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「EQ2」ブースでの”RESCUE MISSION”レポ&拡張パック概要発表
2005/08/01 19:48
 2005年7月30日,31日の二日間にわたり幕張メッセで行われた「スクウェア・エニックス パーティ 2005」には,現在スクウェア・エニックスが日本でのサービスを運営している,Sony Online Entertainment開発のMMORPG「エバークエストII」(以下,EQ2)も出展されていた。ここではそのブースの模様をお伝えしよう。



■アドベンチャーパックのリリース順は,英語版と異なり「スプリットポゥ サガ」が先!
 まずは今回のショウに合わせて発表された,重要な情報をお伝えしておこう。それは,EQ2日本語版で登場するアドベンチャーパック第一弾は「ブラッドライン クロニクル」ではなく「スプリットポゥ サガ」になるというもの。

 英語版のEQ2では,現在までに二つのアドベンチャーパック(小規模な拡張パックの様なもの)がリリースされている。第一弾は「The Bloodline Chronicles」,第二弾は「The Splitpaw Saga」というタイトルだ。日本語版でも同じ順序でリリースされる予想されていたが,この順番が逆になるという。プレイヤーとしては,当然「なぜそうなったのか?」が気になるところだ。そのあたりについては別稿のインタビューで聞いてきたのでそちらを参照していただきたい。



■運営側操作のキャラクターを町まで送り届ける"RESCUE MISSION"
 EQ2の展示スペースは,大型の液晶モニターを配したステージを中心として,十数台の試遊マシンをぐるりと並べた構成となっていた。
 ちなみに,設置されているPCやディスプレイは,パートナーシップを結んでいる協賛各社のEQ2推奨モデル。それぞれに形の異なる筐体がズラリと並んでいる様子が印象的だった。
 試遊マシンは,実稼働中のゲームサーバーである「Vekser」サーバーに接続された状態になっており,来場者はまさにEQ2の"生のプレイ"に触れられるようになっていた。

 今回の出展における目玉は,事前に「こちら」でお伝えした来場者参加型のイベント"RESCUE MISSION"である。これは,参加者たちが即席でグループを組み,モンスターの徘徊する危険な場所に迷い込んでしまったという設定のキャラクター(NPCではなく,運営側が操作するもの)を,無事に安全な街のそばまで送り届けるというもの。
 セッティングには「ケイノス編」と「フリーポート編」が存在し,ケイノス編はサンダリングステップからアントニカへと抜けるルート,フリーポート編はネクチュロスフォレストからコモンランドへと抜けるルートが用意されていた。この二つが進行スタッフの解説&実況とともに同時に行われるという趣向である。
 襲いかかってくるMobを撃退し,ミッションを成功させたチームメンバーには"エバークエストII特製USBメモリー"と"エバークエストII特製マネークリップ",そして"PlayOnline特製タオル"が,運悪く失敗してしまった冒険者には"エバークエストII特製マネークリップ"と"PlayOnline特製タオル"が贈られる。
 なお,成功させたチームメンバーが手にできたUSBメモリーには,ゲーム内で使用できる重量軽減効果付き12スロットバッグ"the Pouch of the Well Traveled"のキーコードが含まれている。これを目当てに会場まで足を運んだ現役プレイヤーも多かったことだろう。筆者は幸運にもこのミッションに参加することができたのでその様子をお伝えしよう。



■MMORPG初心者にはちょっと厳しいイベントだったかもしれないが……
 筆者が割り当てられたのは,ケイノス編チームのウィザードのキャラクターだった。イベント用に用意されていたグループの構成は,両編ともにバーサーカー/ガーディアン,パラディン/シャドウナイト,モンク/ブルーザー,テンプラー/インクイジター,ウィザード/ウォーロックの5職業だ。冒険者レベルはどのキャラクターも25。レスキュー対象はレベル20。それにもう1人,先導役の運営側操作キャラクターも用意されていた。こちらのレベルは25である。運営側キャラクター2人はグループを組んでおり,参加者側グループとレイドを組む。コミュニケーションはレイドチャットで行われた。
 ホットバーを確認すると,一通りのスペルは登録されていたが,どうも威力が低いものが多いようだった。レベル25のウィザードの場合,強力な炎の単体DDや氷のエンカウンターAE攻撃呪文を持っているはず。このイベントの目的は未プレイ層へのアピールだしいいかな,とちょっと悩みつつ,ナレッジブックからそれらを登録し直して,いよいよイベントスタートとなった。

 「スリー,ツー,ワン,レスキュー!」のかけ声とともに,運営側のキャラクターはそれぞれが役になりきってレイドチャットで事情をしゃべり出した。参加者たちもそれにチャットで明るく答えていく。ほほえましい演出だ。それじゃあ行こうかと話がまとまると,先導役のキャラクターが走り始める。全員でそれについていくと早速数体のグリフォンが目に入った。レベル25キャラクターの目から見て,Conカラーは黄色だ。初心者が戦うにはちょっと厳しい相手ではないかと考えている間に,先導役のキャラクターはもう襲われていた。戦闘開始である。
 ファイター達が先頭に立って敵を斬りつけ,ヒール担当は仲間のHPを回復。筆者は攻撃魔法を使ってチームに貢献する。このグループには熟練プレイヤーが多かったようで,addがあったにもかかわらず,危なげないプレイでグリフォン達を撃退できた。

 闇の中を(ゲーム内の時間は夜だった)さらに進むと,今度は野生の熊たちが襲いかかってきた。Conカラーは青〜緑と少し弱めだが今度は数が多い。エンカウンターも複数なのでチームワークが問われる状況だ。うまくタンクが敵の注意をひきつけ,攻撃魔法が得意な筆者のウィザードは相手にダメージを与えて……いかなければならないのだが,どうも余裕がありそうだったので,画面を撮影しようと,ちょろちょろ戦場を歩き回りつつPrintScreenキーをぽちぽちと押していた。
 撮影のために消していたインタフェースを表示状態に戻すと前衛のHPが半分をきっていたなどドキリとさせられる一瞬もあったが,最後には熊たちをすべて倒すことができた。もちろんレスキューすべきキャラクター達も無事である。

 滝の裏側を通るルートからアントニカにゾーンする。入り口周辺にいたノール達に襲われたが,サンダリングステップをラクラク通過できるグループにとっては敵ではなかった。なんなく倒したあとは,グリフォンのステーションに向かい,空路でケイノス方面を目指す。ふたたび着地後,全員は南ケイノスの城門へと走る。門の前にたどり着いた時点で,ミッション成功!

 ちなみに,同時進行していたフリーポート側のチームはかなり苦戦していたようだった。サンダリングステップに比べてネクチュロスフォレストは見通しが利かないし,そもそも狭い場所にMobが密集しているので,多くの敵に襲われてしまう可能性が高いのかもしれない。グループが全滅した場合,ミッションは失敗だ。すべての参加者キャラクターには,事前にプリーストが召喚できる"倒れた仲間を復活させられるアイテム"が持たされていたので,それが必要になるような場面もあったようだった。

 今回のイベントは,さすがにMMORPGをほとんど知らない参加者にとっては厳しい内容だったと思われるが,ある程度EQ2を知っているプレイヤーにとっては,楽しめるものだったに違いない。
 自分達の動きを実況されながらのプレイというのは,なかなか新鮮な体験だった。ミッション成功時の拍手に驚いて振り向くと,思っていたより多くのギャラリーが見ていたことに気がついた。1人のプレイヤーとして,このイベントでEQ2に興味を持ち,プレイを始める人がさらに増えてくれれば嬉しい。



■EQ2初の拡張パック「デザート オブ フレイム」ではPvP要素が追加!
 さて,レスキューイベントの後には,このイベントに合わせて来日したSOEのコミュニティー・リレーションズ ディレクターであるAlan Crosby氏が登場し,EQ2初の拡張パック「デザート オブ フレイム(Desert of Flames)」の紹介を行った。
 デザート オブ フレイムは,現在英語版ではクローズドβテストが行われている状態。先頃オフィシャルサイトも公開され,スクリーンショットやロア(背景となる物語),FAQなどが参照できるようになった。拡張内容は「こちら」のE3時の記事でも参照できるが,あたらめてセールスポイントを列挙すると以下のようになる。

●テーマはアラビアンナイト
 追加ゾーンやモンスター,音楽などは,砂漠とアラビアンナイトの世界をモチーフとしたものとなる。そこには「エバークエスト」のプレイヤーには懐かしいゾーン“ロー砂漠”が含まれ,新たな町も追加。クリーチャーには"マミー"や"スペクター""ワニ",そしてあのEQIプレイヤーにとっては憎んでも憎みきれない強敵"サンドジャイアント"(!)も含まれる。

●クライミング能力の追加
プレイヤーはカベやガケなどをよじ登れるようになる。この要素はゾーン攻略に使用したり,敵から逃げるときにも利用できたりと,ゲームプレイにも影響する。

●新たなファクションの仕組みを持った町"Maj'Dul(マージ・ダル)"
追加される砂漠の町"Maj'Dul(マージ・ダル)"にはストーリーを持ったクエストが多数用意されるほか,複数の異なるファクションが存在する。プレイヤーは自分の意志で特定のファクションに助力する事が可能。

●PvP要素"アリーナ・チャンピオン"の実装
PvP要素が追加される。"アリーナ・チャンピオン"(Mobのようなクリーチャー?)に変身しての戦いが楽しめる。

 なにぶん開発中の拡張パックなので,要素の詳細部分がリリース時に変更されている可能性もあることはご了承いただきたい。とはいえ,クライミングやPvP要素,ファクションシステムなど,かなり大きな新要素が追加されることは確定しているはずだ。今回,Alan Crosby氏にインタビューするチャンスが得られたので,このあたりについても伺ってきた。のちほどUp予定のインタビュー記事もチェックしてほしい。(ライター:星原昭典 / photo by kiki)


EverQuest II
■開発元:Sony Online Entertainment
■発売元:Sony Online Entertainment
■発売日:2005/06/16
■価格:オープンプライス,月額1480円(税別)
→公式サイトは「こちら」

【この記事へのリンクはこちら】

http://www.4gamer.net/news/history/2005.08/20050801194812detail.html