EA,中国の大手ゲームパブリッシャの株を大量取得?
もともとは,4月9日,中国政府のオフィシャルな証券紙「Shanghai Security News」に,「アメリカ最大手のパブリッシャ Electronic Artsが,2000万ドルを投じて中国のオンラインゲーム運営会社であるThe9(第九城市)の株式の19%を取得した」と報じたことがこんかいのちょっとしたドタバタの発端だ。 EAは,すでにPogoブランドで「Tales Runner」(テイルズランナー)の中国国内サービスを開始しており(関連記事),ゆくゆくは中国に大規模なスタジオを作ってゲームを開発していくとしている。そのため,その国内向けパートナーとして中国ゲーム業界第2位のThe9を選んだのだろうと予想された。The9は現在,Blizzard Entertainmentの「World of Warcraft」を中国国内で展開しており,報道によるとWoWのサービスは継続しながら,カジュアルおよびスポーツといったEAブランドのゲームのオンラインサービスを行うとのことだった。 しかしその報道の直後,EAの広報担当者であるJeff Brown氏が「我々はThe9といかなる合意にも達していない」と発表したため,話はちょっと混乱する。それ以上の質問に対してBrown氏は,噂や見込みの話にコメントはできないとしたため,過去,実際にそうした交渉があったのかについては不明。現在のところ,The9からもなんの発表もないようだ。
ただ,報道の直後,The9の株価は9日の終値で10%以上上昇し,市場がこの提携を歓迎したことは間違いなさそうだ。アナリストもこれを好材料と見ており,今後,EAがさらにオンライン市場に投資することは間違いないとする意見もある。 今回の話がただのお騒がせだったのか,それともそうでないのかは今のところ分からないが,今後の急成長が見込める中国オンラインゲーム市場に,我々ゲーマーだけでなく,さまざまな業界から熱い視線が注がれているのだけは間違いなさそうである。(松本隆一)
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