80★PAN!が“ゲームの女王”に。「ダンシングパラダイス」とのタイアップも決定
左から,奥菜真子さん,小笠原朋美さん,大空さやさん
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本日(3月26日),原宿にあるKDDI DESIGNING STUDIOにおいて,ガールズロックユニット「80★PAN!」(ハレパン)が6月6日(水)に発売する,2ndアルバム「8 Carat Princess」の発表記者会見が行われた。
80★PAN!……? このユニット名を初めて見た人も多い……いや,初めて見る人がほとんどのはず。それもそのはず彼女らは,これまで「ハレンチ☆パンチ」という名前で活動していたのだ。4Gamerでは2005年10月,彼女らの「恋は課外授業」という楽曲が,MMORPG「ローズオンライン」(現 ローズオンライン エボリューション)のイメージソングに採用されたというニュースをお伝えしたことがあるので,記憶している人もいるかもしれない。
そんなハレンチ☆パンチあらため80★PAN!が発売する2ndアルバムは,収録される8曲すべてがゲームのタイアップ付きというもの。こういったこともあり,本日の会見では,タイアップタイトルの紹介が行われただけでなく,最後にはハドソンの高橋名人から「ゲームの女王」認定証の授与も行われた。
■ハレンチ☆パンチあらため80★PAN!とは?
会見の模様を紹介する前に,まず,80★PAN!について簡単に説明しておこう。すでに80★PAN!のことを知っている人は,この項を飛ばし,次の項からチェックしてほしい。
80★PAN!は,ボーカルの小笠原朋美さん,ラップの奥菜真子さん,ギター&コーラスの大空さやさんの3人からなるユニットで,2005年8月24日に「白線〜スタートライン」(ドラマ「新キッズ・ウォー」エンディングテーマ)でデビュー。以後,ゲームやアニメのタイアップなどが付いたシングルを3枚リリースし,2006年9月13日には1stアルバム「DokiDoki!ファースト☆パンチ」を,同年10月11日にはビデオクリップ集「DokiDoki!ファースト☆DVD」を発売するなど,順調に活動をしてきた。
ライブに積極的な取り組みを見せているのも特徴で,今月は六本木のmorph Tokyoで合計3度のライブを開催。2007年は「ロック宣言」をしたということもあり,ライブ時のセットリストも新曲を含めアップテンポのものを中心とした構成で,集まったファンを熱狂(そして終盤にぐったり)させてきた。
あくまで私見だが,このロック宣言の端緒となったのは,DokiDoki!ファースト☆パンチに収録された「HONEY MARMALADE」ではないかと思われる。これまでの音楽性が,ポップなミクスチャー路線だったのに対し,今回発表されたアルバムに収録される新曲は,ロック色が強まっている。これは,イベントなどでたびたび共演してきたテクノポップアイドルユニット Perfumeが,リリースを重ねるごとにテクノ濃度を高め,フロア色を強めていることと対象的だ。
そんな彼女らが,ハレンチ☆パンチとして最後にファンの前に立ったのは3月24日(土)のこと。事前から当日に“重大発表”があることをにおわせていたのだが,その重大発表の内容こそが改名であった。 実はこの発表も,本来は本日の会見で初めて行われる予定だったもの。だが,これまでハレンチ☆パンチを応援してきたファンにだけは直接伝えたいとのメンバーの意向により,会見に先立って小笠原さんの口から語られた(ただし,会見が行われるまでは口外しないでほしいという約束付きで)。
そのときの小笠原さんの胸には,おそらくデビューしてから20か月のさまざまな思い出が去来していたのだろう。時折,嗚咽混じりに改名に対する思いを語りながら,「賛否両論あると思うけど,みんなとつないできた絆だけは絶対に変わらないものだと信じています」と結んだ。 その間,決して広くはないフロアに密集したファンが,小笠原さんの言葉を聞き漏らすまいとして,息を凝らすかのようにステージを注目していたのが印象的だった。 そして,アンコール最後の曲(同時に,ハレンチ☆パンチとして最後の曲)「ワカチアイタイ奇跡」が演奏されると,場内から「ハレパン」コールがわき起こった。その声を背に受けながらしゃがみ込んで立ち上がれずにいた小笠原さん,それを泣き顔で,それでも笑いながら抱え上げるかのように立ち上がらせようとする奥菜さん,その脇で静かに微笑む大空さんを見ていると,この3人の絆,そしてこの3人とファンとの絆が盤石であることがうかがえた。
終演直前には,「僕達はハレンチなことにパンチするんだ!」というお約束の決めポーズを披露。ただしこのときばかりは「僕達はハレンチなことにパンチしたんだ!」という完了形になっていた。つまり,このポーズも3月24日をもって封印ということだったのだろう。彼女達はこうして,ハレンチ☆パンチに別れを告げ,80★PAN!として進む決意をあらわにしたのである。
■アルバム収録曲は3月27日から1曲ずつ着うた配信決定
右から,伊集健二氏(ノイズファクトリー),山本大介氏(ハドソン),東風輪敬久氏(アイディアファクトリー),杉山楠知氏(ハドソン),林 高生氏(エイチーム),清 竜也氏(キューエンタテインメント),島嵜直樹氏(ネクソンジャパン)
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さて,前置きが異常に長くなってしまったが,ここからは会見の模様をお伝えしていこう。 80★PAN!のニューアルバム,8 Carat Princessは6月6日に発売予定。前述のとおり,収録される楽曲は8曲すべてがゲームのタイアップ付きである。これについて小笠原さんは,
「私達のテーマは,“いつも明るく,たくさんの方に楽しんでもらう”ということです。今回タイアップするゲームは,老若男女みんなが楽しめるというコンセプトですので,これは私達と同じです。そのため,今回のコラボレーションを嬉しく思っています。アルバムには,アップテンポな曲からしっとりした曲まで,いろいろな曲が詰まっています。実際にゲームを見たり遊んだりして,ゲームに合わせた歌詞を書いていますので,ぜひ歌詞にも注目してください」
と語った。
なお,収録曲およびタイアップタイトルと,各タイトルのプロデューサー,そして小笠原さんからのコメントは,以下のとおりだ(曲順は未定)。
●「期待値シャイニング」/ニンテンドーDSソフト「おんたま♪おんぷ鳥へん」テーマソング(ノイズファクトリー)
伊集健二氏「ゲームの内容にもぴったりの,いい曲だと思います。アップテンポな曲で,ゲームをやっているうちに,お子さんとお母さんで踊りたくなるような曲です。80★PAN!の3人の方にもCMに出演していただきます。なお,ゲームを進めていく中で,期待値シャイニングのほかにボーナストラックとして未発表曲を収録しています。そちらも楽しみにしてください」
小笠原さん「爽やかな爽快感溢れる曲なので,このゲームに出てくるおんたま君達とぴったり曲も合わさって,楽しいんじゃないかなと思います。CM撮影はレコーディング期間中だったので短時間だったのですが,楽しんで撮影できました」
●「MONSTER DRIVE」/ニンテンドーDSソフト 「エレメンタルモンスター」主題歌(ハドソン)
山本大介氏「初心者も簡単に遊べるシンプルなゲームですが,上級者でも奥深いかけひきが楽しめます。全国のプレイヤーとWi-Fi対戦も可能です」 小笠原さん「この曲はライブでもお馴染みの曲になっているので,このゲームを一緒に盛り上げていけるんじゃないかと思っています。MONSTER DRIVEの詞は,“自分の道を切り開いていこう”,そのためにまず,“自分の心を強く持とう”という内容になっています」
●「謎」/Xbox 360ソフト「アブソリュート ブレイジング インフィニティ」主題歌(アイディアファクトリー)
東風輪敬久氏「ゲームがクールでかっこいい印象なので,この曲のクールでテンポの速いイメージを意識して,オープニングムービーを制作しました」 小笠原さん「私達の曲は,アップテンポでメジャーキーのものが多いのですが,今回はマイナーキーに挑戦してみようということで,今までにない曲になっています」
●「キラキラ」/Xbox 360ソフト「ジェネレーション オブ カオス デザイア」主題歌(アイディアファクトリー)
東風輪氏「アイディアファクトリーでは以前,『リバース ムーン』というタイトルで,ハレンチ☆パンチさんの『メガホン』という曲を使用させていただいたことがあり,非常に良い反響が得られました。ゲームに凄くマッチした曲を作っていただいてきていますので,今後も積極的に使わせていただきたいと思っています」 小笠原さん「自分達の人生をもっとキラキラさせていきたいという曲なんですが,これも最近ライブで演奏するようになって,これからライブに欠かせない曲になっていくと思います」
●「BOMBER GIRL」/EZアプリ「対戦☆ボンバーマン24」大会公式ソング(ハドソン)
杉山楠知氏「メロディも歌詞も凄くキャッチーで,プレイヤーに喜ばれるのではないかと思います」 小笠原さん「爆弾を仕掛けて相手を攻めたり逃げたりという,対戦相手の駆け引きがボンバーマンの面白さだと思います。そこでこの曲では,女の子の恋の駆け引きなんかも取り入れてます……ほぼ恋の駆け引きですけど。凄く可愛らしい楽しい気持ちが入った詞になっています」
●「さよならから始まる僕の eternal memories」/EZアプリ「Eternal zone online」(エイチーム)イメージソング
林 高生氏「ゲーム内のとあるステージの中でこの曲を使わせていただいているのですが,ゲームの雰囲気とばっちり合っています。こんなにいい曲とタイアップさせていただいて,ありがとうございます」 小笠原さん「メーカーの方から直接そう言ってもらえると嬉しいです」
●「GREED IT」/携帯アプリ「ルミネスモバイル」タイアップソング(キューエンタテインメント)
清 竜也氏「“ミュージックパズル”であるルミネスでは,この楽曲をBGMにパズルを楽しめます。背景も80★PAN!さんの画像を使用可能です。サウンドエフェクトもこの楽曲に合ったオリジナルのものを作っています」
●「CARRY A NEW WORLD」/PC「ダンシングパラダイス」タイアップソング(ネクソンジャパン)
島嵜直樹氏「ダンシングパラダイスは,オンラインゲームでは非常に珍しく,女性のプレイヤーが半数を占めているタイトルです。無料で遊べますので,皆さんに遊んでいただければと思います。まだ曲は制作中ということで,全部は聴けていないのですが,非常に期待しています。この曲は,6月7日からプレイ可能になります」 小笠原さん「ようやくレコーディングも終わり,完成しました」
なお,この会見の終了後,島嵜氏に今回のタイアップの理由を聞いてみたところ,「ダンシングパラダイスがターゲットとしている10代後半から20代前半の女性層に,彼女達が属していることで,親和性が高いと考えた。もちろん,彼女達のファンにもダンシングパラダイスで遊んでほしい」と答えてくれた。 これまで同作では,エイベックス所属アーティストの楽曲を積極的に採用してきたが,80★PAN!の所属レコード会社はビクターエンタテインメント。だが,今回のタイアップはレーベルということではなく,あくまでも80★PAN!とのタイアップであり,ビクターエンタテインメント所属アーティストの楽曲を今後も採用すると決定しているわけではないようだ。
ちなみに,アルバムに収録される楽曲はMONSTER DRIVEを皮切りに,明日(3月27日)より毎週1曲ずつ,着うたとして配信されるとのこと。
■ハレンチ☆パンチから80★PAN!へ。4月16日にはライブも
タイアップタイトルの紹介が終わると,KDDI コンテンツ・メディア事業本部 コンテンツ・EC本部 コンテンツ推進部長 竹之内 剛氏が登壇。今回のアルバムのコンセプトから,80★PAN!の3人を“ゲームの女王”と認定し,ティアラを贈呈すると同時に,auのEZチャンネルで新設されるゲーム専門チャンネルのMCとして彼女達を起用することを発表。そして,もう一つの“何か”を,近日発表することをにおわせた。 KDDIとしては,着うたの配信,EZアプリでのゲーム配信,ひかりoneでのPCオンラインゲーム配信という形で,同社が持つプラットフォームをフル活用して今回のアルバムをバックアップしていくとのこと。 これを受けて小笠原さんは,「次は,LISMOのCMを狙っちゃおうかなと思っています」と宣言。その後,ハドソンの高橋名人から,ゲームの女王の認定証授与も行われた。
そして会見の最後には,小笠原さんの口から,ハレンチ☆パンチから80★PAN!への改名が正式に発表された。これについては,小笠原さんの言葉をそのまま採録することにしよう。
「実は,今日からハレンチ☆パンチは改名することになりました。それは,80★PAN!です。子供が大人になっていくように,アーティスト名も日々進化していってもいいんじゃないかと思っています。ハレンチ☆パンチがデビューしてから20か月,コンセプチュアルユニットとしていろいろな人と出会い,いろいろなことを学んできた中で,これからアーティストとして表現したい音楽というものが出てきました。今回のアルバムには,表現したいものをギュッと詰め込むことができたと思っています。これからはハレンチ☆パンチというコンセプトを脱ぎ捨て,もっともっとパワーアップしてけたらいいなと思っています。それが,“80★PAN!の80★PAN!流進化論”だと思っています。今までも『ハレパン』と呼んでもらってきたので,そんなに大きな変わりはないと思うのですが,もっと親しみやすく,私たちがやりたい音楽を表現しやすくなるんじゃないかなと思っています」
とのことである。 前述のように,3月24日に小笠原さんはこのことをファンに向けて,涙ながらに語っていた。そこには,さまざまな想い,決意があったであろうことは,容易に想像できる。成長していく過程で,新たに見つけた掴みたいもの。それを掴むために,捨てなければいけないもの。今よりも一歩前に進むために何が必要なのか……。さまざまな葛藤の末,今回の改名に至ったとみるべきなのだろう。
なお,80★PAN!としては,4月28日(土)にでLIVE-BAR The DOORSにて,「80★PAN! loves Mi」という対バン形式のライブが予定されている。 チケットの詳細などは,80★PAN!の公式サイトでチェックしてほしい。これまで彼女達を応援してきたファンにとっても,さまざまな思いがあるだろうが,まずはこのライブを見て,彼女達が目指しているものの一端に触れてみてはいかがだろうか。(TeT)
小笠原さん「ハレンチ☆パンチあらため80★PAN!,これからもどんどんどんどん前を向いて進化していきたいと思いますので,皆さんよろしくお願いします」 奥菜さん「80★PAN!になって,新しいスタートラインに立ったということで,さらにバージョンアップしてがんばっていきます」 大空さん「さやの好きなプリンがクリームブリュレに変身するぐらいがんばっていきますので,成長を見ていてください」
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