく,また,すべての種類を目撃できたわけではないのだが,とにかくスケールが大きいのが特徴だ。元々,本作には巨大モンスターがいるので,大きさ自体はそれほど珍しくはないかも知れないが,これだけのサイズの乗り物を操縦できるとなると,また話は別である。RvRの正式サービスが始まった暁には,ぜひとも一度は乗ってその破壊力を堪能してみてほしい。

 用意されている攻城兵器は三種類。主に城攻めで活躍するのが,非常に高い攻撃力と防御力を誇る「ロックブレイカー」(エリアッド王国)と,「デストロイヤー」(ログウェル共和国)だ。機動力がないので,ドンと構えて,城門などを攻撃するのに向いている。両国それぞれ,二台ずつ保有している。
 そして,ブロックの攻撃用に向いているのが,「ウォーターキャノン」(エリアッド王国)と,「キャノンタンク」(ログウェル共和国)だ。両国4台ずつ所有。
 最後に,通常のプレイヤーキャラクターを攻撃するときに高い効果を発揮するのが,「バーニングアタッカー」(エリアッド王国)と,「スチームキャノン」(ログウェル共和国)だ。これは,城門前など,敵キャラクターが集中しているところに出向くのもいいし,城攻めに随伴し,敵国の防衛部隊をなぎ払うのに使ってもいいだろう。こちらは両国6台ずつの所有である。

 攻城兵器に搭乗すると,パーティから自動的に脱退したり,自分のプレイヤーキャラクターのスキルが使えなくなったりするほか,バフやデバフがかからなくなる。その代わりに,攻城兵器の能力を使えるようになる。搭乗するチャンスがあったら,ぜひ大暴れしてみてほしい。なお,搭乗時に,ブロック建設と同様にエナジーストーンとゴールドを消費する点はしっかり覚えておこう。

左:右にいる大きいものが,攻城兵器では最大の攻撃力と防御力を誇るロックブレイカー(エリアッド)。左奥には,ウォーターキャノンの姿も 右:少々分かりにくいが,画面中央にある焦げ茶とオレンジ色の大きな塊は,バーニングアタッカーの脚部


■ブロック建設や味方の援護など,貢献の仕方は複数あり

本陣には,魔法使い達が待機。戦死して復活してきた人達の少ない体力をすぐさま回復してくれる
 城門前など,多くのキャラクターが集結している場所では,混雑時は敵味方を合わせて軽く50名を超えるため,さすがに動作はかなり重く感じた。これは筆者が,グラフィックス表示関連の設定をすべて最高にしていたことも理由だろうが,できればもう少し改善してほしいところ。なお,テスト終了後の2月6日には,エフェクト関連を最適化し,最大30%程度の描画改善を施した最適化クライアント第2弾が実装されているので,これによってより快適になっているかもしれない。

 本作でRvRを楽しめるのは,なにも前戦だけではない。例えば,前戦で戦っていたキャラクターが死亡したときに復活地点で体力を回復してあげたり,バフをかけたりする,魔法使い系職業による補給係的な役割がある。また同じ回復役でも,ある程度前戦へ赴き,やや後方から味方を援護するという,少々危険を伴う衛生兵的な活躍の仕方もあるだろう。
 これ以外にも,ブロックの建設や,エナジーストーンの採取といった生産的な仕事もある。また,RvR用マップの上で確認できるとはいえ,敵のブロックがどこに建設されたか,そしてその警備状況はどうか,といったことを直接調べて報告する,偵察という仕事もある。同様に,味方ブロックへの敵の攻撃を監視するという仕事もあるだろう。役割は,いくつもあるのだ。

 本作のRvRは,レベルの高いプレイヤーだけが活躍できるというわけではなく,貢献の仕方が複数あるので,自分なりの楽しみ方を見つけやすい。一つの目的に向かってみんなで戦っている中,どんなに小さなことでも貢献できるというのは,冒険するのとはまたひと味違った楽しさなので,RvR未体験という人は,ぜひとも楽しんでみてほしい。(ライター:デイビー日高)

左:少々分かりにくいが,奥に二つ並んでいる円が,ブロックを建設できる場所だ 中央:エナジーストーンを採掘するのも味方の支援の一つ。エナジーストーンはブロック建設に必須なのだ 右:この人数でも,もう少し最前線に近づくと,ほとんど操作不能の状態に……。最高画質でのプレイだったというのはあるが,もう少し軽くしてほしいところ

ネオスチーム
■開発元:Mars Team
■発売元:ハンビットユビキタスエンターテインメント
■発売日:2006/10/19
■価格:無料(アイテム課金)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2007.02/20070208181052detail.html