ASUSTeK,PhysXカードを12月以降に発売へ
「ASUS」のロゴが刻まれたPhysXカード(右)。情報皆無なので正体不明だが,赤いグラフィックスカードの存在も興味深い。「Silencer」シリーズの新型だろうか?
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「こちら」の記事で紹介したように,COMPUTEX TAIPEI 2005において,AGEIA Technologies製の物理演算チップ「PhysX」の採用について言及していたASUSTeK Computer(以下ASUSTeK)。その後,とんと音沙汰がなく,やきもきしていた人も多いだろうが,開発は順調に進んでいたようだ。4Gamerでは,ASUSTeK製PhysX搭載カードの製品写真を入手したので,取り急ぎ,写真から判明したことをお知らせしたい。
カードはPCI接続で,カード上のシルク印刷を読む限り,型番は「PPU-AG1011」,リビジョンは1.00のようだ。「Physics Processing Unit」の略であるPPUの文字が刻まれるカードには,エンジニアリングサンプルでA1リビジョンと思われるPhysXチップ「AG1011-P」を確認できる。
搭載するメモリチップはSamsung Electronics製のGDDR3 SDRAM「K4J5532JQF-GC20」。カード背面の状態が不明なので断言はできないものの,片面実装とすると4個で容量は128MBになる。チップのスペック上,動作クロックは最高1GHz(500MHz DDR)になるはずだ。 メモリスペックはちょうどGeForce 6600 GTクラス。「こちら」の記事でAGEIA Technologiesが提示した「予価250〜300ドル」というのは,いわゆる初物価格になることからすればほぼ妥当,といったところだろうか。もちろん,チップの価格が出ていない以上,本当に妥当かどうかの結論はまだ出せないが。
このほかカードの写真には,3ピンのファンコネクタや,ヒートシンクを取り付けるためのホールも見えるので,ファン付きのチップクーラーが取り付けられる可能性は高い。また,4ピンの補助電源コネクタが用意されているから,おそらく+12V給電が行われるのだろう。
PhysXチップ。A1リビジョンという判断でいいと思われる
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現時点では,ASUSTeKから公式の発表がないため,PCI Express版が存在するのかをはじめとして,スペックに関してこれ以上のことは分からない。だが,同社に確認したところ,発売は2005年12月以降になる予定で,価格は未定との回答が得られたことだけは付記しておきたい。
本誌連載「奥谷海人のAccess Accepted」の「こちら」で紹介したように,米国ではBFG Technologiesが搭載カードを発売する予定だが,いかんせん同社には国内販路がなく,この点に不安を感じていた人も多いだろう。 この点,ASUSTeKが製品を開発しているなら,国内販売されるのはほぼ確実。安心してよさそうだ。正式発表を楽しみに待ちたいと思う。(佐々山薫郁)
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