「Ruby」以外のRadeon HD 2000シリーズ用デモを見てみよう
AMDが発表したRadeon HD 2000シリーズは,DirectX 10世代のGPUとして,膨大な描画/演算能力を有している。それらを手っ取り早く確認できるのが技術デモの映像である。デモの目玉となる「Ruby:Whiteout」については,4Gamerでも大きく取り上げたわけだが,それ以外のリアルタイムデモ映像も公開されたので簡単に紹介しておこう。
●Tessellation これはRuby:Whiteoutで使われた技術の一部を抜き出した映像で,ポリゴン分割による地形生成をフィーチャーしたものとなっている。Whiteoutでは,オフラインで生成されていたデータが使用されていたのだが,このデモではリアルタイム生成が行われていることが分かる。 また,Whiteoutでは地形のディテールにはノーマルマップを使用していたとのことだったが,こちらではディスプレイスメントマップを使用と,ちょっと重い処理になっているようだ。
デモを見ると,ポリゴン数などは動的に変更可能で,雪山の稜線やディテールも変わっていることが分かる。積雪の状態もプロシージャルに実現されている。 これまでもN-Patchなど,ATI系のテッセレーション技術は存在したわけだが,このムービーでは基本ポリゴンに対する分割数が膨大で,分割時に隣接ポリゴン間で亀の甲のような六角形が見えることがある。詳細は不明だが,DirectX 10.X世代のテッセレーションはこのようになるのかもしれない。
●Heavy Weapons Guy 「Team Fortress 2」のプロモムービーである「Heavy Weapons Guy」は以前から公開されていたものであるが,それがPCによるリアルタイムデモによるものであることが明らかにされている。 このムービー自体は,さほどポリゴン数も多くなく,プロモーションムービーとしてはいま一つ見映えのしない作品だったのだが,キャラクターの表情の豊かさには特筆すべきものがあった。128個のMorph Targetを使ったというRubyのデモよりも表情は豊かで,劇場アニメやテレビ作品以上のものと自画自賛されているのもうなずけるデキとなっている。これが,ゲーム内でリアルタイムに実現可能なわけだ。 この表情のアニメーションでは,Radeon HD 2000シリーズをサポートしているという。ほかのGPUで動かないわけではないだろうが,Radeon HD 2000シリーズではテッセレーションなどで特別な処理が行われるのかもしれない。この技術は,Sourceエンジンのライセンスで公開されるということなので,今後はこのレベルの表情豊かなリアルタイムゲームが続々登場してくることを期待しよう。
なお,前回のRubyも併せ,今回のデモもムービーのみの公開で,デモの実行ファイルはまだ公開されていない。Radeon HD 2000シリーズを手に入れた人は,もうしばらく待ってみよう。(aueki)
■AMD ATI Radeon HD 2000シリーズ用デモページ URL:http://ati.amd.com/developer/demos/rhd2000.html
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