ガンホーとブロッコリーが提供する「東京カード&オンラインゲームカーニバル 2004」開催:「TANTRA」が全8部族プレイアブル展示
2004/11/24 23:55
 今週初めの日曜日(2004年11月21日),池袋のサンシャイン文化会館 展示ホールBにて,ガンホー・オンライン・エンターテイメントブロッコリーが共同で主催するイベント「東京カード&オンラインゲームカーニバル 2004」が開かれた。
 「ラグナロクオンライン」や「A3」をはじめとするガンホーのオンラインゲームと,「アクエリアンエイジ SagaII」などブロッコリーが手がける対戦型カードゲームの双方を,"コミュニケーションゲーム"として総括し,それぞれのファンのためにプレイスペースを設けたこのイベント,PCゲーム関連の情報を中心にレポートをお届けしよう。



■日曜朝からゲーマーの長蛇の列が
オープニングセレモニーのテープカットで肩を並べる,ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役社長の森下一喜氏(右)とブロッコリー代表取締役社長の木谷高明氏(左)
 午前9時30分前後に会場に着くと,そこにはすでに大きなカードホルダーを携えた人や,「ラグナロクオンライン」のマスコットをかばんに付けた人を含む長蛇の列が出来上がっていた。
 待つことしばし,開場時刻の午前10時直前に「アンプドール」と「G.G.F.」のアナウンスでオープニングセレモニーが開始された。ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役社長の森下一喜氏とブロッコリー代表取締役社長の木谷高明氏が登場し,簡単な挨拶の後にテープカットが行われたのだが,ブロッコリー木谷氏の「サンシャインでやるイベントで,こんな堅苦しい挨拶をするのは初めてですが……」という切り出しに,周囲がどっと沸く一コマが印象に残った。カードゲームのコンベンションを中心に,エンドユーザーイベントを頻繁に開催するブロッコリーにとって,サンシャインシティはいわばホームグラウンドの一つというわけだろう。

 会場は大きく「オンラインゲームゾーン」と「カードゲームゾーン」に分けられており,カードゲームゾーンを囲むパネルには「大アクエリ展」と題して,「アクエリアンエイジ SagaII」のアートワークに参加する9人の有名イラストレータの,原画とコメントが展示されていた。「マクロス」の美樹本晴彦氏など,筆者のような門外漢でも分かる名前と絵柄が含まれていたため,しばし足を止めてみたが,そもそもこのイベントでも,七尾奈留氏など有名作家の手になるプロモーションカードの配布とサイン会が予定されている。午前中からの盛大な人出は,ここにも理由の一端があったらしい。
 カードゲームゾーンでは,「アクエリアンエイジ SagaII」と「ラグナロクオンラインカードゲーム」が扱われていたが,前者は競技,後者は講習が中心だったようだ。「アクエリアンエイジ SagaII」では次々と相手を替えながら対戦を重ねる「アクエリランブル」の参加者が250人ほど,5人1チームで行う「サバイバルトーナメント9」が84チームのエントリーと,これだけでも大した人数である。トーナメント序盤,対戦スペースはほぼ常時満席状態に見えた。

 PC関連の話題としては「アクエリアンエイジ ビギナーズインストラクター」のその後が気になるところだが,会場でも3台のPCでデモが行われ,ちょっとした行列になっていた。会場でとくに新しい話題は聞けなかったが,2005年春にオンライン対戦が実現予定であることはすでに明らかにされている。ブロッコリーの今後のアナウンスに注目したい。

写真左:「アクエリアンエイジ SagaII」に参加する有名イラストレータ9人の,原画とコメントを掲示した「大アクエリ展」

写真中:「アクエリアンエイジ SagaII」「ラグナロクオンラインカードゲーム」の対戦とレクチャーが行われた「カードゲームゾーン」は大入り満員

写真右:「アクエリアンエイジ ビギナーズインストラクター」の試遊台にもちょっとした行列が。このイベントで初めて存在を知った人も,案外多いのだろうか?


■対戦要素重視のオンラインゲームゾーン
「A3」の「騎士団トーナメント」の席は,4vs.4に分かれている。この回はタンク系とアーチャーがきちんと連携した,なかなか白熱の試合だった
 一方ガンホー作品勢揃いのオンラインゲームゾーンでは,目新しい話題こそ少ないものの,"コミュニケーションゲーム"という主題に沿ってか,やや競技性の強いイベント内容になっていたようだ。順に見ていくことにしよう。
 まず「ラグナロクオンライン」では,実装が来年に延期されたとはいえ,比較的ホットな話題である上級二次職のキャラクターを用い,5人一組のチームで制限時間内にマップ内のモンスターを倒す「上級二次職スピードバトル」が行われた。初心者向けの「はじめてのラグナロクオンライン」では2種類のアトラクションが用意され,このうち「ひとりであそぼ♪」はモンスター3種類10匹を倒してスタッフに申告,「みんなであそぼ♪」では所定のアイテムを入手するのが課題となっていた。

 同様に,オンラインアクションゲームの「ポトリス2」「サバイバルプロジェクト」では4vs.4のチーム戦,「ゲットアンプド」でも4vs.4のバトルロイヤルが行われた。
 やや趣向を凝らしてあったのが「A3」で,R-18タイトルゆえかこの作品のブースのみ,黒い幕で囲まれていた。実施されたイベントは「騎士団トーナメント」と題し,「聖騎士」「戦士」「アーチャー」「魔法師」の4人からなるチーム同士が,PvP戦闘を繰り広げるというもの。対戦前のレクチャーもさすがに念が入っており,勝利したチームのプレイヤー全員に深紅のバラ1輪ずつが渡されるという演出付きだった。

写真上段左:時間内に敵を倒す「上級二次職スピードバトル」を初めとする3種類のアトラクションが用意され,最も人出の多かった「ラグナロクオンライン」のブース

写真上段中:ことごとく対戦イベントで占められた「オンラインアクションゲーム」のブース。待ち行列はなかなかの長さ

写真上段右:ここだけ黒い幕で覆われた「A3」ブース,「騎士団トーナメント」の会場。賞品の深紅のバラともども,コンセプチュアルな演出かも

写真下段左:会場の物販スペースに併設された「らぐへすサンシャイン2 in TCOC2004」のブース。時間帯が早かったせいか,このときはまだ人が少なめだった

写真下段中:同じく物販スペースに出店された「ラグナロクオンラインショップ」の様子。今回のイベントでは床面積も含めてやや控えめか

写真下段右:こちらは「ゲーマーズ」のお店。ステージイベントのチケットと,カードゲームのスペシャルカード類が今回の主力商品


■全8部族でプレイ可能だった「TANTRA」
8台で全8種族をカバーした,「TANTRA」の試遊台。予定されていた「お楽しみクエスト」こそプレイできなかったものの,部族の勢揃いはこれが初めての機会
 さて,本イベントのタイミングで最もホットな話題となる作品は「TANTRA」だろう。もともと2004年11月中旬の時点でβテストが開始されているはずだったわけだが,今回の出展は試遊台8台が用意され,ゲームに登場する8部族全てを試せるというなかなか豪華なもの。事前の告知にあった「お楽しみクエスト」は,検討の結果中止されたとのことだが,操作感やNPCとの簡単な会話,各部族固有のアクションとなる「踊り」などがその場で確認できた。
 プレイできたのが序盤の村周辺だったせいもあってか,「マーラ」(モンスター)をサクサク倒していける軽快なプレイ感覚だったが,後でこの作品のディレクター,ガンホー・オンライン・エンターテイメント マーケティング部 第二企画グループの神崎 崇氏に確認したところ,「MMORPGのライトユーザー層を重視した作品であり,レベル30くらいまではすぐに到達できる」とのこと。どうやらβテスト開始後も,いたって軽快な展開の作品になりそうだ。
 会場では同作品の動作条件や各部族の特徴が説明されたリーフレットが配布されていた。部族については「こちら」の公式サイトにある情報とほぼ同様なので,新たに明らかになった動作条件のみ書き添えておこう。

Pentium III/400MHz以上(1GHz以上推奨),メモリ 256MB以上(512MB以上推奨),ビデオメモリ16MB以上(64MB以上推奨)を搭載したGeForce2/RADEON 8500以上のビデオカード,HDD空き容量1.2GB以上,ADSL1.5MB以上のインターネット接続環境,DirectX 8.1以降

 せっかくの機会なので会場に来ていた開発担当の方,ガンホー・オンライン・エンターテイメント コンテンツ開発部 第三開発グループの田口敏之氏に,ローカライズの進捗状況と作品の特徴について訊いてみた。氏によると「現在はβテスト開始に向けて仕様の最終調整中」で,しかもどうやら単純なローカライズ作業の問題ではなさそうだ。具体的な内容は明かしてくれないものの「韓国版と日本国内版を直接比べることには,あまり意味がない」と語る氏に,仕様の"調整"とはゲームルール部分の改変も含むのかという質問をぶつけてみたところ,「それも含んでいる」とだけ答えてくれた。
 やや質問の方向を変えて,このゲームの特徴である「主神」「主神戦」と各部族の関係について訊いてみると「主神と部族の選択には,何の制約もない」とのこと。部族にアスラ(漢訳仏典でいう阿修羅だ)などという設定がある以上,例えば主神の一つシヴァ神あたりとは親和性が高いものと思っていたのだが,もう少し普通の"陣営"と考えてよさそうだ。
 大規模PvP戦闘となるであろう主神戦の目標や内容については,さすがにまだ教えてもらえなかったが,ここがまさに韓国と日本のプレイヤーの性格が大きく異なるポイントであろう。「ごく近い時期に正式な発表ができるはず」という氏の言葉を念頭に置き,思ったより広汎に渡るらしい"調整"の意味を推量しつつ,続報を待ちたい。

 "卒業"を間近に控えたブロッコリー側のユニットD.U.P.や,本日を最後に1名が引退するガンホーの「ラグナロ娘」と話題が多かったせいもあってか,ステージも盛り上がりを見せていた本イベント。性格の異なるゲーム同士が相互乗り入れを行うことにより,どちらのゲームにとっても新たなプレイヤーが生まれるきっかけとなることを,大いに期待したい。(Guevarista)

写真上段左:試遊台のディスプレイの上には,プレイできる部族のポップが掲げられている。操作については簡単なレクチャーを受けられる

写真上段中:「TANTRA」の試遊スペースの上には,会場中央から見通せる大型スクリーンが。「ラグナロクオンライン」「A3」のブースでも同様だ

写真上段右:TCOC2004出展タイトルにまつわるクイズに来場者が携帯電話で回答し,各選択肢の回答割合がその場で集計/表示される「TCOC2004スペシャルステージ 〜携帯持って全員集合!〜」

写真下段左:今回のイベントを最後に「ラグナロ娘」を引退する,蔵野ありさ嬢(中央)。おつかれさまでした

写真下段中:引退する蔵野ありさ嬢に,花束とともに"惜別の辞"を捧げる,ガンホー・オンライン・エンターテイメント代表取締役社長の森下一喜氏

写真下段右:会場にはブロッコリー,ガンホーと提携した公式クレジットカードやコンビニ決済サービス,Yahoo!BBのブースも。会場で実施されたスタンプラリーのチェックポイントになっているブースもあった



友達にメールで教えよう!

この記事へのリンクはこちら
http://www.4gamer.net/news/history/2004.11/20041124235548detail.html