[G★2005#046]さらなる改良が加えられたオンラインロボットアクション「Exteel」インタビュー
NC softのPlay NCキーパーソンインタビューのラストは,オンラインロボットアクションゲーム「Exteel」だ。2足歩行ロボットを自分好みにカスタマイズし,最大16人で対戦を行える。また,ロボットのデザインやモーションがスタイリッシュになっているだけでなく,ブースターによってスピーディな移動や複雑な機動を繰り広げられるのが特徴だ。 その開発を行う,NC softのTeam BEAMのゲームデザイナーShin,Young-Taek氏に話を聞くことができた。ブースに出展されている試遊台を少し見ただけでも,E3 2005時のバージョンからの進化が見てとれるが,どこがどれだけ改良されたのか。また,どのような方向性を持って開発が行われてきたのか。そのあたりを中心に話を聞いてみた。
4Gamer.net: はじめまして。本日はよろしくお願いいたします。
Shin,Young-Taek氏(以下,Shin氏): こちらこそ,よろしく。
4Gamer.net: Exteelは,E3 2005で初披露したので,詳しい話を聞くには少し時間が空いてしまったわけですが,制作のきっかけを教えてください。
Shin氏: 韓国で成功したロボットアクションゲームが非常に少ないこと,新しいゲーマー層の獲得といったところです。
4Gamer.net: Exteelの制作にあたって,苦労されたところはありますか?
Shin氏: ええ,たくさんありますよ。オンラインゲームというジャンルの中で,NC softがいままで開発してきたMMORPGとは異なるマーケットを対象にしなければならなかっただけでなく,ある程度一般ゲーマーにも受け入れられやすいようにしなければなりませんでした。 アクションゲームとして,この両方をクリアする解決策やゲームシステム,ゲームバランスを見つけるのが難しいところですね。
4Gamer.net: でも,ブースでの人だかりを見ていると,うまくクリアできているような気がします。E3バージョンと比べて,どこが変更/機能追加されていますか?
Shin氏: E3後に大きく変わっているのは,相手をロックできる範囲ですね。E3バージョンではその範囲が広く,またオートターゲットとなっていたのですが,FPSファンからの意見を取り入れた結果,現在の範囲とオートターゲットの機能削除という形に落ち着きました。なかなかうまく調整できているので,現在は彼らに評判がいいですよ。
4Gamer.net: あのブースでの人気は,FPSファンと一般ゲーマーの双方に受け入れられているということですね。
Shin氏: あと,普段コンシューマゲーム機で遊んでいる人や,オンラインゲームをプレイしたことない人でもすぐ慣れられるように,簡単な操作で楽しめるようにしたのも要因の一つかもしれませんね。
4Gamer.net: では,結構完成度は高くなっているのですね。今後のスケジュールはどのような感じとなってますか?
Shin氏: まず,オープンβテストは12月21日からスタートする予定です。そこでのアップデートで,4種のマップ,パーツ25個を追加します。パーツは,1か月に1セットのペースで増やしていけるように頑張っています。まだ決定はしていませんが,正式サービスを2006年の1月ごろに開始したいですね。
4Gamer.net: オープンβテストから正式サービスまでの期間が短くないですか?
Shin氏: オープンβテストは正式サービスと同等と考えていて,そのクオリティで開始しますので,短い期間でもテストは終了できると思います。 私はオンラインゲームに関わるのが初めてなのですけど,クローズドβテストなどで試験公開ができるのがいいですね。コンシューマゲーム向けのタイトルでは「発売=仕様FIX」ですからね。
4Gamer.net: そうですね。アップデートによって調整できるのはオンラインゲームの大きなメリットですね。少し話が変わるのですが,アクション性が高いとキーボード+マウスでの操作ではなく,ゲームパッドが便利だと思うのですが,対応は?
Shin氏: 対応予定はありますが,いつ実装できるかは未定です。
4Gamer.net: そうすると,韓国のゲーマーはゲームパッドは使わないのですか?
Shin氏: ええ,PCゲーム用のゲームパッドはいくつか販売されてますが,あまり使わないようですね。韓国でゲームといえば,昔からPCゲームのことを主に指しますし,キーボードに慣れている人は多いですね。
4Gamer.net: アクション性をウリとするカジュアルゲームが増えてきていますが,その中でもExteelはゲームパッドと相性がよいと思うので,ぜひ実装してください。 では,Exteelがそれらのカジュアルゲームに負けないような特徴はありますか?
Shin氏: やはりブースト時のスピード感,マップの構造を使った戦略ですね。実は,現在最大16人での対戦(モードとしては4:4と8:8の2種類がある)ができますが,サーバー側やクライアント側のプログラムを安定させられれば,32人まで対応させるというのも考えています。実はすでに実装されているマップにはこの32人対戦向けのものも入ってますよ。
4Gamer.net: え,そうなのですか。
Shin氏: ええ,8人マップの一部ですが,32人マップをそのまま使うと広すぎてゲームバランスが悪くなってしまうので,移動できないエリアを設定することで対応しています。
4Gamer.net: ぜんぜん気がつきませんでした……そういえば,E3バージョンでは巨大戦艦が登場するミッションがありましたが,そのような巨大ユニットは増えているのですか?
Shin氏: 残念ながら,ミッションや巨大戦艦はテスターの反応がいま一つだったのです。また,開発人員の問題で,すべてを同時に開発していくことはできません。現在は,Team戦のシステム,PvPの調整に集中していて,ミッションや巨大ユニット制作については,後回しという感じになってます。オープンβテストが開始され,安定してきた時期(2006年)には順次追加していきたいですね。
4Gamer.net: 最後に日本のFPSファンやオンラインゲームファンに,一言コメントをお願いします。
Shin氏: 日本には,ロボットやメカのファンが大勢いると思います。Exteelのアクション性の高さや大規模チーム戦の楽しさは,ほかにタイトルにはない魅力と思いますので,ぜひ日本でのサービスも期待していてください。
4Gamer.net: 本日はありがとうございました。
アクションゲームは,いわゆる“当たり判定”の設定一つで,面白さが変わってくる難しいジャンル。それをオンラインで多人数対戦させるとなると,サーバー/クライアント間の通信の問題によって,スピード感を犠牲にせざるを得ないというのが,いままでの手法だった。それが近ごろのプログラミング技術の進歩,サーバー性能の向上などによって,スピード感を損なわずに対戦プレイを実現したタイトルが増えてきている。 Exteelは,スピード感,アクション性のどちらも高いレベルで実現しているのが特徴的で,今後の予定にも対戦人数を2倍にする計画があるなど,聞いていて驚かされるばかりのインタビューとなった。 “ロボットもの”の成功が少ないのは,日本でもある程度当てはまるが,このExteelの完成度の高さを見てみると,これまでのイメージを払拭するようなヒット作となることに期待せざるを得ない。e-Sports的な展開も容易に想像がつくので,オンラインカジュアルゲームを牽引するタイトルの一つとなりそうだ(Seal)
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