約1か月に渡って実施された「大航海時代 Online」クローズドβテストも,12月13日13時30分をもって終了。テスター達がメーカーに寄せたさまざまな意見/要望は,きっと本作の完成度を高めることだろう。
一般的なMMORPGのように戦闘によるレベル上げだけを目指すゲームでなかったのは,ある意味とても斬新だった。中には好みに合わなかったテスターもいただろうが,今回のβテストで感じられた冒険の楽しさや自由度の高さは,MMORPGの新たな可能性を披露してくれたと,筆者個人は考えている。やや淡泊な戦闘システム系の調整や,のんびりムードが退屈に直結しないような工夫が盛り込まれていけば,MMORPGとしての完成度はさらに高まることだろう。
バグらしいバグ,ラグらしいラグがほとんど発生しなかった点を見ても,大航海時代 Onlineは今後も多くの人に愛されるタイトルとして発展していくはずである。
前回お伝えしたように,クローズドβテスト終了日の前日である12月12日,「喜望峰を目指せ!」というイベントが開催された。筆者も当然参加しようと,スタート地点であるリスボンを目指したのだが,前回の大海戦イベントで受けた金銭的/物的損害があまりにも大きかったため,移動するのも一苦労だった。血気盛んなプレイヤー達と共にスタートダッシュし,彼ら先行集団の"金魚のフン"となって安全に喜望峰を目指そうと企んでいたのだが,オポルト出航所に到着した時点でイベントスタート。
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前回のイベントで所持金が大幅に減っていたこともあり,スタートダッシュに失敗してしまった |
やや遅れてリスボンに到着。リスボン教会の司祭に話しかけると,アフリカンフェザーというアイテムを手渡された。どうやらこのアイテムが,目的地であるケープの街への入港許可状代わりになっているようだ。アフリカンフェザーは装備することも可能で,装備するとなかなか愉快なことになる。"変装度10アップ"の効果も,納得の奇抜さだ。
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ケープへの入港許可状代わりにもなるアフリカンフェザー。筆者のあり合わせの衣装とは激しくミスマッチ…… |
さて,早速出発するか,と出航所を目指すと,一瞬操作が利かなくなった。しばらくすると,画面に「サーバーが停止したため,ゲームから強制切断されました」とのメッセージが。筆者としては初めての切断であった。
コーエーによれば,これはサーバー負荷が原因ではなく,別のプログラムミスだったようだ。とはいえ,これまでの安定性は本番サービス並といえる状態だっただけに,今回イベント中でのサーバー落ちは惜しまれる。
サーバー障害は数十分後に解消され,ログイン可能な状態になった。ログインしてみると,ダウン前にも増してプレイヤーキャラクターが溢れかえっていて,喜望峰行き艦隊のメンバーを募集していた。最終イベントを楽しもうとしているテスターの多さに,思わず感心。なお,その後はサーバーの問題は一切起こらなかったことを付記しておく。
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サーバー落ちは初めての経験。正式サービスでも,クローズドβのような高い安定性が維持されるかどうか,注目したい |
ゲーム内の地図で確認できない目的地への航海。このドキドキは,大航海 Onlineならではの魅力の一つだろう。だだっ広い海のど真ん中で食料が無くなったらどうしよう……,嵐で船員が流されたらどうしよう……,などとビクビクしながら物資の調整をしてみる。前回の大海戦イベントで積み荷はすべて奪われるか流されるかしていたので,水・食料を60ずつ積むことができた。船員数28人で21日間の航海に耐えられる設定である。これならば,多少の寄り道があってもなんとかなるだろう。
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普段は交易品を積んでいるため,航海日数は11日前後。ほぼ倍の日数で航海可能になったわけだ |
リスボン港を離れた筆者は,航路を南へ。まずはカサブランカを目指した。ここで船員達に酒をおごり,彼らの疲労度を回復。長丁場が予想される航海に備えた。
その後は南西に進み,ラスパルマスに立ち寄る。ここの道具屋で,前回の大海戦イベントで奪われたり,海に流されたりした帽子と服を調達。ようやくバカ貴族のような格好から,地方海賊らしいワイルドな姿に戻れた。かなりの出費であったが,クローズドβテストが終わるというのにケチケチするのも,ナニである。
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ラスパルマスで,失った装備を再購入。大海戦での惨敗で失われかけていた地方海賊としての誇りをも取り戻す |
比較的順調に進んでいたケープへの航海だったが,ラスパルマスからしばらく南に進んでいったあたりの危険海域で,モロッコ海賊というNPC船に戦闘を挑まれてしまった。
敵船の耐久力と船員数を確認すると,いずれも筆者の船より格上。しかもそんな強敵が艦隊を組んでいるのだから,たまらない。軽く砲撃しつつ戦場からの撤退を図ったが,火災は起きるわ船の耐久力は半分近くまで削られるわで,さんざんな目に遭ってしまった。撤退後にあたりを見渡すと,周囲一帯NPC船だらけ。ここにきて,ようやく前夜祭イベントの真の恐ろしさを実感させられた筆者であった。
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幸い他国の船舶からは攻撃を受けなかったが,NPC船がかなり手強い。軽ガレー1隻ではとても太刀打ちできない |
ほうほうの体でアルギンへ到着。文化が大きく異なる地域に来たのは初めてだったので,アルギンの人々や町並みを眺めるだけでも新鮮。酒場のメニューにも猿酒やフフなどが存在し,雰囲気満点である。布きれ一枚を身にまとう"街役人"に「ご用がないならお引き取りください」と言われたことも,興味深い経験だった。街役人にこう言われるということは,つまり,もっと身なりを整える必要があるわけだ。カルチャーショック!
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できればアルギンの人々と同じ格好をしてみたかったのだが,残念ながら衣装は売られていなかった |
そんなアルギンを後にした筆者は,NPC船による奇襲から必死に逃げつつ,カーボヴェルデに立ち寄ることができた。このあたりの街/町からは,物資の補給しかできない(クローズドβで未実装)ため,街並みを眺められないのが残念だが,それはオープンβ,正式サービスでの楽しみにして我慢。物資を補給し,カーボヴェルデを後にした。
その後,陸を左手に南下を続けていたときに悲劇が起きた。さほど強くないNPC船に奇襲をかけられたので,軽く撃沈させてやろうと反撃を開始。難なく勝利を収めたが,このとき火災が発生してしまったのだ。
この火災で耐久度が低下しているところへ,ヴェルデ海賊というえらく強い艦隊に奇襲される。圧倒的な火力で砲撃され,筆者の船は大揺れ,浸水。修理スキルを使用してなんとか戦線離脱を試みるも,あえなく撃沈されてしまった。コレクション用に購入した交易品も流され,まるで大海戦イベントの再来を思わせる悲劇であった。
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艦隊を組んでいないと,とても対抗できない強さ。次に本作をプレイする機会がきたならば,ぜひリベンジしたい! |
とまあ,そんな具合で志半ばでついえた筆者の「喜望峰を目指せ!」イベントであったが,見事ケープに到着したプレイヤーには,イベント達成を記念するアイテムが贈呈されたようだ。そのアイテムを入手して有終の美を飾りたかったところではあるが,まあ仕方がない。今後いずれ開始されるだろうオープンβテスト,そしていつの日か必ずスタートする正式サービスで,個人的なリベンジを果たそうと思う。
今後,世界が広がり,やれることが増え,多くのアイテムやクエストが実装されるであろう大航海 Online。クローズドβテストで垣間見えた魅力は,まさに氷山の一角であるはず。本作がさらに大きな魅力を秘めて帰ってきたときには,ゲームの中や何らかの記事で,皆さんとも再開できれば嬉しい。
「大航海時代 Online」
→公式サイトは「こちら」
→紹介ページは「こちら」
■■大路政志(ライター)■■
活字を糧(かて)に生きるライター。いや,ライターが"書く"のは当たり前だが,彼の場合は"読む"ほうも重要で,眠るよりも読書するほうが体力回復に効くらしい。外出中などで,腰を据えて本を読む余裕がないときは,Pocket
PCに入れた百科事典をランダムに読んでいるとか。しかしここ数週間は年末で仕事が立て込んだせいもあり,その時間すら取れず,もう1か月近く家から一歩も出ていない模様。家族は,彼の歩き方がぎこちなくなったと心配しているらしい。
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