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[GC 2007#070]Command & Conquer 3,拡張パック「Kane’s Wrath」を発表
2007/08/25 23:59
Command & Conquer 3: Kane's Wrathのプロデューサーの一人,Jim Vessalla(ジム・べッサラ)氏。「なぜ日本はいつもグリーンゾーン(安全地帯)なのか」との質問に,「開発者の皆は日本が大好きで汚したくないんだよ(笑)」と,うまいこと返答された
 RTS(リアルタイムストラテジー)の元祖的シリーズであり,低迷していた人気を再び取り戻すほどのヒット作となった「Command & Conquer 3: Tiberium Wars」。その拡張パック第1弾となるのが,2008年第2四半期にリリースされる予定の「Command & Conquer 3: Kane's Wrath」である。本作はシングルプレイ用のキャンペーンに重点が置かれて開発されており,時代を20年巻き戻して「Command & Conquer 2: Tiberiun Sun」にまでさかのぼり,そこから序々にBrotherhood of Nod(NOD)の秘密を解き明かしていこうという趣向になっている。




 C&Cファンであればご存じかもしれないが,Tiberiun SunではCABALという一隊がNODから離脱した。しかし,その後もこのファクションに関しては語られず仕舞いであったりと,Tiberiun Sunではストーリーの幅が広すぎて不明瞭な部分も多かった。そこで,今回の拡張パックでスポットライトが浴びることになったNOD首領Kaneのキャンペーンでは,二つに分かれて弱体化してしまったNODを再び一つに統合することになる。キャンペーンは三つの章に分かれており,第1章ではTiberium Warsのエンディングから後のことを,第2章ではKillianに絡む事件の真相が明らかにされ,第3章ではTiberium Wars後の話が進められていくという。

 キャンペーンの構造は,「Lord of the Rings: Battle for Middle-earth II」の実験に満足したのか,「World Domination」と呼ばれるものに一新。地球はターンベース風のゾーンへと分けられて,プレイヤーの任意で,近隣地域から比較的自由な順番で攻略していけるというシステムに変更された。ミッションで生き残ったユニットは次の戦いにも利用できるなど,グローバルに展開する戦争らしさを演出している。
 Kane's Wrathで大きく変更されるのは,ストーリー上NODがNODとCABALの2種類に分かれているように,それぞれのファクションにはさらに二つのサブファクションへと分かれ,全部で六つの勢力でマルチプレイモードが楽しめるようになる点。CABALを含め,具体的にそれぞれのサブファクションの能力や名称が説明されることはなかったものの,これだけでも随分と長らく遊べそうなフィーチャーである。



 六つのファクションになったためか,新ユニットも相当数用意される見込み。今回発表されたものは,以下のとおり。

●GDI

Hammerhead
アンモ補充のために逐一ベースに戻るのが面倒だったGDIの空軍部隊だが,Hammerheadのオートキャノンは弾切れが起こらない。対空兵器には弱いものの,ガリソン用スロットが一つ用意されており,歩兵ユニットを載せて攻撃力を増すことも可能だ。

Slingshot
GDIに欲しかった対空戦車で,ホバーで移動する軽量タイプ。

Shatterer
こちらもホバーで移動する戦車で,対Scrinで威力を発揮するSonic Emitterを装備している。複数の敵を一度に攻撃できるので,的確なフォーメーションがキーとなる。

Zone Raider
Zone Trooperの女性版。Zone Trooperの対地能力に対し,Zone Raiderは対空能力に秀でている。

“New Orca”
新ユニットなのか,新装備なのかわからなかったが,Sonic Attack能力を保持していた。

●NOD

The Awakened
CABALファクションに改良されたサイボーグ歩兵。左手にマシンガン,右手にEMPキャノンを装着しており,歩兵を相手にすればほとんど無敵状態のようだった。

Spector
ステルス型の砲撃車で,EMPキャノンと合わせれば非常に強力なNODらしいユニットだ。Shadow Infantryの新技術で,敵地中心にビーコンを設置すれば,かなり離れていても長距離攻撃が可能になる。

Reckoner
二つのガリソン用スロットがある輸送車で,敵地に突入させれば即席バンカーへと変形可能。ただし,移動中は歩兵が中から攻撃することはできないようだった。

Tiberium Trooper
実際の姿は確認できなかったが,Reckonerの中から緑色のショックガンで攻撃するユニットは,Tiberium Trooperという名称だと説明を受けた。

●Scrin

Megapeed
Scrinで紹介された唯一のユニットだが,コンセプトアートだけで,実装されていないようだった。巨大なムカデ型の形状で,破壊されても複数に分裂して攻撃を続けるという面倒くさいヤツ。見つけたら総力攻撃で完全に破壊するのが吉とのことだ。



 新ユニットはまだまだありそうで,今回はほんの一部とのこと。これだけユニットが多いのなら,マルチプレイでの戦術が大きく変わってくることも予想される。
 さて,「Battle for Middle-Earth」に始まり,ゲーム機でのRTSを開拓してきたという自負のあるElectronic Artsのロサンゼルス支部の面々だけに,今回も新しいコントロールシステムを開発したとのこと。それが,「ラジオ・インタフェース」(Radio Interface)と名付けられた昔の電話機のダイヤルのようなもので,ゲーム機のRTSゲーマーにとっては,わざわざ基地に帰って新ユニットを生産するというのが面倒だったらしく,このラジオ・インタフェースは画面をスクロールさせることなくユニット生産できるようになる代物だそうだ。

 Command & Conquer 3: Kane's Wrathは,2008年の春ごろまでは発売されないが,第1作から現在までKane役を務めている俳優Joe Kucan氏も今回は大活躍。昔のローブを着込み,お蔵入りしていた映像などもKane's Wrathで再利用されるとのことだ。Electronic Artsのブースには,彼の等身大ポスターが所狭しと並べられていたのが印象的だった。(ライター:奥谷海人)


Command & Conquer 3 Kane's Wrath
■開発元:N/A
■発売元:Electronic Arts
■発売日:2008/春
■価格:N/A

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http://www.4gamer.net/news/history/2007.08/20070826024516detail.html