[TAIPEI 2007#09]カードで戦うモノポリー型三国志ゲーム,Userjoyの「三国群英大富翁」
台北ゲームショウのなかでも見どころの多いブースの一つといえる,Userjoy Technologyブース。そこで「Angel Love Online」の最新アップデートに次いで大きく宣伝されていたのが,パッケージソフトの新作「三国群英大富翁」である。 台湾製ゲームでよく見かける「大富翁」とは,そもそも人生ゲームタイプのゲームを指す。サイコロを振って出目の数だけ進むことを進行の核に据えた,ボードゲーム的作品ということだ。そこで三国志をモチーフにした本作は,どのようになっているのだろうか? 順を追って説明していこう。
本作で選べる国は4種類。いや,3国じゃないの? とツッコんでみたところ,おなじみの魏・呉・蜀に袁紹勢力を示す「袁」を加えて4国なのだそうだ。まあ確かにマルチプレイヤーゲームとして3人までというのは少々寂しいので,これはこれで適切だろう。 4国にはそれぞれ実在の君主ないしその周辺の人が男性キャラ,女性キャラ一人ずつ用意されている。この人がコマとなって,出目に従って盤上を進むのである。ただし後述するように,上がりを目指してひたすら進むわけではない。コマはカードで表された将軍達を引き連れており,特定のマスに止まることで戦が起きる。その戦でライバルの軍を倒して,ライバルキャラのHPをゼロにするのが,基本的な勝利条件なのである。
地図上のマスにはイベントが割り当ててあり,イベントは大きく分けてお金関係,アイテムカード関係,チャンス/アクシデント関係の3種類が用意されている。コマには所持金が設定されていて,それが増減するイベントや,所持金でアイテムカードを購入できるイベント,そして,アイテムカードや将軍カードを得たり失ったりするイベントが,随時起こるのだ。 一度自分のコマが止まったマスは自軍の占領地となり,そこにライバルが止まると,所持金やHPなどにペナルティが課される。このあたりの考え方は,ボードゲームの「モノポリー」に近いだろう。占領地には配下の将軍カードを置いていくことが可能で,そこに相手が踏み込むと戦が起こる。
戦は互いに3人の将軍を出して,それぞれ1対1で戦わせ,勝利の数が多かったほうの勝ちとなる。将軍には武力と知力の数値が設定され,起きた戦が知力戦か武力戦かによって,敵将との比較/勝敗判定に使われる側が変わる。 そしてその戦には,双方1枚ずつのアイテムカードが利用できる。これは主に,味方の将軍の能力をカサ上げするものだ。名剣のカードなら,戦に参加する全味方武将の武力が上がるし,百科事典「太平御覧」のカードならば知力が上がるといった具合だ。 うまくライバルのコマの先を行き,要所に自軍の武将を配置するのが,ライバルのHPを削る最良の策である。マップによっては,特定のコマにいる軍を撃破することでクリアできるものなどもあって,そのために分岐点でうまく進路を選ぶ必要も出てくる。また,そのマスぴったりに止まるためにアイテムカードを使ったり,そのマスの周辺に自軍の武将を駐留させて邪魔したりと,いろいろ手が考えられるわけだ。
戦を含む各種イベントでは可愛らしい3頭身のキャラクターがアクションを見せてくれるし,そのアクションも含めて非常にテンポよく進む。IPを指定してのLAN対戦もサポートしているので,仲間内でわいわい遊ぶには,なかなかよいアイテムのような気がする。台湾での発売は2月12日で,価格は399NT$(約1500円)。いまのところ台湾以外での販売は決まっていないそうだが,中国(中華人民共和国)はもちろんのこと,日本でも多くのゲーマーが「えー,○○が△△に負けるか? 普通」とか言いながら,楽しめる作品だと思う。どこか日本語版を出さないだろうか?(Guevarista)
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