「Second Life」,オープンソース化をめぐり揺れるLinden Lab
Second Life
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ネット上の仮想世界で自由気ままに暮らせる「Second Life」。実在する歌手がコンサートを行ったり,大学の講義が開かれたりと,その自由度の高さを生かし,さまざまな活動がSecond Life内行われている。そんなSecond Lifeのデベロッパ/パブリッシャであるLinden Labが今,揺れているようだ。
海外の情報サイトInformationWeek.comにLinden Labの広報担当者が語った情報によると,Second Lifeのサーバーをオープンソース化する計画があるという。実現すれば,理論的には誰でもオリジナルバージョンのSecond Lifeを運営できるようになるわけだ。
同社の収益の大半が,Second Life内での土地売却と,土地の所有者などに課した税金,Linden Dollarの売買から生まれているということを考えると,そのビジネスモデルを脅かす可能性があるオープンソース化を,単純に進めるとは考えづらい。
InformationWeek.comは,オープンソース化されたとしてもLinden Labは,Second Lifeの運営を他社に任せ,Second Life内でのビジネスや,Second Life内で商売をしている/始める他社のコンサルタントなどで収益を上げられるのではないかと推測している。
おそらく,同じようなことをLinden Labが考えている可能性は高い。同社の副社長を務めるJoe Miller氏も,3月28日と29日にニューヨークで行われたVirtual Worlds 2007では,オープンソース化を示唆する発言をしていたという。だが,その一方で同氏はサーバーのオープンソース化は決定していないとし,Second Lifeのコードを他社へライセンスする計画もあると,InformationWeek.comにコメントしていた。
無料で登録できる(有料メニューもあるが)Second Lifeは,このままプレイヤーが増えていけば,それに比例してメンテナンスコストが増していく。現状のままであれば,同社の収益幅は頭打ちとなるだろう。また,実在する企業が製品プロモーションにSecond Lifeを利用する機会なども増えており,その社会的な責任は高まっている。
InformationWeek.comが推測するように,オープンソース化したとしても収益を上げる方法はある。その新しいビジネスモデルがもたらす可能性がある利益と,予測は立てやすいが頭打ち傾向にある利益とを,天秤にかけている中で上述した広報担当者やMiller氏の発言は生まれたのだろう。 正式な発表は行われていないが,こういった経緯を考えるとそう遠くないうちに,なんらかの動きがあってもおかしくはない。Linden Labが打つ,次の一手に注目したい。(noguchi)
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