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[G★2005#039]NC softの最重要プロジェクト?「Play NC」開発責任者インタビュー
2005/11/13 11:54
James Bae氏
 2005年6月に発表された「Play NC」は,6種のカジュアルゲームを擁するポータルサイトだ。業界での注目は,各ゲームタイトルそれぞれが単独でのリリースに耐えうるクオリティを予感させるものだからだ。スポーツを題材としたタイトルが多くなっているので,発表のタイミングを図っていたとも考えられるが,実際の戦略,サイト機能,今後のスケジュールはどのようなものなのか。同社常務取締役で,Play NC開発責任者でもあるJames Bae氏にそのあたりの話を聞いてみた。


4Gamer:
 お忙しいところ申し訳ありません。よろしくお願いいたします。

James Bae氏(以下,Bae氏):
 こちらこそよろしく。

4Gamer:
 Play NCというポータルサイトを立ち上げるきっかけは,どのようなことからでしょうか。

Bae氏:
 NC softは,積極的にMMORPGを開発してきましたが,オンラインゲーム市場のトレンドがカジュアルゲームへとシフトしていること,社内的にも作りたいという開発者からの要望が多かったことで決断しました。

4Gamer:
 トレンドが変わってきているということですね。Play NCは,β公開中ですが,今後のスケジュールはどのような感じでしょうか。

Bae氏:
 現在のサイトのコンセプトは,明るく,軽く,やさしいというキーワードを基に作られています。ブラッシュアップを重ねていき,2006年の上半期にはリニューアルを行って正式サービスへと移行したいと考えてます。

4Gamer:
 確かにサイトは軽そうに作られていますし,実際に閲覧しても軽かったです。そのリニューアル時にも三つのコンセプトは生かされるのでしょうか。

Bae氏:
 ええ,もちろんです。もっとコンセプトを推し進めた感じを目指しています。

4Gamer:
 ふむふむ。ポータルサイトサービスを行っている企業はすでにいくつかあり,現在のタイミングでは後発というデメリットをスタート時から背負っているのですが,これについてどう考えていますか? タイミング的にはいいと思うのですが……

Bae氏:
 市場投入が遅かったことは認識しています。しかし,ゲームやコンテンツを作っていくという意味でのノウハウ,技術力は競争していくのに十分足りていると思いますので,これからの成長を楽しみにしていてください。

4Gamer:
 逆に,すでにサービスインしているMMORPGタイトルは,このPlay NCとの連携はあるのでしょうか。

Bae氏:
 リネージュやリネージュII,City of Heroesなど,すでに正式サービスを開始しているタイトルをPlay NC上のサービスに変更するのは難しいと考えてます。これからのタイトルについては,料金支払いの一本化や共通アカウント化などを簡単に行えるように,Play NCと連携していく予定です。

4Gamer:
 なるほど。ログインや課金をゲームタイトルごとに行うスタイルは,結構手間ですからね。

Bae氏:
 ええ,共通アカウントとなれば,ユーザがサイト内のほかのタイトルを気軽に試せますので,自社内シナジーも期待できます。 ほかにも,ポータルサイトでサービスしているタイトルについては,課金のハードルをできるだけ低くしたいと思ってます。Play NCは,ポイントシステムも実装してますので,いろいろと応用が利くと考えてます。

4Gamer:
 少し話は変わりますが,現在のPlay NCには,6種のゲームが用意されていますよね。これで広範囲のオンラインゲーマーを取り込めると考えていますか?

Bae氏:
 いいえ,6タイトルでは足りないと思ってます。具体的には,FPSやレースゲームはぜひともサービスしておきたいタイトルです。3年後には30タイトルのサービスインを企画してますが,そのころにはトップになる自信もありますよ。

4Gamer:
 ほうほう。期待しています。一般的に広く利用されるようになるには,女性の利用が重要と考える人もいるようですが,現在の6タイトルには,女性向けとして考えられているのはありますか?

Bae氏:
 韓国では,コアゲーマー向けのタイトル以外では,女性でも積極的にオンラインゲームをプレイしますので,女性向けというのを強く意識しているタイトルというものはありません。しかし,遊びづらい,面白くないというところでは,女性のほうが敏感なようです。ですので,難しいという意見もあるSmash Starのスマッシュのタイミング,Toy Strikerの操作という部分では調整を行っているところです。まだまだブラッシュアップが必要ですね。

4Gamer:
 日本では,女性向けのタイトルを発売するなど,オンラインゲームを気軽に楽しむためのアプローチが違っているように思えます。

Bae氏:
 そうみたいですね。韓国では女性向けゲームというのはほとんどありません。まぁ,暴力的描写や血が噴出すシーンを好むのは男性で,ほとんどの女性は敬遠しがちですね。これからもいろいろとリサーチを行って利用者を増やしていける施策を取れればと考えてます。これについて社内でたくさんの企画がありますが,まだ具体的な段階までは進んでいません。

4Gamer:
 なるほど。韓国でのオンラインゲームブームの一端が見えたような気がします。最後にお聞きしたいのですが,MMORPGブームの次にカジュアルゲームブームが到来しました。その次に来るのはどのジャンルだと思いますか?

Bae氏:
 うーん。そうですね……。カジュアルゲームでオンラインゲームの楽しさを知った人が増えると,またMMORPGに戻っていくと思います。

4Gamer:
 本日はありがとうございました。


 今回のインタビューでは,Play NCの目指す方向と,Bae氏の描くサイトの位置づけを聞くことができた。また,Bae氏の自信も随所に垣間見られ,同社がPlay NCにかける情熱は相当なもののようだ。インタビュー終了後に,日本展開について聞いたところ,予定はしているもののその時期はまったく決まっていないとのことだった。ローカライズ一つ取ってみても,各タイトルが完了してからでないとサービスは行えないだろうし,いろいろと複雑な問題もあるようだ。
 韓国オンラインゲームメーカー大手の各社から,自社タイトルを載せるポータルサイトが続々と発表されて混沌としてはいるものの,逆にそれだけオンラインゲーム市場が活発であり,韓国がオンラインゲームを牽引している証拠という見方もある意味できるのではないだろうか。(Seal)


PlayNC
■開発元:N/A
■発売元:NC Soft
■発売日:N/A
■価格:未定
→公式サイトは「こちら」
Exteel
■開発元:N/A
■発売元:NCsoft
■発売日:
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
Smash Star
■開発元:NCsoft
■発売元:NCsoft
■発売日:2005年内
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
SP JAM
■開発元:EGN Interactive
■発売元:NCsoft
■発売日:2007年内
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」
Toy Strikers
■開発元:NCsoft
■発売元:NCsoft
■発売日:N/A
■価格:N/A
→公式サイトは「こちら」

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