「ポピュラス」「テーマパーク」などで知られるゲームクリエイター,ピーター・モリニュー氏が,フランス政府から“Ordre des Arts et des Lettres”(芸術文化勲章)を授与された。 芸術文化勲章は三つのランクに分かれており,モリニュー氏に与えられたのは三番目の「シュバリエ」(騎士)。1957年に制定されたこの勲章は,芸術,文芸の分野で目覚ましい貢献をした個人を対象としたもので,毎年200人ほどに与えられているらしい。資格としてフランス市民である必要はなく,2006年は「マリオ」シリーズなどを作った宮本茂氏をはじめ,3人のゲームクリエイターに芸術文化勲章が授与されて話題になった。
ゴッドゲームの生みの親として知られるモリニュー氏は,これまで片手では数えられないほどの個性的なタイトルをベストセラーリストに送り込んでいる,PCゲーム業界有数の著名人であり,今回の叙勲はもっともなことだろう。 とはいえ,最近は大ヒット作に恵まれず,また自らが設立したLionhead StudiosがMicrosoftの傘下に入ったことも記憶に新しい。E3(Electronic Entertainment Expo)の常連でもあるが,昨年はメディアに「何も見せるものがない」と語らなければならない状態だった。現在,モリニュー氏はXbox 360用の「Fable 2」の開発に精を出しているが,今回の叙勲がその追い風になってくれれば嬉しい話。PC版もよろしくお願いしたりして。
優秀なゲームクリエイターを何人も輩出している日本で,その中の誰かが文化勲章をもらったなどという話を聞いたことがないことを考えると,彼我の文化の差は明白かもしれないってのは,言わずもがなでしたかね。(松本隆一)
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