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ハイファイブの新たな挑戦。ポイントサービス「ネトゲット」をオープン
2007/08/24 16:18
 ハイファイブ・エンターテインメントとアドウェイズは,アフィリエイト広告を利用したオンラインゲーム専用ポイントサービス「ネトゲット」を,8月28日よりスタートすると発表した。

 ハイファイブが8月28日にオープンするサービスサイト ネトゲットでは,各種アフィリエイト広告に対してアクションを起こすことで,ポイント「ネトG」が獲得できる。獲得したネトGは,各種オンラインゲームの決済用ポイントへ変換可能だ。
 ビジネスモデルとしては,ネトゲットを運営するハイファイブが,アドウェイズの運営するアフィリエイトシステム「JANet」を通じて(広告主から)広告費を受け取り,その広告費を,実際に各種ゲームの決済として使われた割合に応じて,オンラインゲーム企業に分配する形式が取られている。



※これはネトゲットのサイトイメージ画像です
 ……と言われても,一体ゲーマーにとってどんなメリットがあるのか,分かりづらいという人もいるだろう。順を追って,もう少しかみ砕いて説明しよう。
 まず,ネトゲットのアフィリエイト広告に対してアクション(つまり,アンケートに答えたり,あるサービスに加入したり,無料メルマガを購読したり)することで,ネトGというポイントが得られる。そしてそのネトGは,ネトゲットに参加している各種オンラインゲーム企業が運営している,アイテム課金用タイトルのポイントに変換できるというわけだ。
 つまりネトゲット利用者は,ネトゲット上で完結する簡単なアンケート回答/会員登録作業を通じて,金銭的な負担を一切受けることなく,既存のオンラインゲームの課金アイテムや課金サービスを購入できるというわけである。
 現在発表されているだけでも,下記のオンラインゲーム企業がネトゲットへの参加を表明しており,ほかにも15社が,2007年内の導入を検討中だという。

■ネトゲット導入企業
・キューエンタテインメント
・ゴンゾロッソオンライン
・サミーネットワークス
・ジークレスト
・ハイファイブ・エンターテインメント
・ロックワークス



※これはネトゲットのサイトイメージ画像です
 現在,オンラインゲームの課金方式としては,月額課金制,従量課金制,アイテム課金制,そしてそれらの複合方式などが一般的だが,事実上,基本プレイ料金無料のアイテム課金制が主流となっている。
 アイテム課金制のゲームには,無料で遊べるというハードルの低さがあるため,多くの会員数を獲得しやすいという特徴があるものの,無料でプレイしている人と,課金アイテムを購入している人との間には,説明するまでもなく,ゲーム内で得られるメリットに大きな差が生まれる。その差はときに,ユーザー間の軋轢を生んだり,運営企業に対する不満を発生させたりすることは,(その軋轢や不満の正当性はともかく)オンラインゲーマーならば,頻繁に目にしていることだろう。

 アイテム課金制のオンラインゲームを無料で遊び続けるプレイヤーの割合は,一般的に8割から9割にも及ぶといわれている。今回のネトゲットサービスは,先述した軋轢や不満,不平等感の低減を促すとともに,既存のアイテム課金制タイトルを無料で遊び続ける8割から9割のプレイヤーを,収益構造に組み込むシステムでもある。ネトゲットサービスは,変化し続けるオンラインゲームのビジネスモデルや,拡大するプレイヤー層などから生じる現実的な問題を,比較的健全な形で解決するための装置として機能する……かもしれない。
 その装置としての価値は,実際にサービスが動き出し,ある程度の成果を確認しなければ判断できないが,プレイヤーにとっても,オンラインゲーム企業にとっても,悪いシステムでないことは確かといえよう。
 あの手この手でオンラインゲーム市場の活性化を試みるハイファイブ・エンターテインメント(というより,同社代表取締役の澤紫臣氏)。その試みすべてが成功しているとはいえないし,もちろん明確な失敗もあるだろう。しかし今回のネトゲットサービスは,ハイファイブだけに留まらず,オンラインゲーム業界に一石を投じる可能性が秘められているような気がする。ネトゲットサービスの今後に注目したい。(大路政志)


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http://www.4gamer.net/news/history/2007.08/20070824161819detail.html