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[E3 2005#093]日本での展開が待ち遠しい「Guild Wars」の最新情報を入手
2005/05/21 20:00
 今回のE3 2005にも多くのMMORPGを出展してきたNCSoftだが,そのラインナップの中でも,特に日本でのサービス展開が望まれているのは,ここで紹介する「Guild Wars」かもしれない。
 Guild Warsは,その仕様のほとんどが"戦闘"に特化されたMMORPGNC Soft側は本作をMMORPGではなく"CORPG(Competitive Online Role-Playing Game)"と呼ぶこともある。既存のMMORPGと同じような感覚で遊ぶこともできるのだが,本作ではゲームを楽しむための専用の空間(プライベートエリア)を確保できる。そのため,狩り場で他パーティーと敵を奪い合ったり,ドロップアイテムを横取りされたりといったストレスを受けることなく,狩りやミッションを楽しめるのだ。
 本作の世界はいくつかのゾーンの組み合わせで構成されているのだが,ゾーン間の移動は地図上で行き先をクリックするだけで完了する。従来のMMORPGのように,広大なフィールドを,長時間かけて移動する,いわば無駄な手間が省かれているわけだ。
 そういった,"ゲームをより純粋に楽しんでもらう"という発想は,戦闘システムの周辺にも具現化されている。Guild Warsは,そのタイトルが示しているように,多対多を中心とした戦闘,対人戦が満喫できる作品としてデザインされているため,従来のMMORPGによくあるような,"プレイヤーが費やした総時間=キャラクターの強さ"という構図や,"人数の多さ=勢力の強さ"といった図式が,成り立ちにくい仕様になっている。クラスとスキルの組み合わせ,個人としての動き,集団戦における戦術,プレイヤースキルなどが組み合わさってはじめて,安定した強さを発揮できる。
 もちろん,キャラが成長すればより効果の高いスキルを覚えるし,なんだかんだいっても頭数は効いてくる。しかし,PvPが許可されているアリーナエリアや,ギルド戦,トーナメント戦など,戦いの場とルールが多数用意されているので,とにかく平押しでいけば勝てるというほど単純ではないだろう。



 例えば,つい先日大型アップデート"クロニクル3"が実装されたばかりの「リネージュII」も,攻城戦や血盟戦という形で対人戦にそれなりの価値を置いた作品だが,一方で対人戦そのものがなかなか理解されづらいという事情もある。クロニクル3で実装された"セブンサイン"も,正面切った対人戦を好まないプレイヤー層の意見を考慮し,殺伐とした対立関係だけではなく,スポーツ的な競争をゲームに組み込むために生み出されたという経緯がある。
 そうした施策が作品にどのような影響を与えるかはしばらく様子を見る必要があるだろうが,よりゲームの方向性が明確なGuild Warsは,決して少なくはない対人戦指向のプレイヤーにとって,魅力的な作品となりうるはずである。
 日本での知名度はさほど高くはないものの,韓国やアメリカなどではすでに正式サービスが始まっており,ワールドワイドでは開始一週間で30万アカウントの実績を上げた本作。対人戦指向の人や,俗にいう"廃人仕様"のMMORPGにいささか辟易している人にとっては,ある意味理想的な作品かもしれない。今後,日本でGuild Warsのサービスが展開される可能性はかなり高いように思えるので,本作に興味がわいた人は,自分なりにアンテナを立てておくといいだろう。(大路政志)


ギルド ウォーズ
■開発元:ArenaNet
■発売元:エヌ・シー・ジャパン
■発売日:2006/01/27
■価格:オープンプライス(パッケージ版) / 月額課金料金980円
→公式サイトは「こちら」

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http://www.4gamer.net/news/history/2005.05/20050521200007detail.html