かつてグラナダ,ベルリン,ペルーと数々の作戦行動に従事してきたGueedは,今では軍を引退して4Gamerの軍事顧問を務めている。その彼がこのたび統合作戦局に緊急召喚されたのは,「Shadow
Ops:Red Mercury」の作戦行動を現地にて指揮するためであった。PCではなかなかお目にかかれなくなった撃ちまくりタイプのミリタリーFPSを,現役を退いて久しいGueedはハンドリングできるのだろうか。
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特殊部隊といえばオレ,オレといえばGueedと自分ではいってみたものの,未だに編集部で正式なFPS担当者の称号をもらえないボク。そんな筆者が記録的な猛暑の中,エアコンの壊れた自宅でヒーヒーいいながらプレイしたのが,今回紹介する「Shadow
Ops:Red Mercury」だ。
本作は,「スプリンターセル」の主人公サム・フィッシャーを彷彿とさせる,角刈り青髭の主人公Frank Haydenが,デルタフォースを始め,欧米各国の特殊部隊と仲良く世界を転戦するアクションシューティング。物語のキモとなるソビエト開発の新型核兵器"Red
Mercury"をシリアのテロリストグループから奪還するため,チェチェン,コンゴ,カザフスタンといったテロリストの巣窟へ赴き,撃ったり投げたり,ときにはしゃがんだり覗き込んだりしながら敵を倒していくという,いわゆる定番ミリタリーFPSだ。
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主人公Frankと行動を共にする各国の特殊部隊チーム。こちらの行動など意に介さず突き進んでいくが,ときには気まぐれに,死角の兵士を撃ってくれたりもする |
ちなみに開発元のZombieは,1998年にVoodooカードの3D専用モード「Glide」対応の特殊部隊アクション「Spec Ops:Rangers
Lead the Way」」を生み出し,以後,同シリーズやRainbow Sixのアドオン「Rainbow Six:Covert
Ops」,またDelta Forceのアドオンである「Delta Force:Task Force」の開発も手がけている老舗デベロッパ。同社は,Spec
Opsシリーズだけでもなんと9作品をことごとく世に送り出しているだけあって,特殊部隊モノのイロハは心得たものだ。会社名といいタイトルといい,まさに生ける屍のごとき生命力で業界を突っ走ってきた,Opsだらけのデベロッパといえよう。
さて,そんなリビングデッドな同スタジオの最新作は,どちらかというと"非リアル系"に属する特殊部隊アクション。主人公の体力はヘルスバーで表現され,1ヒット1キルlの緊張感に怯えることなく,ときにはステルス,ときにはアサルトといった多彩なプレイを楽しむことができる。スクリプトによる敵の動きや,「CALL
OF DUTY」のように迫撃砲でボコボコ穴が開いていくマップ,またTHX認定のサラウンド(BGMはハリウッドのSoundelux社が協力してるとか)など,ハリウッド映画的な演出が大きな特徴となっている。
25レベル用意されたキャンペーンでは,任務遂行地域に合わせて屋外,屋内,またジャングルといった場所へ次々に潜入。任務は主人公のFrankおじさんと,無敵疑惑のかかったAI(2〜6名)というチームで行動する。ただ,チームといってもRainbow
Sixのように指令を出す必要はなく,追随する隊員はObjectiveアップデート要員というか道先案内人兼補助射撃係といった扱いだ。
武器はメイン/サブ/ピストル/グレネードといった4カテゴリをそれぞれ一つずつ携行可能で,メインにはライフルおよびサブマシンガン系,サブにはスナイパーライフルやロケットランチャー系を選べる。射撃時の姿勢は"直立"と"しゃがみ"のみで,左右覗き込み動作(リーン)が使用可能だ。
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戦術とAIM能力だけを頼りに先へ先へと歩を進める。筆者はリアル系特殊部隊FPSを好むが,実際にはリアルであるが故にゲーム本来の楽しさをスポイルしているものが多く辟易する。やはり爽快感や演出で勝負しているタイトルは,とっつきやすくスッとゲームに没入できてよいですな |
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マップには絶え間なく,そしてどこからともなく迫撃砲が撃ち込まれる。この砲撃,実際にはダメージはないが,パッドのバイブレータがピクピク反応するため,ちょっぴりドキッとするのだ |
そんなわけで,未だにぎこちなく右脳を刺激してきやがる(訳:慣れない)Xboxのパッドでプレイしてみたが,いやこのゲーム,えらく難度が高い。しばらく進んでは射殺され,しばらく進んでは爆死する――。
確かに,リーンしたこちらの前頭葉を確実に狙ってくる敵AIはおかしいぐらい強力だが,もっとこう,なにか根本的な違いを感じる。なぜだろうと3日3晩考えた挙句ようやく気付いたのだが,このゲーム,キャンペーンのレベル中にセーブとかチェックポイント的なものがまったく存在しないのだ。
つまりレベル中で一度死ぬと,またそのレベルのスタート地点からやり直し。そりゃ難しいわ! レベルは,短くても10分〜15分ぐらいはある。9分あたりで死んだとして,画面のメニューが「RESTART
LEVEL」と「QUIT」だったのを見た瞬間には,間違いなく涙目になる。
もちろんその救済を兼ねてか否か,レベル中のあちこちに大量のヘルス回復アイテムが落ちている。結局その回復アイテムが難度を下げる唯一の方法(いや,うまくなればいいんだけど)なわけで,いろんな場所に放置しておいたヘルスパックを記憶しておいて,体力が減ったら取りに行くというチキンな方法をオススメしなければならない。
とはいえ,敢えてガチガチのリアル系にしなかったのは正解。AIMの練習を兼ねつつシネマチックな演出やサウンドの中プレイするのは,非常に心地良い。スタートレベルなんかは,映画「ブラックホーク
ダウン」においてソマリアで四面楚歌になったレンジャー部隊よろしく,AK-47で道から家から空から民兵が襲い掛かってくる恐怖感がスゴイ。というか本作はホントに初っ端が見どころで(序盤では,ね),なぜかクライマックス感全開の音楽と演出で,ググッとそしてズルズルと筆者をプレイに引き込んでくれた。"映画的"という意味では,BGMのセンス,スクリプトのセンスどれをとっても,数あるXboxタイトルの中では群を抜いているだろう。"映画感"という意味ではね。
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このようなSFライクな研究所があったりと,マップのバラエティが豊富なのも本作の魅力の一つだ。特殊部隊モノという"色"のせいか,やはりCQBでサクサク歩を進めていくのが気持ちいい |
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挿入ムービーもなかなか凝った作りだ。最初はただの小隊リーダーという立ち位置のFarnkが,やがて単独で凄まじいアクションをこなすヒーローに変貌していく様子が描かれている |
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マルチプレイは,Xbox Liveを介して最大16人をサポート。モードはデスマッチ形式の基本的なものからCTF,V.I.P. Escort(要人警護)までで,さらに上下画面分割でのCoopモードも楽しめる |
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