世界注目のタイトル「Spore」の発売日が大幅延期か
泣く子も大喜びするゲームデザイナー,ウィル・ライト氏が開発中の「Spore」。日本でも世界でも注目されるライト氏の新作シミュレーションだが,どうやら(またまた)発売が遅れるらしいとアメリカのゲーム情報サイト,GameSpotが伝えている。 記事によれば,この2月にElectronic ArtsのCEOに就任したJohn Riccitiello氏が,「Sporeは2008会計年度には発売されないだろう」と語ったとのこと。2008会計年度は2008年3月31日までなので,ぶっちゃけ,今年のリリースはないというわけだ。しかも発売日は,2008年の第4四半期,もしくは2009会計年度(つまり2009年3月31日)まで延びるかもしれないとも語っており,“数か月の遅延”といったレベルではないようだ。 Riccitiello氏は延期の理由について「Quality Control」を挙げ,「The Sims 2」(邦題 ザ・シムズ2)のようなマルチプラットフォーム展開も視野に入れていると付け加たが,噂のDS版Sporeについてのコメントはなかった。 こんなに遅れると,「もしかしてこのまま……」などという悪い予感も頭をもたげてしまうが,それは,今年夏〜秋に集中するゲームショウ,例えばElectronic Entertainment Expo(E3)や,Games Convention(GC)などでの展示状況を見ればいくらかはっきりするかもしれないので,4Gamerのレポートをぜひ楽しみにしていただきたい。
……という上の記事を読んで「あれ,EAのCEOって交代したの」と思う熱心なEAウォッチャーも,まあそんなにいないかもしれないが,いるだろう。そう,16年間続いたLarry Probst体制は2007年2月に終わり,新しいCEOが就任しているのだ。新CEOであるJohn Riccitiello氏は,これまで社長とCOO(最高執行責任者)を兼務していた人物で,それ以前にはCEOも務めていたので,いわば返り咲きの格好。表面的には円満交代だが,その交代劇の理由の一端を覗かせるレポートをアメリカの情報サイト,Game Dailyが伝えている。 それによると,Electronic Artsは2006年第4四半期の実績として2500万ドル(約30億円)の損失を計上している。これは,前年同期の実に3分の1で,連続2期の赤字決算となる。 いつもながら,EAはベストセラーリストに何本ものタイトルを送り込んでおり,収益そのものは向上しているのだが,次世代機への乗り換えなどに予算がかかり,こうした結果になったとしている。CEOの交代もこれとは無関係ではないだろう。デベロッパの買収を繰り返して拡大政策を続けていたEAだが,ここへ来てその方針にかげりが見えてきたようにも見える。ただ,依然として市場の4分の1近くを支配するゲームの巨人であることに違いはなく,今日明日にどうこう,なんてことはまずない。 とはいえ,開発に時間がかかり,予算を食う一方のSporeを見た新経営陣がどう思うか,なんてことを考えるとゲームの行方がちょっと心配になったりして。ぜひライト氏には緊褌一番,がんばってほしい。(松本隆一)
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