GeForce 8800&Vista用の公式βドライバ「ForceWare 158.42 Beta」公開――“GeForce 8でTurboCache”の概要が明らかに
NVIDIAは,同社の運営する情報サイト「nZone」で,「GeForce 8800」シリーズ専用となる「Windows Vista」対応ドライバの公式β版「ForceWare 158.42 Beta」を公開した。32/64bitの両バージョンが用意されており,2007年5月15日1:00PM時点だと,32bit版は多言語対応パッケージ,64bit版は英語パッケージがそれぞれ以下の場所から入手可能になっている。
→32bit版Windows Vista用(多言語対応) →64bit版Windows Vista用(英語のみ)
今回のβ版はあくまでGeForce 8800シリーズ用とされているが,現時点の公式最新版「ForceWare 158.22」で有効化されたGeForce 8ファミリーにおけるTurboCacheについて,英文リリースノート(※クリックするとPDFファイルのダウンロードが始まります)で,少し細かく説明が行われている。それによると,GeForce 8ファミリーでは,メインメモリ容量が2GB以上搭載される場合に,そこから最大767MBがTurboCacheとして割り当てられるという。実際の割り当て容量は,マザーボード側のBIOSが持つメモリ割り当て設定に左右されるため,NVIDIAは関与できないとのことだ。
この件についてNVIDIAに問い合わせたところ,「対応GPUは『GeForce 8600 GT/GS』『GeForce 8500 GT』。そのほか,VBIOSとForceWareが対応している場合に,TurboCacheは有効化される」(※VBIOS=グラフィックスカードに搭載されるBIOS)という回答が得られた。最近,一部メーカーのGeForce 8500 GT搭載カードでTurboCache対応を謳っている例が見られたが,それは“こういうこと”だったようだ。
このほか,GeForce 8800シリーズ用にも関わらず,全般にわたった問題点の修正が行われている。以下,箇条書きでまとめてみたい。
●ForceWare 158.42 Betaで解決した問題(32bit版Windows Vista)- 「GeForce 8800 GTX」搭載環境で,ForceWareのアンインストール後,マルチディスプレイを認識できないことがある問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境でSD解像度のMPEG-2ビデオを再生しているとき,ウィンドウのスケーリングを行うと,画面表示がおかしくなる問題
- 「GeForce 8600」搭載環境で,「拡張されたアプリケーション設定」(Enhance the application setting)から8x AA(=8x CSAA)を選択して,「Lineage II」をプレイすると,アンチエイリアシングが有効にならない問題
- GeForce 8800 GTXあるいはGeForce 8600のNVIDIA SLI(以下SLI)構成時に「3DMark05」「3DMark06」をデフォルト設定で実行すると,画面がブラックアウトする問題
- GeForce 8800 GTXのSLI構成時に,スタンバイからの復帰後にWMV9 HD形式のビデオファイルを再生すると,「Display driver has stopped responding」というエラーメッセージが表示される問題
- 「GeForce 6150/6100」搭載環境で,「MediaShield」がインストールされていると,NVIDIAコントロールパネルでストレージ関連のページを開いたときにクラッシュする問題
- 「Windows Media Player」を利用したWMV形式ビデオファイルの再生品質が低かった問題(※GeForce 8800シリーズ以外でも問題は解決されているとのこと)
- いくつかの画面解像度が選択不可能だった問題(※GeForce 8800シリーズ以外でも問題は解決されているとのこと)
●ForceWare 158.42 Betaで解決した問題(64bit版Windows Vista)- 「GeForce 8500/8400/8300」搭載環境で,ディスプレイ解像度が1920×1200ドットのときに,フルスクリーンで「WinDVD」あるいは「PowerDVD」を実行してビデオを再生すると,画面表示がおかしくなる問題
- GeForce 8800 GTX搭載環境で,NVIDIAコントロールパネルにあるビデオ周りの設定が一部利用できなかった問題
というわけで,劇的な改善が見られるわけではないものの,いくつか重要な問題が潰されているので,GeForce 8800シリーズのユーザーであれば――β版なので,いつも以上に導入が自己責任であることに覚悟は必要であるものの――試してみる価値はありそうだ。 また,GeForce 8800シリーズ以外についての修正点は,今後登場する公式最新版にも継承されるはずなので,Windows Vistaを利用している人は憶えておくといいだろう。(佐々山薫郁)
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