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［E3 2005＃012］「Station Exchange」の詳細がついに明らかに
Sony Online Entertainment（以下，SOE）が2005年4月20日に発表した新サービス「Station Exchange」は，「EverQuest II」（以下，EQII）でキャラクターやゲーム内通貨，アイテムなどを現金で自由に売買できるオークションシステムだ。
昨今のMMORPGでは，プレイヤー間でアイテムやゲーム内通貨を現金で売買をする"Real Money Trading"（以下，RMT）の是非についてクローズアップされることも少なくない。同社のシステムは運営側が介入したRMTといえ，その動向には注目が集まっている。実際この発表を受けて，MMORPGタイトルを運営するほかの会社などから公式にコメントが出される（「こちら」）など，業界に震撼を与えていた。
E3初日の5月18日に，同社のブースでStation Exchangeの解説を受けることができ，詳細なフローが判明したのでお伝えしていこう。
まず，同システムで扱える"モノ"についてだが，これは発表どおりに，キャラクター，ゲーム内通貨，アイテムとなる。オークションは，2005年4月7日にEQ2に実装されたメールボックス機能と連動しており，販売したいアイテムをメールボックスにある"Send"ウィンドウにドラッグ＆ドロップしてokを押すと，Web上の同システムの"Holding Area"に入ることになる。
Holding Areaは，いわばゲーム内と外とをつなぐストックヤードのようなイメージの場所で，ここにあるアイテムをオークションに出品できる。ちなみに，キャラクターの場合は，自動的にキャラクターの選択肢が表示される（Stationにログインしているため）。
オークションに出品するときには，開始価格，希望落札価格，最低落札価格，そして終了までの期限の4項目を入力するが，このあたりは一般的なオークションサイトと同様だ。落札するときも，アイテムやキャラクターを検索し，それに入札していく。
出品アイテムのステータスや説明はStationのデータベースを参照するため，出品者の手間にならないのが嬉しいところ。また，落札するまで出品者の名前は分からないようになっているので，詐欺の防止にもつながってくる。
無事に落札できた場合，または落札者がいなかった場合は，Holding Areaに戻ることになる。前者の場合は，このHolding Areaからキャラクターへ，自由にアイテムを転送できる。後者の場合は，あらかじめアイテムを所有していたキャラクターにしか転送できない。つまり，Holding Areaを利用してのアイテム移動は行えないというわけだ。
また，無事に出品アイテムが落札されると，出品者に入金が行われるわけだが，このやり取りには「PayPal」を使用する。PayPalとは，メールアドレスを使って口座間のオンライン送金をするシステム。そのため，Station Exchangeを利用するにはPayPalのアカウントが必要となる。
また落札者は，登録したクレジットカード（同作の月額料金の支払いに使用しているもの）か，そのほかのクレジットカードを支払いに選べる。
さて気になるのは，システム利用料だが，アイテムの場合は1ドル，キャラクターの場合は10ドルが出品時に課金される。まだStation上で実装されていないサーバー間キャラクター転送サービスにも影響してくるので，価格設定に慎重になっているのかもしれない。
国内でのアンケートでは，RMTに否定的な結果が出ることが多いが，世界的に見てみると賛成派/反対派の数にあまり差がなく，逆に肯定意見を持つ人のほうが多いということもあるようだ。プレイヤー間でのリスクを伴うRMTではなく，運営側システムでの確実なトレードが行えるとすると，このバランスが変化してくるのではないだろうか。
なおSOEの公式見解では，アイテムやキャラクターのデータはあくまでもSOEのものであり，Station Exchangeでのトレードは，その"使用権"の売買となる。
ブースで説明してくれたStation Exchangeサービスの責任者，Nathan Pearce氏は，サービスの開始は当初のスケジュール（発表では6月にサービス開始）から遅れていて，3か月先（8月ごろ）になりそうだと話していた。
RMTは，ゲーム側も（極力設計段階から）システム的に対応していなければゲームバランスが大きく崩れてしまうという"諸刃の剣"。EQ2というビッグタイトルで運営側が行うRMTがどのようになっていくのかは，非常に気になるところだ。今後はしばらく目を離せないだろう。（Seal）
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