[GC 2007#032]小隊を率いてエイリアンと戦うSF FPS「BlackSite:Area 51」
Midway Home Entertainmentのブースで展示されていた「BlackSite: Area 51」は,小隊を率いてエイリアンと戦うという設定の,特殊部隊モノFPS。「Stranglehold」や「Unreal Tournament 3」と並んで,同社がいま大きな期待をかけているタイトルの一つだ。E3 Summitに出展されていたものと,ほぼ同一の内容ではあったが,その記事を見逃してしまった人のために,あらためて軽く紹介しよう。
ゲームの舞台は現代のアメリカで,プレイヤーは三人の部下を率いた特殊部隊のリーダーとして,エイリアンの大群による襲撃を受けた小さな田舎町の調査を開始する。 部下達に対する指示は,ほぼすべてワンボタンで出せるのがこの作品の大きな特徴の一つである。ただ単に「そこに移動しろ」という指示はもちろんのこと,例えばドアを指定すれば隊員は警戒しつつドアを開けて中に入ろうとする。そこでカギがかかっていれば,自主的に爆弾を設置するなどして,命令を遂行してくれる。要するに,状況に応じて隊員達が賢く行動してくれるのだ。
なお,隊員達には“モラル”というパラメータが設定されており,その状態によって動きが良くなったり悪くなったりする。モラルは,チームが直面した状況の影響を受けて変化し,仲間が倒れたり,恐ろしい姿のエイリアンを見たり,あるいは自分が負傷したりすると低下する。 モラルを上げるには,基本的には主人公(プレイヤー)が勇敢に行動して,上手に活路を切り開いていく姿を見せるとよいようだ。部下達のモラル状態は,数値として表示されることはなく,その表情や姿勢から判断するしかない。数値を追うのではなく,現実世界で他者を気遣うようなプレイによって,ゲームへの没入感が高まるという仕組みだ。
部下達に指示を出しながら難所をクリアしていくというプレイスタイルは,タクティカルシューターとして名高い「Ghost Recon Advanced Warfighter」シリーズなどに通じるが,こちらはもっとエンターテインメントに寄せたゲーム性を持っている。 前述したとおり,指示を出す方法はかなり簡略化されており,全体マップとにらめっこしながら進めるようなバランスにはなっていない。また,テロリストを一人一人狙い撃ちしていくようなじっとりしたものではなく,エイリアン(中には何十メートルもの体長を持つものも!)に盛大に弾丸をぶちこんでいくという,ある種の爽快感を味わえるゲームデザインだ。
主人公を含む小隊の四人は,それぞれみな固有の顔と名前とバックグラウンドを持つ。さらに一人は女性である。没入感を高めるために,あえて主人公を無個性に設定するゲームも多いが,本作はかなりかっちりとした人間関係とストーリーが設定されている作品となっている。 その点では,ドラマ性を重視する日本のゲーマーの嗜好にもフィットするタイトルかもしれない。リリース予定は2007年11月。期待しつつ,発売を待ちたい。(ライター:星原昭典)
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